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by 幸田 晋

【年金運用の損失】不透明さは不信を招く

【年金運用の損失】
不透明さは不信を招く


高知新聞 社説 2016.07.02 08:10より一部

http://www.kochinews.co.jp/article/32458/

 国民年金と厚生年金の積立金の運用で2015年度、5兆数千億円に上る損失が出たことが明らかになった。

 ただし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表したわけではない。正式には参院選後の29日に発表される。

 例年、前年度の運用結果は6月末から7月上旬に発表している。運用環境の厳しさで巨額の損失が見込まれたことから、野党は公表日程の先送りを「参院選で争点となるのを避けるためではないか」などと批判していた。

 年金資金は老後に備える国民共有の財産であり、GPIFには速やかに説明する義務がある。情報開示、リスクの高い運用の在り方を早急に見直すべきだ。

 中国の景気減速懸念が強まり国内外の株式市場が低迷した15年7~9月期には、約7兆9千億円の赤字が発生。10~12月期は約4兆7千億円の黒字に転じたものの、円高株安傾向となった今年1~3月期に損失が膨らんだとみられる。

 激しい値動きをみせる株式市場の動向によって、運用が大きく左右される実態が浮かび上がる。

 従来、年金資金は国債などを中心に比較的安全性を重視して運用されてきた。その基準が14年10月、大幅に見直される。国債など債券での運用比率を減らす一方、国内外の株式投資の割合を倍増する「積極運用」にかじを切った。

より収益性を高める狙いとされるが、
GPIF改革は
アベノミクスの成長戦略に組み込まれていた。
巨額の年金資金が株式市場に流れ込むことで、
株価の下支え効果が期待できる。
安倍政権の株価重視の表れといってよい。


 「ハイリスク・ハイリターン」への運用見直しに際し、安倍政権やGPIFは「所有者」である加入者に対して説明を尽くしていない。コンセンサスを得ているとは到底言えないだろう。

 今回の公表先送りは、保有株式の銘柄公表など情報開示の強化を理由としている。だとしても、より重要な運用結果の発表が遅れるなら本末転倒というほかない。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-07-03 06:05 | 財政