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by 幸田 晋

【迫る伊方再稼働】(4)資産と会計 「特別な配慮」透明化を

【迫る伊方再稼働】(4)資産と会計 

「特別な配慮」透明化を


高知新聞 2016.06.30 08:35より一部

http://www.kochinews.co.jp/article/31878/

 全国50基の原発を2012年度に廃炉にすると決めた場合、電力会社10社で総額4兆4千億円の損失が出る―。

 東京電力福島第1原発の事故から1年余り後の2012年6月、経済産業省のそんな試算が明らかになり、経済界に衝撃を与えたことがある。電力10社のうち北海道電力、東北電力、東京電力、日本原子力発電の4社が債務超過に陥る、との内容だったからだ。

 原発の設備や核燃料は会計上、電力会社にとって大きな「資産」だ。資産を失い、補填ができないと、経営は悪化する。

 火力、水力、太陽光、原子力。こうした電源の中で、原発は発電コストが安く、優位とされてきた。四国電力も伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働に際し、同様の説明をしている。

 原発のコスト問題に詳しい立命館大学の大島堅一教授(環境経済学)はこう解説する。

 「短期的に燃料費だけをみれば発電コストは安い。一方で建設費は大きいので、投資が終わっている以上は使わないと大損してしまう」

 四国電力の佐伯勇人社長も6月28日の記者会見で「今ある資産を有効活用するのが経営の考え方。(廃炉を決めた)1号機もできれば使いたかった」と述べた。


 ■  ■ 

 四国電力の経営上、伊方原発はどんな位置付けになっているのか。決算書をひもといてみた。

 2015年3月期の貸借対照表によって資産価値を見ると、「原子力発電設備」は1075億円に達する。水力や火力の発電設備よりはるかに大きい。「核燃料」も1414億円という巨額資産だ。

 四国電力は3号機を再稼働させれば、収支が年間約250億円改善すると見込んでいる。

 逆に、2015年3月期に3基全てを廃炉にすると仮定したらどうなるか。

 単純計算すると、原発設備の資産価値はゼロ、転売できない核燃料(四国電力によると576億円)も価値が無くなる。廃炉に備えた引当金の不足分約400億円も必要。そうした結果、「純資産」は700億円余りにまで減り、経営は大幅に悪化する。

 原発に関する他の資産なども考慮すれば、全基廃炉で四国電力は債務超過になりかねないとの試算もある。

 ただ、実際には債務超過にならないよう電力会社向けに特別の“原発会計制度”が存在する。この制度は福島原発事故以降、「廃炉を円滑に進めるため」として、経産省主導で変更を重ねてきた。例えば、廃炉を決めた設備や核燃料の一部は資産とみなして、損失を一括計上せず、10年の分割処理が可能になった。

「ただし」と言うのは立命館大学の金森絵里教授(会計学)だ。

電力会社には、あらゆるコストを電気料金に上乗せできる「総括原価方式」がある。
損失を将来に先送りする「10年分割」を採用すれば、
それによって生じるコストはこの方式で回収できる。

金森教授は
「コストの負担者が電力会社から国民に変わっている。会計ルール違反です。
会計基準は中立であるべきなのに、政治の中にある」と手厳しい。


 「廃炉を進める制度を構えるのは良いけど、いくらの費用が国民に転嫁されたか透明性のある制度設計にすべきです。複雑で不透明性を増す制度変更によって(電力業界を)支援するのは、原子力ムラの体質とも言えるでしょう。これでは電力自由化は成功しない。電力会社と国民の間の信頼も損なわれます」

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-07-01 06:53 | 核 原子力 | Comments(0)