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by 幸田 晋

黒字決算でも進む再稼働 怒る株主が電力9社に“脱原発”70提案

黒字決算でも進む再稼働 

怒る株主が
電力9社に“脱原発”70提案


〈週刊朝日〉

dot. 6月13日(月)7時0分配信より一部

 参院選さなかの6月28日、大手電力9社が株主総会を開く。原発再稼働に動く経営陣へ、脱原発を求める株主提案が今年も相次ぐ。運転中の原発停止を求める司法判断、全9社の黒字決算、夏の節電見送りなど、変わる経営環境。そこで、株主の疑問は高まる。再稼働は何のため?

 原発を持つ大手9社に出された株主提案は、計73件。東京電力に出された原発再稼働を求める提案などの3件を除くと、70件は原発の廃止を訴える声や、脱原発を訴える自治体や株主団体の提案だった。

 原発を多く持つ関西電力には、原発依存を続けているとして八木誠社長の取締役解任を求める提案など、全国最多の22件が出された。

 9%の株を持つ筆頭株主の大阪市は脱原発とともに、経営責任がある取締役の報酬を個別開示するように求める提案を出した。昨年も出された同様の提案は、株主の36%の賛成を集めた。

 現在動いている原発は、九州電力の川内原発(鹿児島県)の2基のみ。東日本大震災後、原発が止まると「電力が足りなくなる」と言われ続けた。しかし、政府は今年、震災後初めて夏の節電要請を全国的に見送った。原発をこれ以上動かさなくても、電力はゆとりがある。

 北海道電力の泊原発廃炉を求める「脱原発をめざす北電株主の会」の小林善樹代表は「北海道は震災後、原発なしでも大きな問題が起こらなかった。安全対策費に多額の費用を投じて再稼働させようとしているが、ペイする(収支が合う)のか」と話す。北電へ送った株主提案の理由では「過酷事故を起こすと、北海道は人の住めない廃墟の地になる」と訴えた。

 原発が全国で2基しか動いていない理由には、司法判断も影響している。

 滋賀県の大津地裁は3月、運転中だった関西電力の高浜原発の停止を求める仮処分決定を出した。関電に対し、地震・津波の対策や避難計画に疑問が残ることを指摘し、安全性に関する証明も不十分だと判断した。

 訴えにかかわった「脱原発弁護団全国連絡会」の河合弘之弁護士はこう話す。

「東電の原発事故後、司法は革命的に変わった。裁判官は良心的な人が多く、事故の恐ろしさを直視して、何かを感じている」

 河合弁護士は、電力会社の株主総会の場でも脱原発を訴えてきた。

「株主は配当目当てなどの経済目的が多いので、数でいうと原発推進の立場が多くなる。ただ、推進の人が多く集まる株主総会で脱原発を直接呼びかけられることは、大きな意味がある」

 という。

 3月に出たばかりの新たな司法判断を含め、電力会社トップは株主総会で、経営環境の激変にどう向き合うかの説明を求められる。

 電力業界を巡るもう一つの新たな動きは、原発を持つ全9社の2016年3月期決算が、震災後初めて黒字になったことだ。震災前まで原発依存度の高かった北海道、関西、九州が15年3月期まで赤字だったが、値上げ効果もあり、経営危機は一服している。

 株主は、廃炉を巡る経営判断だけでなく、原発から出る使用済み核燃料の最終処分場確保や核燃料サイクルなど、国の原子力政策への電力会社のかかわり方にも疑問を呈している。こうした問題になると、経営陣の説明は「国が前面に立って進めている」「国に協力している」などと歯切れが悪い。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-06-14 06:45 | 核 原子力