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by 幸田 晋

世界の警官から秘密警官へ、米国の恐ろしい急変ぶり

世界の警官から秘密警官へ、
米国の恐ろしい急変ぶり


JBpress 9月30日(水)6時25分配信より一部

 知らないことほど恐ろしいものはないと思える事態が世界で進行している。

 実は、米国のバラク・オバマ政権はジョージ・ブッシュ前政権よりもはるかに多くの米特殊作戦軍(以下SOCOM:いわゆる特殊部隊)の隊員を、世界中に派遣していることが分かった。

 複数の情報を総合すると、今年だけでもSOCOMはすでに世界135か国に隊員を送り込み、派遣している隊員数は1万1000人に達している。

 SOCOMは特殊部隊を統合する総合軍で、配下に陸軍、海軍、空軍、海兵隊の特殊作戦部隊が入っている。よく耳にする陸軍デルタフォースや海軍シールズ(SEALs)もSOCOMの指揮下にある。

■ 2倍に増員された特殊部隊

 特殊部隊の活発化は隊員数の推移を見ても分かる。国外に派遣されている1万1000人を含めた総隊員数は7万人に達する。2001年には約3万3000人だったので、ほぼ2倍になった。

 オバマ大統領がなぜ特殊部隊に力を注いでいるのだろうか。過去数年、国防総省(ペンタゴン)の規模と予算は縮小傾向にあり、表向きの国防方針と矛盾している。

 オバマ大統領はこれまで「米国は世界の警察官ではない」というフレーズをたびたび使ってきた。例えば2013年9月のテレビ演説では、警察官としての役割を否定し、内戦の激化するシリアには大規模な地上軍(陸軍)は派遣しないと述べた。

 その理由の1つは、ブッシュ前政権が始めた対テロ戦争で多数の米兵を中東に派遣しながら、収束できていない現実がある。テロ組織を壊滅することが容易でないばかりか、戦費拡大と米兵の犠牲が内外から批判されてきたのだ。

すでに世界の警察官の立場を降りた
と言える数字もある。
2001年から始まった対テロ戦争で、
米国は累計で
約1.5兆ドル(約180兆円)もの
国防予算を使った


 前政権の国防政策への反省もあり、オバマ政権が誕生してからの対テロ戦費は下降し続け、
2013年度以降は
年間1000億ドル(約12兆円)を下回っている

イラクとアフガニスタンに駐留する米兵数も減少し、イラクからは撤退、アフガニスタンからもゆくゆくは撤退する方向だ。

 それではなぜいま特殊部隊を世界中に拡散させ、隊員数も予算も増やしているのか。

 ワシントン・ポスト紙によると、ブッシュ政権時代、特殊部隊が展開した国数は約60か国だったが、2010年には70か国になり、今夏には135か国にまで膨らんだ。

 さらに特筆すべきなのは中東に駐留する特殊部隊が減り始め、それに代わって東欧や日本を含めた極東地域などに隊員を増やしていることだ。

■ 東欧と中南米、極東に注力

 SOCOMのジョセフ・ヴォーテル司令官は今年7月、コロラド州アスペンで行われた安全保障フォーラムで次のように発言している。

 「東欧に力点を置き始めています。同時にコロンビアをはじめとする中米諸国、さらに環太平洋地域の重要な同盟国との連携も強化しているところです」

 その発言を裏づける数字が米会計検査院(GAO)から公表されている。

 2006年、特殊部隊の85%は中東諸国に集中していた。しかし昨年までに中東での割合は69%に落ちた。代わって3%だった欧州での比率が6%に、太平洋地域が7%から10%に、中米諸国が3%から4%へと増えている。

 ここから見えてくるのは、陸・海・空・海兵隊の米正規軍の隊員に代わって、秘密警察と呼べる特殊部隊を世界中で増員させている事実だ。まるで忍者のように、米国に敵対する組織やテロ集団を水面下で制圧しようとしているかに見える。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2015-10-01 06:35 | 対米 従属