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by 幸田 晋

補正予算は「平成の臨時軍事費特別会計」だ

補正予算は
「平成の臨時軍事費特別会計」だ


東洋経済オンライン 1月26日(月)11時50分配信より一部

1月14旬に閣議決定した
平成27年度(2015年度)政府予算。
そのうち防衛省予算は
前年度比2.0%増で
過去最大の4兆9801億円となる


しかし、
補正予算案に盛り込まれた
防衛費(2110億円)と合計すると
5兆1911億円となり、
「5兆円」という大台に乗る。
「平成の大軍拡」と言っていいだろう


補正予算は予期せぬ出費が発生した場合などに対応するためのもの。
だが、今回は本予算で調達すべき兵器などが経済対策や災害復旧・復興加速化の名目で、
補正予算の中で要求されていた点に大きな特徴がある。

補正予算という「隠れ蓑」を使うことで、
2015年度の防衛予算を抑制し、
5兆円突破を防いだとみることもできる


■ 補正予算の中身とは? 

補正予算の中身をみると、
「1.経済対策(災害復旧・復興加速化など災害・危機管理への対応)」として616億円が要求されている。
その1としては「自衛隊の災害対処能力の向上等として要求されており、
航空機については大型輸送ヘリ、CH-47Jの改修、連絡偵察機LR-2を1機調達、
車輛などでは軽装甲機動車43輛、NEC偵察車1輛、96式装甲車8輛、
その他野外通信システム、個人用防護装備(防弾チョッキなど)、
化学防護服などがリストに上がっている。

これらは本来、
すべて通常の防衛予算で要求すべきものだ


またその2として
「自衛隊の安定的な運用体制の確保」として526億円が
島嶼部における拠点の整備(与那国島、那覇)、艦載型映像伝送装置等の整備、
装備品の部品等の調達等が挙げられている。

さらに「防衛施設の円滑な運営の確保等」として
440億円が防衛施設の安定的な運用の確保
及び米軍再編の着実な実施のための経費として計上されており、
厚木飛行場をはじめとする飛行場周辺の住宅防音工事の助成、
在沖米海兵隊のグアム移転、普天間飛行場の移設に伴う施設整備、
厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐に伴う施設整備などが含まれている。

これらは本来、
防衛省の本予算で支出されるべきで性格のものばかりだ。

どこが「災害復興」に役立つのか。
「経済対策」にしても、防衛関連に予算を使っても乗数効果は低い。
同じカネを使うのであれば、「本当の災害復興」や保育園の増設など、
本当に必要で、乗数効果の高いものに使うべきだ。

国の借金がこれだけ拡大しているのに
効果の低いバラマキを行うのは
いたずらに国の借金を増やすだけだ


本来、補正予算として認められるのは
「追加財政需要(自衛隊の活動経費)等(999億円)に含まれる、
給与改定に伴い不足する自衛隊員の給与等、
不足する燃料費、為替レートの変動に伴い不足する外貨関連経費など、
本年度予算で想定外の支出に対応するものだ。

またこの項目の中には新たな政府専用機導入に伴う経費が含まれているが、
これまた本予算で要求すべきものだ。

つまり安倍政権は
防衛予算を小さく見せるため、
さらに2015年度予算の総額を小さく見せるため(補正予算は2014年度分)、
防衛本予算で調達すべき装備などを被災対策の「美名に隠して」要求している。

防衛費が4兆円台か5兆円台では
世論の印象が随分違うのではないか。

防衛費を4兆円台にしたのは、
軍拡という批判を抑えるためだろう


多くのメディアは、
2015年度の政府予算膨張を抑えたと評価している。
つまり上手く政府の情報操作に沿った報道をしている。
たとえば産経新聞のこの報道などが典型といえる。
これは露骨な印象操作のように感じられる。 

かつて防衛省は
東日本大震災の補正予算でC-2輸送機約400億円に代表されるような、
通常の防衛費で調達すべき装備などを要求してきたが、今回も同じ構図だ。

■ モラルハザードが起きかねない

このような防衛費+補正予算=
本当の防衛費という構図が定着するならば
モラルハザードが起こるだろう。

足りない予算は補正に回せばいいじゃないか、思うようになるからだ。
それをオーソライズしているのが自衛隊の最高指揮官でもある安倍首相だ。

このやり方は
旧日本軍と全く同じ体質にも感じられる。
旧軍では
中国戦線の予算確保のために
「臨時軍事費特別会計」という「打ち出の小槌」を使用した。
この「打ち出の小槌」による
軍事予算の安易な拡大が、
先の大東亜戦争に至るエスカレーションを招いたといえる。


しかも、この特別会計は国債によって賄われ、
その国債を買っていたのは日銀だった。
なにか今の経済政策と似ていないだろうか。

果たしてこのようなチープなトリックで
国民、ことに震災の被災者を食いものにするような組織が
戦時に本当に国民を守ってくれるのだろうか。

また国民の信頼を得ることができるだろうか。

想定される島嶼防衛が起きた場合、
先の大戦で開拓民を見捨てた関東軍とか、
沖縄での悲劇がまた繰り返されるのではないだろうか


そのように納税者から疑われてもしかたないのではないか。


・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2015-01-27 06:35 | 軍事 | Comments(0)