スキーにはまっています。


by 幸田 晋

国内の使用済み燃料の行方  〜第107回小出裕章ジャーナル

みなさま、時間のアル時に
是非、「HP『ラジオ・アクセス・フォーラム』」へ
お出で頂きたい。と、思います。<<KK>>

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国内の使用済み燃料の行方
「米国としてはその危険なウランを外国に出していないわけですから、
引き取る義務もないし理由もないということで、
引き取りを拒否するということになってきているわけです」

〜第107回小出裕章ジャーナル

HP「ラジオ・アクセス・フォーラム」 
2015年01月24日より転載


景山佳代子:
1月の小出裕章ジャーナルは、ずっと特集シリーズでお送りしているんですが、1月のテーマは「原発はなぜいけない?」です。本日の特集シリーズ「原発はなぜいけない?」というのは、廃物の処理ができないということについて、小出さんに伺っていこうと思います。

小出さん:
はい。まず、景山さんにお礼を言いたいのは景山さん今、放射性廃物という言葉を言って下さってとてもうれしいです。景山さんはもちろん、ご承知の上でその言葉を使って下さったんだと思いますが、聴いて下さってる方にもう一度確認をしておきたいのですが、 普通は皆さん放射性廃棄物という言葉を使うのです。そして、廃棄物というのは「ダメになったから棄てる物」と書くのです。

普通の例えば家庭のゴミとかは、生ゴミだろうと肉だろうが環境に捨ててしまえば、いずれバクテリア等が分解して始末をしてくれるわけですけれども、放射能に関しては自然には全く分解作用も浄化作用もありませんので、放射能のゴミに関する限りは捨ててはいけない。だから、私は廃棄物ではなくて廃物と呼ぶようにしてきたのです。

このラジオを聴いて下さってる方々も、放射能のゴミというのは特別なゴミだということを忘れないでいて頂きたいと思います。

景山:
そうですね。その原発というものを稼働させる限り、現在の科学では処理できない放射性廃物というのを抱え込むことになるんだ。そういうのをまざまざと実感させられてるんですけれど、実は放射性廃物っていうのは原発以外の施設からも発生してるんですよね?

小出さん:
そうです。

景山:
はい。今回、ちょっと伺いたいなと思ってるのが、小出さんが今お勤めしてらっしゃる京都大の研究用実験炉も含めて、日本で現在14基、研究原子炉が運転されているというふうに伺ってるんですが。

小出さん:
はい。そういう所でももちろん、原子炉を動かしてるわけですから、核分裂生成物はできますし、さまざまな実験をすることで放射能のゴミができて、そのお守りをどうするのか、どうできるのかということでずっと苦しんできているという歴史です。

私自身も京都大学原子炉実験所の中では放射能のゴミのお守りをするという部署におりまして、なんとか放射能を環境に漏らさないようにして、ずっと仕事を続けてきた人間です。なんとかこれまでは、福島のような大きな事故は起こさないできましたけれども、これからほんとにゴミの始末がどうできるのか、頭の痛いことになってしまっています。

景山:
そうですね。こうした研究炉でも使用済み燃料というのはたくさん出てると思うんですけど、これまではアメリカに引き渡されていたということを小出さん、以前お話して下さってたかと思うんですが、ところがこれ、2019年5月以降はこの契約延長されない可能性があるというふうなことを提言の方で見かけたんですがけれども、この場合、まず研究炉での使用済み燃料がもしも今後アメリカが引き取らないということになったらば、どういうふうに行っていくことになるんですかね?

小出さん:
大変困るわけです。ですから、京都大学原子炉実験所としても、使用済みの燃料を抱えたままではとても難しいだろうということで、とにかく米国が引き取ってくれるまでは、まずは運転をしたいと希望しているわけですし、米国との交渉で、米国が引き取ってくれる期間というものがもし延ばしてもらえるのであれば、まだ更に何年かは運転できるだろうということを期待しているという、そういう状況です。

景山:
突然、これアメリカはなぜ契約延長をしないという判断をされたとか、なんかそういう理由ってあるんですかね?

小出さん:
もともとですね、例えば京都大学実験所の原子炉というのは米国が造った原子炉なのです。日本が自分で造れたわけではなくて、米国が造ってくれた。そして、燃料も米国がくれたという、その自分が造った原子炉用の燃料を米国が提供してきたということなのですけれども、その燃料は、例えばうちの原子炉の場合には93%濃縮ウランというウランを使っていまして、原爆材料そのものなのです。

それを原子炉の燃料に使っていたわけですが、もうこれ以上原子炉の中では燃やせないという状態になっても、なおかつ、核分裂性のウランが70%ぐらい燃料の中に存在しているので、もし、原爆を造ろうとすればできてしまうという、そういうウランなのです。だから米国としては、そんな物を日本には置いとくわけにはいかないから、とにかく返せと言って、そういう契約だったのです。

しかし、途中で米国がそのことの危険性に気が付きまして、もう海外には93%高濃縮ウランというような物を提供しないということにしまして、京都大学原子炉実験所もそれまで使っていた燃料が全て尽きてしまったという状態に、十数年前に陥ってしまったのです。

ですから、もう米国としては、その危険なウランを外国に出していないわけですから、引き取る義務もないし理由もないということで、引き取りを拒否するということになってきているわけです。

景山:
なんだかこう、すごくアメリカという国の政策に左右されながら、日本の原子力っていうのが進んできたという感じが今、伺っていると非常に…

小出さん:
おっしゃる通りです。原子力発電所の原子炉もそうですし、研究用の原子炉も全て日本というこの国では、米国におぶさってきたという歴史です。

景山:
そうですね。そうして私達が突然、その大量に残されていく放射性廃物っていうのを、じゃあこれからいきなり自分達でどう引き受けて処理したらいいのかっていう、こういう問題が、今後突き付けられていくという、そういう状況なんですね?

小出さん:
そうです。いずれにしても研究炉にしても、長い年月動かすことはこれからできませんし、原子力発電所にしたってどっちにしてもウランは枯渇してしまって、数十年の後にはもう動かなくなるわけですけれども、その後には膨大な放射能のゴミが残されてしまって、そのゴミのお守りを何百年、何千年、あるいは何十万年と引き受けなければならないということになるのです。

景山:
そうですね。では、今日も本当にありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。
by kuroki_kazuya | 2015-01-26 06:05 | 核 原子力 | Comments(0)