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by 幸田 晋

浜岡維持に年1000億円 発電ゼロでも消費者に転嫁

浜岡維持に
年1000億円 

発電ゼロでも
消費者に転嫁


中日新聞 2015年5月14日朝刊より一部

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の三基が政府の要請で全面停止してから十四日で丸四年を迎えた。この間、中電が再稼働を前提にした浜岡を維持するために年間一千億円規模、四年間で約四千億円の費用を投じていることが分かった。

発電しなくても生じる
巨額な原発の維持費は
電気料金に上乗せされ、
家庭や企業が負担している。


 一方、電力需要がピークを迎える夏を控え、中電は今夏も供給力に余裕があり、五年連続して「浜岡抜き」で夏場を乗り切れる見通しだ。


・・・(途中略)


中電が四月に発表した二〇一五年三月期決算によると、原子力発電費は千八十億円。主な内訳は浜岡の耐用年数に応じた減価償却費(二百十八億円)、下請け企業への業務委託費(百四十六億円)、修繕費(百三十八億円)、原発部門の社員への給与などの人件費(七十四億円)など。

 中電の有価証券報告書によると、浜岡停止以降、原子力発電費はほぼ同額で推移。浜岡が運転していた一一年三月期は千二百八十億円で、その八割に相当する年間一千億円が停止後も維持費として使われていた。これらは最終的に家庭や企業がまかなっている。


・・・(途中略)


◆リスクが大きすぎる

 <元三菱銀行ニューヨーク支店長の末吉竹二郎・自然エネルギー財団代表理事の話>電力会社にとって原発にこだわることが有利に働くとは言い切れない。浜岡原発は、向こう三十年内に87%の確率で発生するとされる巨大地震の震源域にある。金融やメーカーの世界でも、それほどのリスクを負う投資はしない。通常のビジネスでは負えないリスクにどう対処するのか。経営上の理由だけでは説明にならない。

 <浜岡原発>1976~2005年に5基が次々と運転を始めた中部電力唯一の原発。運転期間が30年を超えた1、2号機は09年から廃炉作業に入っている。南海トラフ大地震の震源域に立地し、3~5号機は福島第一原発事故後の11年5月14日に菅直人首相(当時)の要請で完全停止した。3号機は出力110万キロワット、4号機は113.7万キロワット、5号機は138万キロワットで、中電の電力供給力の1割程度を占めた。
by kuroki_kazuya | 2015-05-15 06:53 | 核 原子力