スキーにはまっています。


by 幸田 晋

今、日本がやるべきは武力行使につながりかねない軍事演習を

今、日本がやるべきは武力行使につながりかねない軍事演習を
   やめ、両国(北と米)の兵力を引き離す取り組み

     山崎久隆(たんぽぽ舎)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3154】
2017年8月22日(火)2017年8月22日, 火, 午後 09:09
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.今、日本がやるべきは武力行使につながりかねない軍事演習を
 |  やめ、両国(北と米)の兵力を引き離す取り組み
 |  日本海に米空母を入れたり戦略爆撃機を韓国上空に送り込む
 |  などは、不測の事態を招く  (下)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

1.自衛隊を米空母打撃群の直接援護に
  朝鮮半島沖に向かうとされた米空母カール・ビンソンと
  自衛隊が「共同演習」 米空母は核攻撃任務も有している

 4月末、朝鮮半島沖に向かうとされた米空母カール・ビンソンと自衛隊が「共
同演習」を行った。仮想戦場に向かう艦隊と行動を共にして訓練をすれば、それ
は一体のものとして捉えられる。
 安保法制において最も重要な項目であり、安部首相が直ぐにも実行に移したい
と考えていたのは「公海上での米軍艦船の護衛」である。
 5月1日にはヘリ空母「いずも」が米軍補給艦を「護衛」した。
 一昨年の安保法制議論では米艦護衛任務だけでは、いくら何でも憲法違反の危
険な意図が見え見えなので「米艦船に乗艦した市民を守る」などと、荒唐無稽だ
が一見すると取り組まなければならなそうに思えるテーマを示していた。
 今、米艦に市民は乗っていない。そもそも空母など戦闘艦に民間人を乗せるこ
となどあり得ない。
 米艦船への攻撃という類型は、可能性として米空母打撃群と自衛艦隊が一体と
なって軍事行動をおこなう場合が最も多い。日本海周辺に展開する米空母の直掩
艦隊として自衛隊の護衛艦が行動することになる。文字通り「盾」の役割を持つ。
 イージス艦の「イージス」とは「盾」という意味だ。「艦隊の盾」イージス艦
の任務は遠距離から同時に多数攻撃してくる航空機や対艦ミサイルから艦隊を守
ることである。このタイプの船を保有する国は、米国、日本、スペイン、ノルウ
ェーだけ。
 空母機動部隊の護衛艦には、さらに重大な意味がある。米空母は核攻撃任務も
有している。日本の自衛艦隊は核攻撃艦隊を護衛する。これは事実上アメリカの
核と一体となることを意味する。日本の核武装とは異なるが、大きく近づく。交
戦相手国から見れば、その差は誤差程度でしかない。相手国に能力があれば護衛
艦隊ごと空母機動部隊を壊滅させる。そのときに核の応酬になれば、日本は核戦
争に参戦する。

2.日米安保が日本を破壊する
  米国の戦争にいつでもどこまでも日本がつきあうことになる

 「日本が攻撃されたら米国が守ってくれる」これが日米安保だと国民は教えら
れてきた。しかしその逆はどうだったか。
 米国が攻撃された場合は、憲法上は日本が米国のために参戦することは出来な
い。
 ところが2014年の戦争法案(安保法制)により、新三要件を満たせば「存立危
機事態」として、他に手段がなければ「限定的に必要最小限度に」武力を行使、
すなわち集団的自衛権の行使ができるとされた。新たな憲法破壊だ。
 これが米国の戦争に、いつでもどこまでも日本がつきあうことになる所以であ
る。
 今後は、日本が日米安保体制下で在日米軍基地を提供しつつ「日本を防衛して
もらっている」との立場であれば、米国による「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」
「ショウ・ザ・フラッグ」に逆らえるわけがない。
 これまでは「憲法に違反する」と「逃げ」を打つ手もあったのに、自らその道
を遮断してしまったのである。
 米国は2003年にイラクに対し国際法を無視して軍事行動を行った。イギリスも
付き合って一緒に戦場に軍を送った。小泉政権は支持を表明したが、自衛隊を派
遣することはなかった。もちろん憲法違反の戦場への派兵は出来ないからだ。
 大量破壊兵器を保有していることを口実に行われたイラク攻撃、フセイン政権
の破壊は、戦争による大勢の市民の犠牲、米英兵士の犠牲のほか、今に至るイス
ラム国による連続した紛争の継続により、14年後もイラクやシリアの人々に塗炭
の苦しみを与え続けている。
 この史実を次のように置き換えてみれば容易に分かる。

3.戦争を始めるのは米国でありそれにより脅かされるのは
  日本や韓国などの同盟国である

 日本の近くで「大量破壊兵器を保有する国」が現れ、それを米国に対して使う
ことが「明白になった」場合は、在日米軍基地を抱える日本にも攻撃の矛先が向
くことは自明のことと考えられ、それから国民を守るため「他に適当な手段がな
い」と認められる場合は「必要最小限度の実力行使」は認められることになった。
 戦争を始めるのは米国であり、それにより脅かされるのは日本や韓国などの同
盟国である。
 米国本土が戦場になることはないとトランプ政権が高を括って武力行使に踏み
切れば、そのような惨劇が起こる。
 今やるべきは、武力行使につながりかねない軍事演習を取りやめ、両国の兵力
を引き離す取り組みだ。
 日本海に米空母を入れたり戦略爆撃機を韓国上空に送り込むなどは、不測の事
態を招く以外の何物でもない。
 軍事演習が実際の戦闘につながった例も過去にいくつもある。盧溝橋事件は日
本軍の演習中に起きた事件である。
 戦争を回避するならば、他に日本が取るべき立場はないはずである。

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by kuroki_kazuya | 2017-08-23 06:15 | 核 原子力