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by 幸田 晋

使用済み核燃料運搬船の維持に59億円 10年以降は輸送なし

使用済み核燃料運搬船の
維持に59億円
 

10年以降は輸送なし

東京新聞 2015年10月29日 朝刊より一部

 文部科学省が維持費を負担する使用済み核燃料運搬船「開栄丸」が二〇〇九年十一月以降、輸送実績が一度もないにもかかわらず、同省がその間の維持費として約五十九億円を支出していたことが明らかになった。一五年度の支払額は十二億円。輸送実績なしは、運搬先の使用済み核燃料の再処理工場が地震の影響で運転を停止したことが原因。この原子力施設は昨年、将来的に廃止する方向が決まっていて、今のところ開栄丸が使われる予定はない。税金の無駄遣いとして、政府・与党内からも見直しを求める声が出ている。 (新開浩)

 開栄丸は、文科省が所管する日本原子力研究開発機構(JAEA)が、同機構の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)の使用済み燃料を茨城県東海村の再処理工場に運搬するために建造した。費用は同省がJAEAの運営交付金として負担し、核関連物質の運送会社「原燃輸送」が船の所有者として運航、管理を委託されている。同省は建造、維持費を〇六年から三一年の二十六年間かけて、開栄丸を所有する原燃輸送に分割払いする計画。ふげんは〇三年に運転停止し、廃止が決まった。

 同省が一五年度以降に負担するのは百八十一億一千万円の見通し。JAEAは建造費と維持費の内訳を非開示としているが、巨額の税金が維持費として使われる。一四年度の十二億円のうち、建造費は約三億四千四百万円、維持費は約八億一千二百万円、消費税は約九千百万円。

 JAEAは〇六、〇七年の計三回、開栄丸で計一五・六トンのふげんの使用済み燃料を東海村の再処理工場に運搬したが、〇七年の新潟県中越沖地震の影響で再処理工場の耐震補強が必要となり、搬入作業ができなくなった。

 国内には他にふげんの使用済み燃料を受け入れられる施設がない。開栄丸は〇九年十一月に、関西電力の依頼で大飯(おおい)原発(福井県おおい町)の使用済み燃料を東海村の別の施設に運んだのを最後に、輸送業務を行えなくなった。この時は異常が確認された使用済み核燃料の検査が目的で、例外的なケースだった。JAEAは昨年、この東海村の再処理工場について、将来的に廃止する方向性を出している。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2015-10-30 06:55 | 核 原子力