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by 幸田 晋

川内原発 安全確保への不安が募る

川内原発 
安全確保への不安が募る


山陽新聞 社説 2016年02月06日 08時25分より一部

 信義に反して原発の安全性がないがしろにされてはいないか。

 九州電力が川内原発(鹿児島県)で、事故が起きた際の対応拠点を置くことになっている免震重要棟の新設計画を撤回した。暫定措置として設置した代替施設などを活用する方針に変え、計画の変更を昨年末、原子力規制委員会に申請した。

 これに対し原子力規制委は「(九電は)免震重要棟の設置を前提として再稼働の許可を得ている。基本的に(約束を)守ってもらわないといけない」などとして納得せず、九電に再考を求めている。

 免震重要棟は再稼働に当たっての原子力規制委の審査で設置が前提とされ、合格証にも盛り込まれている。審査に合格し再稼働した後に、計画を変更するという九電の姿勢は、いわば“後出しじゃんけん”であり、信頼が揺らぐ。

・・・(中略)

 「耐震」は地震の揺れに対する建物の強度を高めるのに対し、「免震」は建物と基礎との間に設置する装置で揺れを吸収するものだ。免震は建物内の揺れも減るため、内部の設備も壊れにくいなどの利点があるとされる。免震重要棟は福島第1原発事故でも対応拠点として極めて重要な役割を果たした。

 九電は計画変更しても同等の安全性を確保できると主張している。ならば、なぜ再稼働に向けた審査の段階で、そうした計画を示さなかったのか。同社は「費用面も全く無関係ではない」としているが、安全性の向上よりも、コストを優先しているとすれば看過できない。

 川内原発をめぐっては、周辺には過去に巨大噴火した火山が集中していることも懸念されている。九電は火山対策として、非常に大規模な噴火の前兆があった場合は原子炉を停止し、核燃料を搬出するとしている。

 きのう夜、川内原発と同じ鹿児島県内にある桜島が噴火し、溶岩が流れ出た。火山の噴火の時期や規模の正確な予知は困難だ。噴火前に燃料を安全な場所に移せるのかは疑問である。

 安全対策は万全といえるのか。九電が今回変更する計画と合わせ、不安が募る。
by kuroki_kazuya | 2016-02-07 06:43 | 九電労組