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by 幸田 晋

週のはじめに考える 役に立たない地震情報

週のはじめに考える 

役に立たない地震情報


東京新聞 【社説】 2016年10月2日より一部

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016100202000155.html

 気象庁から発表される地震情報が変わりました。私たちは、従来のやり方を批判してきましたが、新方式は改悪です。防災に役立つ情報を考えました。

 先週、沖縄本島近海でマグニチュード(M)5・6の地震が起き、沖永良部島(鹿児島県)で震度5弱を記録しました。地震から一時間半ほど後、気象庁は熊本地震を教訓に始まった形式に従って、地震情報を発表しました。改定が反映した部分を紹介します。

◆「同程度の地震」

 「過去の事例では、大地震発生後に同程度の地震が発生した割合は一~二割あることから、揺れの強かった地域では、地震発生から一週間程度、最大震度5弱程度の地震に注意してください」

 さる四月の熊本地震では、今では前震と呼ばれる十四日の地震(M6・5)が震度7だったので、十五日午後、「震度6弱以上の揺れとなる余震…」と発表しました。ところが、十六日にM7・3の本震が起きました。

 私たちは十六日朝刊に「防災は命を守るために」と題して余震情報をこう批判しました。「余震は本震よりも小さい。安心情報とならなかったか」と。さらに、より大きな地震が発生する可能性にも触れました。残念ながら、新聞が印刷されている最中に本震が起きました。

 もちろん、素人の新聞記者に予知ができたわけではありません。余震の起き方がいつもと違うのにマニュアル通りの情報でよいのか、という問題提起でした。

・・・(中略)

 鹿児島県・桜島に大正噴火(一九一四年)の教訓を記した碑があります。「住民ハ理論ニ信頼セズ…」という言葉が刻まれています。理論は科学のことです。

 噴火前、地震が続きました。村役場は何度も鹿児島測候所に問い合わせました。答えは「噴火はない」。避難が遅れて犠牲者が出ました。この碑は「科学不信の碑」とも呼ばれ、防災関係者には有名です。

◆被害の最小化を

 地震が予知できないことは多くの国民にとっては常識です。大事なのは「同程度の地震」と言って間違わないことではありません。被害を最小化する情報提供です。

 近い将来、南海トラフ地震が発生し、死者は最悪三十二万人と、政府自らが発表しています。気象庁や地震学者はコミュニケーション力を磨き、日ごろからデータに基づいた科学的な説明をしてほしい。それがデマや社会不安を防ぎ、住民の防災力を高めることにつながります。
by kuroki_kazuya | 2016-10-03 06:35 | 地震 大災害 | Comments(0)