2014衆院選 原発再稼働
2014年 12月 07日
佐賀新聞 社説 2014年12月06日 09時15分より一部
今後のエネルギー政策に、
衆院選の投票結果が持つ意味は大きい。
年明けにも九州電力川内原発(鹿児島県)の
再稼働が予定されており、
最終的には政府が
判断を下すことになるからだ。
川内原発は
すでに新たな規制基準での適合性審査を終え、
地元同意も取り付けている。
経済優先の安倍政権は
「再稼働を進める」姿勢で、
政策変更がない限りは運転再開へと進んでいく。
だが、国民の多くは
再稼働に慎重だ。
今年9月に日本世論調査会が実施した
全国面接世論調査では、
反対が61%で、
賛成の34%を大きく上回っている。
東京電力福島第1原発事故以降は、
原発を見る目が変わっている。
それでもそのまま投票に反映されるわけではない。
11月の共同通信社の全国電話世論調査では
「投票で最重視する課題は」の問いに、
「原発・エネルギー政策」を選ぶ人は7・7%しかいなかった。
経済政策や社会保障を重視する人のほうがずっと多い。
選挙は政策を単品ではなく、パッケージで選ぶ。
だから6割の声がまとまることはない。
単品で選んでいなくても、
引き続き現政権が過半数を得れば、
「再稼働の方針が信任された」と
ゴーサインを出すだろう。
再稼働について、民主党は「責任ある避難計画」、
維新の党は「『核のごみ』の最終処分の解決」がなければ、認めない立場だ。
次世代の党は原発活用に積極的で、他の野党は一切認めない。
福島事故で
安全神話も
発電コストが安いという神話も
崩壊した。
原発依存から可能な限り早く抜け出すことが国民の多くの願いだろう。
再稼働の是非と一緒に、将来の電源別の構成比率も問いたい。
・・・(中略)
川内が先陣を切れば、
条件を満たした原発は次から次に動き出すだろう。
安倍政権下の2年間で加速した「原発回帰」を進めるのか、止めるのか。
当たり前だが、1票を投じることは、公約実現を後押しする力になると肝に銘じたい。