スキーにはまっています。


by 幸田 晋

最新の住宅も倒壊の危険 2階建て木造住宅、構造計算の義務なし

最新の住宅も倒壊の危険 2階建て木造住宅、
 構造計算の義務なし
島村英紀(地震学者)


たんぽぽ舎です。【TMM:No2944】
2016年11月29日(火)午後 08:25
地震と原発事故情報より一部

┏┓
┗■3.最新の住宅も倒壊の危険 2階建て木造住宅、
 |  構造計算の義務なし
 |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその174
 └──── 島村英紀(地震学者)

 大地震のあとで、壊れた家を丹念に調べている人たちがいる。建築関係
者たちだ。
 その結果、4月の熊本の地震で恐ろしい事実が明らかになった。耐震基
準が最高という最新の住宅でさえ壊れていたのだ。

 阪神淡路大震災(1995年)以降は、新たに「2000年基準」が適用される
ことになった。この基準で柱や梁(はり)の接合部の接合方法や耐力壁の
バランスなどの規定が厳格化された。それゆえ、それ以後に建てられた家
は、以前のものよりも地震に強いはずだった。

 だが、熊本の被災地では「2000年基準」の住宅が熊本・益城(ましき)
町の1割あったが、そのうちの3〜4割が倒壊、大破してしまっていた。

 2000年以降に完成した木造住宅の被害で、なかでも衝撃的だったのは、
性能表示制度の「耐震等級2」で設計していたある住宅で、1階が潰れて
しまったことだった。「耐震等級2」とは、2000年基準よりもさらに強い
1.25倍の強さに相当する。

 それよりもっと前、1981年以降で「2000年基準」が導入される前に完成
した「新耐震基準」の住宅被害はもっと大きかった。約100棟のうち、
6〜7割が倒壊したり大破してしまっていたのだ。これは同じマグニ
チュード(M)7.3の阪神淡路大震災以上の壊れ方だった。

 もともと九州は大地震がないと信じられていた。毎年のように襲って来
る台風が一番の自然災害で、地震は二の次だったのだ。このため、熊本の
場合は、地震に耐えるという施工の慣習が甘かった。

 たとえば外装に使われている「サイディング下地」に「構造用」という
強い合板が使われていない。それゆえ耐震性能は「筋交(すじかい)」だ
けに頼っている。筋交とは柱や梁の間に斜めに入れる補強材だ。
 だが筋交には樹種、無節などの使用規定がない。そのうえ筋交の中間部
が固定されていない建物が多かった。それゆえ筋交が挫屈して、建物が大
破してしまった例が多かったのだ。

 しかし九州には限らない。日本人の多くが住んでいる2階建て木造住宅
のほとんどは、構造計算をしないで建てられている。

 「建築基準法」では3階建ては構造計算が義務だが、2階建てまでは、
しなくても、違法でも手抜きでもない。

 つまり家を建てる「耐震基準」は大地震のたびに強くなってはいるが、
実際の施工は構造計算を行わず、地震に対する強さは建築した業者にまか
されているのである。

 「基準」では、建物の大きさによって筋交や耐震壁の量や金物の使い方
は決まっている。だが、それで本当に足りているのかとか、柱や梁の大き
さは大丈夫かの検証はされていないのである。
 最新の基準だったこの地震で壊れてしまった熊本の家の設計を構造計算
にかけてみたら、ほとんどの項目でアウトになった。
 構造計算をしないで建てた建物でも、構造計算するとアウトになる。
そして、本当に倒壊してしまった、というのが、この熊本での倒壊なの
だ。
 さて、あなたの家は大丈夫なのだろうか。

(島村英紀さんのHP「 http://shima3.fc2web.com/ 」
 「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より11月18日の記事)
by kuroki_kazuya | 2016-11-30 06:05 | 地震 大災害 | Comments(0)