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by 幸田 晋

<神話の果てに>大量消費が招いた悲劇/第16部・私の視座(1)倉本聰氏

<神話の果てに>
大量消費が招いた悲劇
/第16部・私の視座(1)

倉本聰氏


河北新報 2015年02月19日木曜日より一部

福島第1原発事故から間もなく4年。

事態収拾に程遠いまま、国内では原発再稼働に向けた動きが加速する。

複数のプラントを抱える東北も今後、一定の判断を迫られるのは確実だ。

人々はいかに原子力に向き合い、どう考えていくべきなのか。

各界の4人に聞いた。(原子力問題取材班)=第16部は4回続き

<怒りと葛藤 代弁>
 福島県の浜通り地方を舞台にした劇『ノクターン-夜想曲』の全国公演に1月から取り組んでいる。東京電力福島第1原発事故の後、精力的に現地取材を重ねて脚本を練り上げた。
 東日本大震災で家族を亡くした原発作業員らを登場させ、被災者の怒りと葛藤を代弁させた。「故郷を奪われる悲惨な状況をはね返そうとする人間の美しさ、素晴らしさを表現したかった」
 代表作であるテレビドラマ『北の国から』の続編を、福島を舞台に描く構想も抱く。「豊かさとは何か」「幸せとは」。舞台や設定は変わっても問い続けるテーマに揺らぎはない。
 「物があふれるだけの『豊かさ』が家庭から幸せを奪ったのではなかろうか」。原発が招いた悲劇の背景に、肥大化した消費社会の存在を見る。
 「テレビ、コンビニエンスストアは24時間動き続けなければならないのか。わずか5メートルを歩かず楽をするために、リモコンは必要なのだろうか」
 経済界が消費意欲を刺激し、新たな市場を掘り起こす。同じ構図をエネルギー関連にも感じ取っている。
 「再生可能エネルギーや水素発電といった原発の代替策が論じられているが、大量消費という前提は変わっていない。需要をどう仕分けしていくかという議論が欠けている」と指摘する。


・・・(中略)


[くらもと・そう]1935年東京生まれ。
東大卒。ニッポン放送を退社後、脚本家として独立。
代表作は「前略おふくろ様」「北の国から」など。
77年富良野市に移住し、84~2010年に役者らを養成する「富良野塾」を主宰した。
00年紫綬褒章受章。80歳。
by kuroki_kazuya | 2015-02-20 06:58 | 核 原子力