スキーにはまっています。


by 幸田 晋

菅直人講演会が盛況…浜岡原発止めた舞台裏の話も

菅直人講演会が盛況…浜岡原発止めた舞台裏の話も
柳田 真(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)

たんぽぽ舎です。【TMM:No2812】
2016年6月21日(火)午後 09:58
地震と原発事故情報より一部

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┗■1.菅直人講演会が盛況…浜岡原発止めた舞台裏の話も
 |  菅首相(元)は浜岡止めた。安倍首相(現)はいつ川内原発止める?
 |  参加者から活発な質問・意見、民進党へきびしい意見も…
 └──── 柳田 真(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)

○6月20日(月)菅直人元首相の原発講演会がたんぽぽ舎で開かれた。「連続講座地震と原発講座」の3回目で、テーマは「菅直人首相(2011年当時)は浜岡原発を止めた。安倍首相(現)はいつ川内原発を止めるの?」
会場は満員で盛況。1時間の講演とそのあと参加者からからの質問・発言(10人)が活発に1時間続いた。

○主催者の柳田が挨拶。菅さん講演会は今回で3回目。テーマ「川内原発を止めるには−」は時宜に合った内容と思う。熊本大地震から遠くない地で動いている唯一の原発=九州電力川内原発を止めるために菅さんの話と皆さんの意見を期待します。

○菅さんは持参した資料「忘れていませんか−2011年3月11日福島第一原発事故、1986年チェルノブイリ原発事故」と題した6ページの視察報告文をもとに、まず「福島事故から5年」を語りました。
 次に東電清水社長が炉心溶融を4年間隠していたこと(不当だ)、それを官邸の指示だと述べたことは「全く事実に反する発言」と断定(枝野幹事長も事実に反する内容で選挙妨害と主張)。
 20日夕刊(読売新聞)の「原発60年延長の規制委認可」はおかしい。
 浜岡原発停止について−2011年5月経産大臣が、南海トラフ地震が心配だから止めようとの発意ゆえ、私も賛成し中部電力へ「要請」した。それは予防的な趣旨だ。
 規制委員会ができる前はストレステストをやる等を導入した。野田政権で大飯原発を動かした。ドイツのシェーナウ電力会社は100%自然エネルギーで、うち88%をノルウェーの水力発電電気を輸入している。
 世界の原発は減っている。理由は経済性にある。採算が合わないから(米、仏、独、英の例をあげる)。

○参加者10人から活発な質問・意見が出されました。
 (主なもの)「青森の再処理事業に関する法案と民進党の態度について聞きたい」「国の20ミリシーベルト福島への帰還政策のおかしさについて」「原発ゼロにできない理由は安全保障(日本核武装)ゆえか」「規制委員会の審査基準のおかしさ−熊本大地震後のデータを知見に加えるべき」等の意見が出され、菅さんは3人=3発言ずつ丁寧に答えていました。他は省略。

☆当日の菅直人講演の要旨は、取材にみえていた出版社の印刷物に掲載されると思います。


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┗■2.島崎邦彦元原子力規制委員会委員長代理による
 |  大飯原発は規制基準違反と「告発」
 |  関西電力はこれでも再稼働を強行するのか
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

 東洋経済誌が「東洋経済オンライン」で島崎邦彦元原子力規制委員会委員長代理の警告を取り上げている。
 「元原子力規制委員が大飯原発の危険性を警告・島崎邦彦・東大名誉教授「関電に過小評価の疑い」という記事だ。6月20日付岡田広行記者の記事である。

