スキーにはまっています。


by 幸田 晋

秘密法審査 監視の限界が浮き彫りに

秘密法審査 
監視の限界が浮き彫りに


新潟日報 【社説】 2016/04/04 08:30より一部

 予想されていた限界が早くも浮き彫りになった形だ。

 特定秘密保護法の運用状況をチェックする衆参両院の情報監視審査会は、初の審査報告書を議決し、両院議長に提出した。政府が2014年に指定した特定秘密が対象である。

 審査会は特定秘密の概要をリスト化した管理簿について、記述を具体的な表記に改めることなどを政府に要請した。

 だが、両院の審査会とも「意見」にとどめ、より重みのある「勧告」は見送った。政府の秘密指定が適切だったかどうかの判断にも踏み込まなかった。

 そればかりか、特定秘密を確認したのは、参院審査会で外務省など3機関3件が提示されたのを除けば、両院審査会が内閣衛星情報センターを視察した際に見た衛星画像などにとどまる。

 これでは、国会に期待された機能を十分に果たせたのか疑問が残ると言わざるを得ない。名ばかりの「監視機関」が実態といえるのではないか。

 浮かび上がってくるのは、秘匿性の高さや外国との信頼関係の保持などを理由に情報提供を拒む政府側の姿勢だ。

 衆院審査会の委員が、国家安全保障会議(NSC)4大臣会合の議事録開示を求めたのに対し、政府側は拒否した。

 過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件に絡み、秘密指定された文書の有無を委員が尋ねても、回答を拒んだ。

 これらは、特定秘密の扱いについて、政府側の優位性を示すものにほかならない。

 集団的自衛権の行使などを盛り込んだ安全保障関連法が3月末に施行された。

 国会審議の中で政府は、自衛隊の海外派遣について承認を求める際、特定秘密を公開しない方針を示している。

 国会承認が形骸化する恐れがある。政府の恣意(しい)的な運用があったとしても、チェックは極めて難しいと言っていい。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-04-05 06:45 | 憲法