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by 幸田 晋

想定外の賠償・廃炉費用を誰が負担するのか

想定外の賠償・廃炉費用を
誰が負担するのか


東洋経済オンライン 9月3日(土)6時0分配信より一部

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160903-00134139-toyo-bus_all

 政府および原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、東京電力ホールディングスからの要請を踏まえて、福島第一原子力発電所の廃炉や損害賠償費用の負担のあり方の検討に着手する。ここ1~2カ月の間にも、電力自由化の進展を踏まえた原子力事業の環境整備の一環として、経済産業省を中心に関係者間で支援の枠組みを決めるための議論が始まる見通しだ。

 東電は7月28日、2016年度第1四半期決算発表と同じタイミングで「激変する環境下における経営方針」を発表。当初の見通しを大幅に上回る賠償費用について、政府に負担のあり方を明示するように求めた。「数兆円規模に上る」(証券市場関係者)とも見られる福島第一原発の廃炉費用についても、確実に賄うための仕組みの具体化を要請した。

■ 「際限ない負担」に危機感

 東電の數土文夫会長は当日の記者会見で「(2013年12月策定の)新総合特別事業計画(新総特=現行の再建計画)時から環境が激変している。電力需要が縮小傾向にある一方、原発再稼働の遅れ、COP21で約束した二酸化炭素抑制対策など、さまざまな課題がある」と述べた。

 そのうえで「(負債の大きさなど)ハードルの高さが見えず、青天井であるようだと経営者としては責任を持てない。(このままでは)国民やお客様の負担を最小限にするために有効な手が打てるかわからない」と危機感をあらわにした。

 數土氏らとともに記者会見に臨んだ西山圭太取締役執行役(経産省からの出向)も、「廃炉という大事業を東電だけで成し遂げることは不可能。政府にはぜひとも連携態勢を整備してほしい」と訴えた。

 過去にも東電では、経産省から送り込まれた役員が、全社外取締役の署名が入った要請文を同省に差し出して、新総特策定に際して除染や中間貯蔵施設建設費についての国からの追加支援を引き出した経緯がある。国有企業から国へのまさに直訴とも言える今回の支援要請は、当時を想起させる。

膨らむ賠償費用

 もっとも、東電の置かれた状況の理解は容易ではない。前回の支援要請時と比べて、収益力は大きく改善している。前2015年度については、LNG(液化天然ガス)など火力発電の燃料費が大幅に減少したことから、連結営業利益が原発事故前の水準に匹敵する3000億円台の水準を確保している。2016年度第1四半期も燃料安や円高が下支えし、1400億円を上回る営業黒字を稼ぎ出している。

 格付会社スタンダード&プアーズ(S&P)の柴田宏樹アナリストは、「燃料費の低減、コスト削減努力、2012年の電気料金値上げが収益の安定化に寄与している」と分析する。また、新総特策定時に主力銀行を中心とした金融機関による支援態勢が確立し、現在まで社債償還のための借り換え資金の融資が継続していることについても、柴田氏は経営安定化を示すものとして評価している。こうした状況を踏まえてS&Pでは今年4月に東電の格付のアウトルック(見通し)を「ポジティブ」に引き上げた。

 一方で、多額の賠償負担などを抱えていることから、長期会社格付は投機的等級のBBマイナスにとどまる。ただし、「柏崎刈羽原発の再稼働、自力での資金調達能力向上の2点で見通しがはっきりしてくれば、格上げの可能性も出てくる」とも柴田氏は説明している。

■ 廃炉費用を誰が負担するのか

 こうした中で新たな問題として持ち上がっているのが、想定を超えて増大する賠償総額や、これから本格化する廃炉に必要な費用の扱いだ。

新総特では
東電が経営合理化をさらに進めることと引き替えに、
国からの交付国債の枠が
従来の5兆円から9兆円に増額された。

この時、
賠償や除染、中間貯蔵施設に関する費用を
それぞれ5兆4000億円、
2兆5000億円、
1兆1000億円と見込むとともに、

除染費用については、
原賠機構が保有する東電株の売却益、
中間貯蔵施設建設費については
電源開発促進税
(エネルギー対策特別会計を経由。原資は各電力会社の電気料金収入)で
カバーすることとした。

また、廃炉については
すでに会計上引き当てている約1兆円のほかに、
1兆円を合理化努力で捻出することを東電が約束した。

しかし、
それから2年余りが経過し、
電力自由化など環境変化が進む中で、
想定を超えた賠償費用の増加など
新たな問題の解決が必要になってきた。


見えない廃炉費用

 東電が2016年度第1四半期末時点で見積もっている原発事故被災者への要賠償額は、約6兆5600億円と、すでに新総特の前提である5兆4000億円を大きく上回る。その結果、除染費用の支払いを含む要支払い総額は7兆7700億円に達している。9兆円の交付国債枠に到達するのもそう遠くない。

 これまで賠償費用については原賠機構法に基づき、東電を含む原子力事業会社11社からの一般負担金および東電からの特別負担金によって国からの資金交付額の回収を図るという枠組みが設けられてきた。11~15年度までの一般負担金総額は6713億円、特別負担金は1571億円に上っている。だが、要賠償額の一部しか支払いが進んでいないうえ、こうした財源捻出の仕組みについても今後、持続性が危うくなりつつあるという。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-09-04 06:45 | 東電 出鱈目 資本 | Comments(0)