鳩山氏の「南シナ海問題は静観せよ」発言を正しく評価する方法
2016年 07月 18日
是非、「天木 直人の公式ブログ」へ
お出で頂きたい。と、思います。<<KK>>
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鳩山氏の「南シナ海問題は静観せよ」発言を正しく評価する方法
「天木 直人の公式ブログ」 2016年7月17日より転載
鳩山由紀夫元首相は私と同様、幸せな人だとつくづく思う。
誰にも気兼ねせず、批判をもろともせず、好き勝手を言える立場にあるからだ。
きょう7月17日の各紙が北京発共同通信を引用して報じている。
中国主導で世界の安全保障問題などを話し合う「世界平和フォーラム」なるものが16日北京で始まったと。
そして、そこに出席した鳩山氏は、中国の主権を否定した仲裁判断が出た南シナ海問題について、次のように述べたと。
「日本や米国は基本的に静観すべきで、中国やフィリピンに圧力をかけて仲裁判断を受け入れるよう促すべきではない」と。
おりから日本の報道はモンゴルで開かれたアジア欧州会議の記事で持ち切りだ。
アジア欧州会議の議題は他にもあったに違いないが、すべてはこの南シナ海問題に集中したごとく報じられている。
そして、裁判判断を紙屑だと切って捨て、法の支配を無視する中国に批判的だ。
そんな中での鳩山発言だ。
安倍政権ならずとも、さすがにこの鳩山発言に反発する国民も多いだろう。
果たして、この鳩山発言をどう正しく評価すればいいか。
私はきのう7月16日のメルマガ第550号「鳩山元首相のAIIB諮問委員任命を正しく評価する方法」で書いた。
他の諮問委員メンバーの顔ぶれと、その委員に対する各国の評価を見ればわかると。
同様に、この鳩山発言についても、次の事を調べればいいのだ。
鳩山氏が出席した世界平和フォーラムとはどういう会議か。
その会議には、各国の元政府関係者や専門家などが出席しているという。
果たしてそれら各国からの参加者は、どのような人物なのか。
そしてその参加者たちは、中国の南シナ海問題に関する仲裁判の拒否についてどう発言しているのか。
それらを見れば鳩山元首相の発言がまともかどうかがある程度わかる。
世界平和フォーラムなるものが、中国の宣伝に使われた会議であるかどうかがわかる。
その気になればすぐわかるのに、なぜメディアその事を調べて報じないのだろうか。
因みに、私も鳩山氏の言うように、南シナ海問題で米国と日本は騒ぎ過ぎだという立場だ。
しかし、私は同時に中国にも批判的だ。
CCTVからの取材要請には、中国もまた憲法9条の精神に従えと言う事にしている。
そして、中国がその部分を報じない事も知っている。
そこが中国のダメなところである。
因みに、アジア欧州会議のもう一つの大きな議題は世界経済危機とアジアインフラ投資銀行(AIIB)の評価だったらしいが、それを報じる記事は皆無である(了)