沖縄と東北 政権党はなぜ敗れたのか
2016年 07月 17日
政権党はなぜ敗れたのか
西日本新聞 社説 2016年07月16日 10時35分より一部
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/259393
自民、公明の与党が勝利した参院選だが、32の1人区では11県で自民党候補が敗北した。このうち沖縄と福島では安倍晋三政権の現職閣僚が涙をのんだ。
旧民主党が政権から転落した2012年衆院選では閣僚が8人も落選した。与党が大敗した選挙なら分かるが、与党が制した選挙での閣僚落選は異例である。
沖縄で島尻安伊子沖縄北方担当相、福島では岩城光英法相がそれぞれ議席を失った。言うまでもなく、沖縄は米軍基地問題、福島は東京電力福島第1原発事故の対応で、政権党が有権者の厳しい審判を受けたといえるだろう。
1人区を西日本と東日本に分けてみると、自民は西で14勝2敗と圧勝し、東で7勝9敗と負け越した。とりわけ福島を含む東北6県は1勝5敗で、この東北地方に限れば「自民大敗」と言っていい。
背景には東日本大震災の復興が遅れていることへの批判や不満が思い浮かぶ。農業が盛んな地域として環太平洋連携協定(TPP)への根強い反発もあるのだろう。
沖縄は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に反対する無所属新人が当選した。この結果、沖縄は衆参両院の県内選挙区を辺野古移設反対派が独占したことになる。容認派の自民がゼロになった政治的意味は極めて重い。
・・・(後略)