スキーにはまっています。


by 幸田 晋

「川内原発の再稼働審査を糾弾する! 原子力規制委員会院内ヒヤリング」

「川内原発の再稼働審査を糾弾する!
原子力規制委員会院内ヒヤリング」


田中一郎(たんぽぽ舎会員)



たんぽぽ舎です。【TMM:No2467】
2015年4月22日(水)午後 10:42
地震と原発事故情報より一部



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┗■1.「川内原発の再稼働審査を糾弾する! 原子力規制委員会院内ヒヤリング」
 └──── 田中一郎(たんぽぽ舎会員)

○4月21日、参議院議員会館講堂において、「川内原発の再稼働審査を糾弾する! 原子力規制委員会院内ヒヤリング」が開催されました。
当日は多くの傍聴者が駆け付けた他、作家の広瀬隆さんや元東芝の原子炉格納容器設計技師・後藤政志さんらも加わり、緊張した雰囲気の中で原子力規制庁へのヒヤリングが行われました。別添PDFファイル、及び下記URLは、その際の資料、及び関連サイトです。 (PDFはありません)
 川内原発をはじめ、原発をめぐる諸問題については、これまでも原子力規制庁へのヒヤリングが幾度となく繰り返されてきました。しかし、それらはいずれも原子力規制庁側の説明責任の放棄と無責任かつ不誠実な態度、あるいは隠蔽主義などによって、ほとんど内実のあるものになっておりません。今回は、(1)先般認可された川内原発の工事計画について、(2)航空機事故とテロ対策について、(3)高浜原発3,4号機に関する福井地裁判決を受けての原子力規制委員会の審査について、の3点に絞ってヒヤリングがなされました。しかし、残念ながら今回もまた、前回までと同様に、ほとんど誠実な説明や解答は原子力規制庁からは出てきませんでした。
(参考)(報告)川内原発再稼働審査(「工事計画」他)についての院内交渉集会(2/19):「黒枠白抜き」で審査内容を隠す原子力「寄生」委員会・「寄生」庁 + 今月号のDAYS・JAPAN(2015/3)
 いちろうちゃんのブログ
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-ed33.html
(前回,2月に同じテーマで実施された原子力規制庁ヒヤリングの報告です)

○特に、許しがたいことに早々とに認可されてしまった工事計画ですが、この内容については、たんぽぽ舎の山崎久隆さんが膨大なボリュームの工事計画書を仔細に読み込んでの原子力規制庁追及がなされ、多くの疑問点が提示されました。この工事計画の問題については、約2か月前の2月にも、原子力規制庁ヒヤリングがなされたのですが、その時は「審査中」を理由にして、肝心な箇所についての言及を原子力規制庁が避けたため、何が何だかわからないままにヒヤリングが終わっていました。今回は、工事堅確の認可が終わっていますので、少しくらいはまともな話が来てるだろうと思っていましたが、原子力規制庁からは、どれ一つとして満足のある説明や解答は得られませんでした。
 工事計画は、実際の原発の設備に関して具体的に事細かに規制がなされる「原発施設安全規制の心臓部」にあたるものですが(逆に工事計画認可の前段の設置変更許可は、いわば「こういう風に設備をつくります」という一般的な概念規定のようなもので、それ自体は重要でも、それだけでは実際の原発の安全確保は一般的抽象的すぎてよくわからず、(再)稼働の是非の判断を下すことはできません)、にもかかわらず、いたるところに「白抜き」の非公開部分があって、工事計画を見ても、どのように安全が確保されているのかさっぱりわからない状態のままです。具体的な数字・数値が公開されないので、審査を監視する側で規制委・規制庁がやっていることの検証ができないのです。原子力規制委員会・規制庁は、申請者である九州電力の言うがままに非公開扱いとし、セキュリティ問題や企業秘密を盾に、有権者・国民や現地住民に対する説明責任を放棄して平然としています。しかし、一つ一つの非公開箇所を丁寧に見れば、こんな理由では説明がつかないものが山ほどあります。これは明らかに、公開原則をうたった原子力規制委員会・規制庁の設置法に違反する行為であると考��┐蕕譴泙后��� こうしたプリミティブな問題をはじめ、川内原発の工事計画については、事前着工のこと、老朽化した蒸気発生器の交換のこと、新旧設備や部品のつぎはぎと耐震強度の問題、水素ガス対策、緊急炉心却装置(ECCS)の機能性や耐震性や強度の問題、制御棒挿入時間、免震重要棟(緊急時対策所)の確保、特定重大事故等対処施設(緊急時制御室、or第二制御室、or特定安全施設:5年間猶予)、その他もろもろ多くのことについて、疑問だらけのままの工事計画認可になってしまっています。

