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by 幸田 晋

東芝を“原発地獄”に引きずり込んだ首相の右腕官僚

東芝を“原発地獄”に引きずり込んだ

首相の右腕官僚


BUSINESS INSIDER JAPAN 8/7(月) 12:10配信より一部

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170807-00010003-binsider-bus_all

8月1日、東芝が東京証券取引所一部から二部に降格した。

それは「終わりの始まり」に過ぎない。

東芝は
現時点で5000億円超の債務超過状態にあり、
半導体メモリ事業の売却が2018年3月までに終わらなければ、
二期連続の超過で上場廃止になる。
上場廃止になれば、
現在、東芝に約1兆2000億円を融資している銀行は、
東芝の債務区分を
「破綻懸念先」とせざるを得ず、借り換えにも応じられない。
信用が崩壊し法的整理に追い込まれる可能性は少なくない


経産相としてWH買収を強く推奨

破綻への坂道を転がり落ちる東芝の背中を押した人物がいる。

今井尚哉。

これまで一枚岩だった安倍晋三首相と菅義偉官房長官との関係が揺れ始めた今、安倍が最も信頼を寄せる男と言われる。

経済産業省出身で第一次安倍政権、第二次安倍政権とも首相秘書官。第二次安倍政権発足と同時に「アベノミクスの司令塔」を務めてきたが、今やその影響力は経済政策にとどまらず、外交から解散のタイミングに至るまで、安倍があらゆることを相談する存在だ。元経団連会長の今井敬と元経産事務次官の今井善衛を叔父に持つサラブレッドでもある。

今井は、経産省でも指折りの原発推進派。第一次安倍政権、民主党政権、第二次安倍政権と政権が変わり、民主党政権時には東日本大震災と東京電力福島第一原発事故があったが、一貫して「原発推進」の政策を遂行してきた。当然、日本最大の原子炉メーカーである東芝との付き合いは長くて濃い。

2006年に東芝が、
のちに経営危機の元凶となる
米原子炉大手ウエスチングハウス(WH)を買収したとき、
経産省の原発推進派は強くこれを推奨した。
その中心にいたのも今井とされる


・・・(中略)

福島の事故を受け、国内での原発建設は絶望的になった。海外でも原発の安全基準は大幅に引き上げられ、原発ビジネスは儲からない事業になったが、原発輸出が「国策」である以上、東芝の原子力部門に縮小や撤退の選択肢はない。あるのは突撃のみ。儲からない原発の穴を隠すため、東芝は全社を挙げて粉飾決算に励んだ。

経産省は今、東芝の半導体メモリ事業売却にも首を突っ込み、別働隊である産業革新機構を動かして同事業に4000億円もの血税を投入しようとしている。原発推進の国策で東芝を経営危機に追い込んでしまった埋め合わせだとしたら、納税者は救われない。
創業140年、従業員数19万人の
巨大企業を破綻の淵に追い込んだ張本人は、
何食わぬ顔で
今も官邸の中枢で
日本経済の舵を握っている


(本文敬称略)

(撮影:今村拓馬)

大西康之(おおにし・やすゆき):ジャーナリスト。早稲田大学卒業後、1988年日経新聞入社。
日経新聞編集委員、日経ビジネス編集委員を経て2016年独立。
主な著書に
『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから」
「ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』など。
最新刊は『東芝 原子力敗戦』。
by kuroki_kazuya | 2017-08-08 06:45 | 反動 | Comments(0)