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by 幸田 晋

高浜原発 4府県9000人防災訓練 入所者乗車に30分「想定甘い」

高浜原発 4府県9000人防災訓練 

入所者乗車に30分「想定甘い」


東京新聞 2016年8月27日夕刊より一部

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082702000249.html

 国と福井、京都、滋賀の三府県などは二十七日、関西電力高浜原発(福井県高浜町)での放射能漏れ事故を想定した広域防災訓練を実施した。約百五十の関係機関や原発三十キロ圏にある福井県南部と京都府北部の住民ら約九千人が参加。このうち福井県側では初めて住民の県外避難を試み、二百人余りが高速道路を使って兵庫県宝塚市や三田市に向かった。

 昨年十二月に政府が了承した広域避難計画に沿った初めての訓練で、実効性を検証する。屋内退避を含めた住民の参加者は両府県で約七千百人、うち千二百人ほどがバスやヘリなどで県内外に避難した。

 若狭湾沖で震度6弱以上の地震が発生し、放射性物質が外部に放出されたとの想定。福井県からの県外避難では、住民らが最大百三十キロを移動。途中の京都府綾部市では放射性物質が付着していないかを調べるスクリーニング検査を受けた。

ただ、悪天候のため船による避難は全て中止。
高浜原発から一キロほど北に離れた
半島先端部の高浜町音海集落などでも、
要支援者などを搬送する予定だったヘリが
一部飛行を見合わせるなど、
課題もあらためて浮かび上がった。


 高浜3、4号機は今年に入り、広域防災訓練を行わないまま再稼働したが、大津地裁の仮処分決定で運転を停止している。

 訓練は、広域避難計画の実効性の確認が目的だが、高浜原発の四キロ南側で有料老人ホーム「であいの郷」を営む山本勝則さん(62)は、計画とそれに伴う訓練を「絵に描いた餅」だと痛感した。

 午前八時三分。施設の電話が鳴った。「入所者の避難を開始してください」

 高浜町保健福祉課からの連絡だ。ところが、訓練の段取りでは避難したとして、午前九時ごろに報告をして終わり。実際に逃げる必要はない。

それでも山本さんは、
スタッフに入所者を車に乗せるように告げた。
「車に乗せるだけでも
どれくらいの時間がかかるのか。
実際にやってみよう」。
自主訓練が始まった。


 施設は六十~九十代の十四人が暮らす。自力歩行ができるのは三人だけ。多くが認知症を抱え、指示もなかなか伝わらない。
車に乗せる順番を決めていたが、
外に先に出てきてしまう人も。
四台に分乗させるのにすら三十分。


 「実際の避難では毛布や食料なども積まないといけない。スタッフも入所者もパニックの中、想定通りには絶対にいかない」。山本さんの顔が曇った。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-08-28 06:58 | 核 原子力