農林部会長を引き受けた小泉進次郎の大きな誤り
2015年 11月 22日
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農林部会長を引き受けた
小泉進次郎の大きな誤り
ブログ「天木 直人のブログ」 2015年11月21日より転載
なぜここまで安倍自民党がTPPの農業対策に熱心なのか。
それは、裏を返せばTPPによる農業が受ける打撃が大きいからだ。
だから選挙での悪影響を避けるために農家の反発を抑えようと必死なのだ。
しかし、報じられるところの自民党のTPP対策案なるものを見て、目もくらむ思いだ。
競争力強化とか、攻めの農業だとか、掛け声ばかり勇ましいが、根本対策には程遠い従来通りのバラマキである。
無理もない。
自由化を進めれば農家は打撃を受けることは自明だ。
農家を守るには保護するしかない。
かつて私が外務省にあって貿易自由化に少しばかり関与していたとき、農林官僚が繰り返していたセリフはこうだ。
すなわち、コメはみずほの国の文化であり、故郷の田園風景であり、なによりも食糧安保だ。
つまり農業は国益だというのだ。
もし、それが事実なら、何があっても農業は保護されるべきだ。
そしていかなる国も保護すべき産業はあってよい。
ところが今度のTPPは徹底した自由化だ。
あのガット・ウルグァイ・ラウンドさえ認めた保護を、根こそぎ否定する自由化が求められている。
農業の保護とTPPはそもそも両立しない。
農業を単なる経済商品と考えるなら自由化でもいいだろう。
しかし、農業が国益なら保護されなければいけない。
TPPをここまで推進するなら、農林官僚の言っていた農業国益論はウソ、方便であったことになる。
農業利権や選挙対策の保護政策であったということになる。
もし農業が国益なら、安倍政権はその国益を米国に売り渡したことになる。
なにもかも矛盾に満ちた自民党のTPP大筋合意後の農業対策だ。
「おそらく私が一番何も知らない者だ」などと公言しながら農水部会長を引き受けた小泉進次郎は、大きな間違いをおかした。
次の次の総理だ、などとおだてられて引き受けたとすれば愚かだ。
その頃には日本の政治は激変しているだろう。
自民党はおろか既存の政党は軒並みになくなっているかもしれない。
日本の政治そのものが変わっているかもしれない。
小泉進次郎が目指すべきは、自民党農水部会長などのポストを蹴って、新たな政治のための変革の先頭に立つ事である。
このままでは小泉進次郎は潰されるだろう。
やはりそれが安倍首相の狙いだったというわけだ(了)
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脱原発だけでなく
共謀罪でも権力に迎合した河野太郎
ブログ「天木 直人のブログ」 2015年11月21日より転載
河野太郎という政治家はどこまで腰砕けなのだろう。
安倍内閣の大臣にさせてもらった途端、一気に権力側にすり寄っている。
あれほど脱原発を唱えていたのに、HPを閉鎖してまで過去の言説を封印しようとしている。
今度は共謀罪だ。
パリのテロ事件を受けて、日本だけがテロ対策で穴になってはいけないなどと馬鹿な事を言って、共謀罪創設を柱にした組織犯罪処罰法の改正に前向きになっている。
これは弱い者いじめの天下の悪法だ。
どうしてこんな悪法を支持できるというのか。
しかし、いかにも河野太郎らしい。
かつて私がレバノンで大使をしていた時、仲間の議員をつれてやってきたことがある。
自分たちの勝手な都合で政府要人に休日に合わせろと無理難題をいい、それは相手に失礼だと助言したら激高したほどの傲慢な政治家だ。
傲慢な奴ほど権力に弱い。
日本と言う国は、どうしてこんな政治家ばかりなんだ(了)