◎ 6月16日、田中俊一規制委員長と面談した島崎邦彦氏は、大飯原発3、4号機再稼働のための安全審査の根幹をなす基準地震動が「過小に見積もられている可能性がある」と指摘した。「基準地震動の算出に問題がないかどうか、もう一度精査してほしい」と強く求めたという。
 これを受けて6月20日午後2時からの規制委会合では基準地震動の検証をやり直すかどうかについて議論することになった。
 この問題は、熊本地震がきっかけだった。
 これまで東日本大震災が発生したこともあり、どちらかと言えばプレートの境界や地殻内地震でも逆断層型が多い東日本の原発に注目が集まっていた。しかし4月に発生した熊本地震は、横ずれ断層地震でも、それまでの知見では知られていない地震動を記録していた。
 それが「関電が用いた計算式に欠陥あり」という島崎氏の指摘につながっている。
 以下に記事の主要部を引用する。
「島崎氏は、関電が大飯原発の基準地震動を計算するうえで用いている活断層評価のモデル式に、過小評価を生み出す欠陥があると指摘。モデルは「入倉・三宅式」と呼ばれるもので、これを西日本で多く見られる横ずれ断層(垂直型断層)や垂直に近い断層に用いた場合には、震源の大きさがほかの式を用いた場合と比べて3.5分の1〜4分の1程度の小さな値になると田中委員長らに説明した。」

◎5割増しの恐怖

 島崎氏は過小評価を補正すれば地震動は5割増しになる。と指摘した。
 5割増しとは、700ガルの地震動ならば1050ガルに、856ガルを元にすれば1284ガルに達する。これは厳しい値であることは論を待たない。
 田中俊一委員長は、元々原発は余裕をもって設計しているので、その中に収まるのではないかと島崎氏に述べたようだが、そのような楽観論には到底認められない。

◎1284ガルは過酷事故を招く

 記事の引用を続ける。
 「大飯原発3、4号機の再稼働をめぐっては、2014年5月に原告住民の勝訴となる運転差し止めを福井地裁が命じている。その判決では次のように指摘されている。『1260ガルを超える地震によって冷却システムが崩壊し、非常用設備ないし予備的手段による補完もほぼ不可能になり、メルトダウン(炉心溶融)に結びつく。このことは被告(関電)も自認しているところである』「当時、関電が規制委の審査会合で示していた基準地震動は700ガル。その後、規制委との議論を経て856ガルに引き上げて概ね了承を取り付けたものの、今回、島崎氏から「そもそも、関電が基準地震動設定の基礎に用いた式そのものに欠陥があるとの問題が提起された。」【中略】
 「このままでは福島の事故が繰り返される」

 1260ガルは福井地裁でも認められたクリフエッジを超える地震動で、この値を超えれば冷却不能の事態を引き起こすことは避けがたい。
 過酷事故を避けられないとされる地震動に襲われることが、ある確率で起こりえる原発を動かす是非を考える必要がある。言うまでもないが島崎氏の主張を入れれば大飯原発は規制基準に違反している。

◎再計算

 規制委員会は20日の会合で「別の方法で再計算することを決めました。そのうえで、すでに了承している地震の想定を見直すかどうか検討するとしています。」(NHK)という。
 東洋経済誌は「規制委との意見交換では「入倉・三宅式は適用範囲を頭の隅に置きながら(審査を進めてほしい)ということか」との質問が原子力規制庁の幹部から出たが、島崎氏は「(同式に欠陥があることは)頭の隅ではなく、真ん中に置いてほしい」と釘を刺した。
 田中委員長からの「(安全上余裕度を持たせている)原発よりも建築基準や高層ビルなどのほうがどうなっているか(気になる)」の問いにも、「(入倉・三宅式が)原子力(発電所の基準地震動設定)でも引き続き使われる可能性がある(ことが問題だ)」と警告した。」

 田中委員長と島崎氏の間の温度差はかなり大きい。当然、事業者は巻き返しにやっきとなろう。
 同じ関西電力の高浜原発1、2号機の老朽原発を大甘の審査で認可したのは、これとの取引だったのか。
 再計算と再評価が実際に行われるかどうかが注目される。

 記事は次のURLに掲載されている。
  http://toyokeizai.net/articles/print/123357
by kuroki_kazuya | 2016-06-22 06:15 | 核 原子力