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by 幸田 晋

【チェルノブイリ原発事故から30年(3)】なぜ福島とこんなに違う?

【チェルノブイリ原発事故から30年(3)】

なぜ福島とこんなに違う?


ニュースソクラ 12/22(木) 17:00配信より一部

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161222-00010003-socra-int

データ収集、責任の明確化などを教訓にせよ

 チェルノブイリ原発事故が起こった1986年、原発があったウクライナは旧ソ連だった。基本的にはロシア共和国が政治の実権を握り、事故対応にも当たった。その結果、数々の不合理が生じた。

 その最たるものが情報の隠蔽である。原発の街プリピアチの住民避難は事故翌日から行われたが、半径30キロメートル圏内の住民にはほとんど事故について知らされなかった。例えば事故から5日後、原発火災がまだ続いていた5月1日、首都キエフや原発周辺の村々を含む全国で、恒例のメーデー行事が行われ人々が駆り出された。その結果、膨大な被曝者が発生することになった。

 例えば、原発から約100Km南東の首都キエフでは、5月初旬、通常の100倍に当たる毎時9~26マイクロ・シーベルトにも上った。私たちNPO法人「チェルノブイリ救援・中部」が支援してきたナロジチ町では事故翌日、毎時30ミリ・シーベルトにまで上がった記録が残されている。

 こうした情報はもちろん後から公表されたもので、人々は自身の被曝を知らなかった。しかし5月上旬になるとうわさが飛び交い、人々はパニック状態でモスクワ行きなどの列車に殺到した、という。ソ連政府がチェルノブイリ事故を国際的に公表したのは事故から4日も後だったが、被災地ではさらにかくされていたのである。

状況は福島原発事故の時の福島ともよく似ている。
日本の新聞やテレビは当日中に事故を報道したが、
精密な測定や避難誘導などは行われず、
せっかく膨大な資金を投じて稼働させていた被ばく予想システム
「スピーディ」のデータは
「人々を不安にする」との理由で隠されたままだった。

不思議な事に
このデータはアメリカには提供され、
在日アメリカ人は半径80キロメートル圏外に避難するよう指示された。
福島では情報のない浪江町の住民は
原発の風下の津島地区へとの避難指示をうけ、
結果的にそこに飛来する放射能プルームの直撃を受けることになった。


 情報が隠蔽されたソ連だったが、チェルノブイリには学ぶべきことが数多くある。ウクライナでは放射線モニタリング体制が速やかに整備され、事故翌日から大規模な空間線量率測定が行われた。事故から1か月後の5~6月には被災地の住民15万人(13万人が子ども)の甲状腺のヨウ素131の測定が行われた。

 更に7月からは空間線量率の高い地域(ナロジチ地区を含む)の住民2万3000名のホールボディ・カウンターによる体内の放射性セシウムの測定が行われた。こうした測定がその後の被曝対策に生かされたのだ。

 福島原発事故に直面した日本では、甲状腺のヨウ素131測定もホールボディ測定もほとんど行われず、データが少なすぎて小児甲状腺がんの原因追及に生かされない。それどころか、データのないことを理由に甲状腺がんを放射能の影響と認めない、とする見解を福島県や医学界が吹聴している。これでは正しい被曝対策は出来ない。事故直後の測定の重要さはチェルノブイリが教えてくれている。

 日本が学ぶべき事は、ほかにもある。ウクライナ、ロシア、ベラルーシ等で事故から5年目に定められた所謂「チェルノブイリ法」だ。国によって呼び方は違うが、基本的考え方は事故の年(1986年)に生まれた子どもの被曝を最小限にするために、自然放射能による被爆に加えて、年間1ミリシーベルト以下、生涯(70年と仮定)被ばく線量が70ミリシーベルトを超えてはならない、というものである。

 そのために、事故直後に測定された汚染地図に従い、避難・移住区域を設定した。そして、汚染レベル(年間被曝レベル)によって(1)義務的に移住させる地域(2)移住の権利を保障する地域(3)長期的に放射線監視を行う地域、等に区分し、それを国家が保証したのである。

 年間追加被曝線量が1ミリシーベルト以下、というのは、ICRP(国際放射性防護委員会)も目標として認めているもので、日本では放射性障害防止法として定められている。

 ところが、福島原発事故後、日本政府は除染目標に20ミリシーベルトを掲げ、これ以下なら居住可能、避難指示解除対象とした。これはICRPが掲げる事故時の緊急時目標(1ミリ~20ミリで出来る限り1ミリに近く)の最大値をとったもので、緊急時の最大目標値を避難解除目標とすることは、緊急時と平常時をあえて混同させ、住民に被曝をさせてしまう事に他ならない。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2016-12-23 06:35 | 核 原子力 | Comments(0)