 そもそも、工事計画が認可された川内原発1号機については、もともと基準地震動が270ガルで設計されていた原発施設ですが、その基準地震動が620ガルに引き上げられたからといって、この原発施設に対して特別に重厚な耐震工事を行うわけではありません。にもかかわらず、簡単に工事計画が認可されてしまっているのは、たとえば山崎久隆さんが発見したいくつかの設備については、設計上の想定限度を超えて何倍もの大きな応力がかかっても大丈夫だ、などと、おかしな理屈や(簡便法の)シミュレーションモデルを駆使して、その無理無理のGOサインを合理化しているように、設計上には必ずある「安全余裕」を食いつぶしながら、いわば屁理屈を付けて「原発耐震偽装」のようなことをして、工事計画の審査をパスさせているからなのです。信じがたいことだというほかありません。要するに、川内原発1,2号機は、審査をする前から再稼働することは決まっていて、だからこそ、工事計画の認可の前に事前工事も黙認され、そして書類上の形だけの工事計画書が創られて、まるで儀式か何かのように、その工事計画が再稼働手続きの一環として認可されていった、とい��Δ海箸覆里任靴腓Α�海譴任蓮∪酘盡業�牢蹐覆�討靴腓Δ�△蠅泙擦鵝����○以下、当日の資料をご覧になってみてください。内容的には「質問1」のところが、原子力工学的な専門的知識がないと、少しわかりにくいかもしれません。また、印刷が不鮮明で、工事計画書のコピーなどは、字がはっきり見えないかもしれません。あまり個々の小さなことにはこだわらず、質問者の山崎久隆さんの質問内容をしっかり読み込み、何を山崎久隆さんが問題にしているかを体で感じ取ってみてください。「質問2」と「質問3」は、それほど難しくないと思います。
●4−21(火) 川内原発に関する院内ヒアリング[対・原子力規制委員会] 再稼働阻止全国ネットワーク
 http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/8728

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┗■2.「建屋内ロボット動画を見て思う」
 | このような状況は少なくともあと20〜30年か
 |  ことによると100年単位で覚悟しなければならない
 └──── 上岡直見(環境経済研究所(技術士事務所))

 東電のホームページに2015年4月13日付で「1号機原子炉格納容器内部調査実証試験」と称するロボットによる遠隔動画が公開された。(*)全体的に7〜8Sv/h、一時的には25Sv/hという、人間が近づけば即死レベルの線量率が表示されている。動画をみると湯気(水蒸気)がモウモウと立ち昇っていることがわかる。

 メルトダウンから1500日くらい経って溶融燃料の崩壊熱は減衰しているが、まだ1炉あたり2〜3MW(メガワット)くらい出ているはずだから、当分の間は水を入れ続けなければならない。

 この熱量は1時間あたり3〜5トンの水(家庭用風呂の15〜25杯分くらい)を蒸発させるエネルギーがあるから、湯気がモウモウと出るのも当然だ。水は溶融燃料に直に触れているから湯気には強烈な放射性物質が混じっている。
(*)http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/archive-j.html?video_uuid=hd20sv80&catid=69619

 格納容器は本格的に壊れていて修理もできないし建屋も完全な気密にはできないから、その湯気が今も外に漏れ続けている。建屋の外であっても作業している人は被曝せざるをえない。さらには湯気が格納容器や建屋に当たると冷えて水滴になる。

 たとえて言うと、ドリフターズの「いい湯だな」の歌に「湯気が天井からポタリと背中に」という歌詞があるが、その現象である。この時に放射性物質の濃縮が起きていると思われる。動画を見ていると線量率が25Sv/hくらいに跳ね上がる瞬間があるが、落ちてきた水滴がロボットに当たったとか、放射性物質の濃縮された水滴が落ちた場所を通りかかったなどの状況だろう。

 このような状況は少なくともあと20〜30年か、ことによると100年単位で覚悟しなければならない。「アンダーコントロール」でオリンピック開催などとんでもない話だ。

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┗■3.核発電所と言い換える試みは大事です。
 |  「核廃絶」を掲げてきた原水禁運動の立場から、「脱原発」ではなく
 | 「ノーニュークス」=「核利用の禁止」「核廃絶」とはっきり言いたい
 └──── 井上 啓(元原水禁、東京在住))

 私も事の本質を表現する正確な『言葉」を使うことに賛成です。

 英語でニュークリアプラントと表現するのは、核施設ということで爆弾製造も発電でも本質は変わらないということなのでしょう。

 ヒロシマ、ナガサキと水爆実験被害の体験から、原水爆(核兵器)製造利用(殺人目的)と区別するために使い始めた「原子力の平和利用」=原子力発電。

 最初はどのように使われていたかはっきりしませんが、いつの間にか核=兵器原子力=電気というように刷り込まれ、共通する危険、人間の手には負えない「放射性物質製造装置」と「放射能公害」について「目隠し」されてのです。

 村上氏の言うとおり「核発電所」と言い換える試みは大事だと思います。
そうであるなら、「核廃絶」を掲げてきた原水禁運動の立場から、「脱原発」ではなく「ノーニュークス」=「核利用の禁止」「核廃絶」とはっきり言いたいと思います。自らの想いを自らの言葉で表現することは大切です。マスコミのながす言葉の中にごまかしを感じたとき、はっきりさせる努力をしましょう。

言葉の遊びで目先をかわしている典型的な方が政府の頂点にいます。

 ※4月20日の原稿に寄せられた文章です。
by kuroki_kazuya | 2015-04-23 06:25 | 核 原子力