スキーにはまっています。


by 幸田 晋

「規制側が事業者のとりこ」になった

「規制側が事業者のとりこ」になった
山崎久隆(たんぽぽ舎)


たんぽぽ舎です。【TMM:No2717】
2016年2月27日(土)午後 08:43
地震と原発事故情報より一部

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┗■3.「規制側が事業者のとりこ」になった
 |  寿命の尽きた原発(高浜原発1,2号機)をまだ動かす事業者と
 |  それを推進する規制当局
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

◇ 40年を超える原発を動かすことは、よほどの例外。そんなニュアンスで語られてきた原子力規制委員会の審査方針が、実際の審査が進むにつれて馬脚を現してきた。
 高浜原発1,2号機は運転開始からもうすぐ40年を超える原発として、初めて規制基準適合性審査を通過した。
 この間の原子力規制委員会の審査は余りに事業者の利益をのみ追及する姿勢に終始している。住民の安全など眼中にない。

◇ 老朽化している高浜原発は古い基準で建てられている。特に問題となるのは耐震性。旧指針において想定していた地震動はわずか270ガルに対し、現在は700ガル。建屋も配管も老朽化と劣化が激しいのに耐震性も低いとなると、福島第一原発なみに余裕のない構造だ。そこに地震や津波が襲いかかればひとたまりもないだろう。
 老朽源発を動かす最大目的は利潤の追求。つまり金儲け。人の命より金が大事との関電の姿勢。これが動かせれば、安価に電気が作れる。
 東電福島第一原発が大事故を起こしていたさなかに1号機が40年目の日を迎えていたことなど、今では誰も思い出しもしない。40周年の記念日は修羅場の現場だった。

◇ 関西電力の電力収入はおおざっぱに年間3兆円としたら、その半分を原発で賄っていたとすると1.5兆円。高浜1号機の出力は関電原発の発電量の1割程度なので、年間1500億円ほどの売り上げになる。20年の運転延長で合計約3兆円の売り上げが期待できるというわけだ。仮に追加経費に1000億円くらいつぎ込んでも割が合うことになる。

 しかし「土台が腐った」建物の上物をいくら新品にしても安全性は向上しないように、原発も元設計が腐っていたら強度を上げても部分的にしかならない。却って整合性が問題となるし運用も複雑になるので安全性としては低下する場面もあるだろう。例えば難燃性ケーブルを使っていないところを、交換ではなくケーブルに防炎シートを巻く、などとしてしまうと、熱がこもったり傷や腐食が見えなくなったりして断線のリスクが上がる。

 特に緊急時対策として敷地内に縦横に張り巡らせた電源ケーブルや緊急対策車両などは動線を阻害し、ただでさえ狭い敷地をさらに使いづらいものにしている。
 後付けの対策に良いものはほとんどない。最初から設計に組み込まなければ安全性を向上させること自体が難しい。

◇ 原則として40年で廃炉にする方針は、新規制基準のいわば「取り柄」だったのだが、やはり「取り柄」は単なるダミーに過ぎなかった。この規制の取りやめを強硬に主張していたのは日本原電などの事業者と、原子力産業界の広報紙になって久しい読売や産経新聞であった。

 原子力規制委員会は、すっかりそれに取り込まれていった。まさに「規制側が事業者の虜(とりこ)になった」瞬間である。
by kuroki_kazuya | 2016-02-28 06:15 | 核 原子力 | Comments(0)