ヘイトスピーチ許さぬタクシー ステッカー掲げ走行
2015年 05月 29日
許さぬタクシー
ステッカー掲げ走行
東京新聞 2015年5月28日夕刊より一部
ヘイトスピーチ、許さない-。
大阪の街で、そんなステッカーを掲げるタクシーがある。
大阪市住之江区の「日本城(にほんじょう)タクシー」だ。
社長の坂本篤紀さん(50)が一月に発案し、五十四台に貼って四カ月。
「差別はあかんと思っている人は実は多い」と手応えを感じる日々を送っている。
在日韓国、朝鮮人の住民が多い大阪市生野区の鶴橋で
活発化した排外主義的なデモに、
坂本さんが遭遇したのは昨年秋ごろ。
「朝鮮人を殺せ」「ゴキブリー」などと、拡声器で叫んで歩くグループの中に、
多くの若者が含まれていることが気にかかった。
自身もかつて、在日コリアンに差別的感情を持っていた。
「地震が起きたら朝鮮人は火を付ける民族、なんて根も葉もない話を、年長者から聞いて育った」。
中学や高校生のころ、朝鮮学校の生徒たちに「国に帰れ」などと、けんかを売ったこともあった。
しかし、十年ほど前「冬のソナタ」など韓国ドラマのファンになって、差別心は一気に消えた。「いかに薄っぺらい差別意識だったか。何も知らなかっただけ」と悟った。
・・・(後略)