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by 幸田 晋

古賀茂明「トランプ大統領と心中?突出した軍事優先主義を主張する安倍総理」

古賀茂明

「トランプ大統領と心中?
突出した軍事優先主義を主張する安倍総理」


〈dot.〉

AERA dot. 9/25(月) 7:00配信より一部

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170924-00000015-sasahi-pol


 トランプ米大統領は国連総会で19日、「ロケットマンは自殺任務に突き進んでいる」と金正恩朝鮮労働党委員長を批判し、「自分や同盟諸国を防衛するしかない状況になれば、我々は北朝鮮を完全に破壊するしか、選択の余地はない」と軍事攻撃を辞さない立場を強調した。

 これに対して、ドイツのメルケル首相は、「そのような脅しには反対」、「制裁とその実行は正しい解決方法だと思うが、ほかのやり方はすべて間違っている」との考えをトランプ大統領に事前に伝え、それをメディアへのインタビューで明らかにした。

 また、フランスのマクロン大統領は総会で「緊張を高めることを拒絶する。対話の道を閉ざすことはしない」「軍事解決を語るなら、多くの犠牲者を覚悟することになる。我々がこの地域でやるべきことは平和の構築だ」などと、外交による解決を強調した。

 韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領も、「過度に緊張を激化させたり偶発的な軍事的衝突で平和が破壊されたりしないよう北の核問題をめぐる状況を安定的に管理しなければならない」「私たちは北の崩壊を望まない。吸収統一や人為的な統一も追求しない。北が決断を下すならば国際社会とともに北を助ける準備ができている」と述べ、対話路線を強調するとともに、国連の機関を通じて北朝鮮に食料や医薬品など、日本円でおよそ9億円相当の人道支援を行うことを決定した。

 北朝鮮の隣国である韓国はもちろん、遠く離れた独仏首脳が軍事的解決を否定しているのに対し、全く正反対の姿勢を示したのが安倍晋三総理だ。20日の国連総会で、「対話による問題解決の試みは無に帰した」と対話路線を否定。「全ての選択肢はテーブルの上にあるとする米国の立場を一貫して支持する」と述べ、軍事力行使のオプションを認める立場をあらためて表明した。

●倒錯した安倍政権の安全保障論理

 日本だけが、何故米国と歩調を合わせて戦争を肯定する路線を突き進んでいるのだろうか。

 私たちはもともと、日米安全保障条約の意義として、「アメリカに日本を守ってもらう代わりに、日本は基地を提供する約束だ」と教えられてきた。それが今や「日米同盟(日米安保条約)を守らなければ日本を守れない(米軍抑止力至上主義)」――だから「日米同盟を守ることは何よりも大事だ」――だから、「米国が北朝鮮と戦争する時、日本が攻撃されていなくても、米国に求められたら日本も参加するのは当然だ」という具合に、見事に話がすり替っている。

 こうしたことを指摘すると、「日米同盟は日本にとっての生命線だ。これがなくなったら、中国が尖閣諸島を領有しようと必ず攻めてくる」と言う人がいる。私なら「そんな事態は起きない」と答える。しかし、彼らは間違いなく「もし攻めてきたら責任をとれるのか!」と攻撃してくるだろう。ネットで発言すれば、誹謗中傷され炎上する可能性も高い。

 しかし、日本が攻撃されてもいないのにアメリカと共に戦争に参加するべきだという愚かな考えを認めてはならない。「日本の守護神アメリカを助けるためなら、日本人が死んでも良い」という考え方には、断固として反対するべきだ。「国民を守るための日米安保条約のために多くの日本人が死ぬ」というのは倒錯した論理としか言いようがない。

●今すぐにやるべきことは何か?

 では、私たちが今やるべきこととは何だろうか。

 私は、米朝韓のみならず、中国、ロシアを含めた国際社会に対して、「日本は自国が攻撃されない限り、北朝鮮を攻撃することはしない」「アメリカが北朝鮮を攻撃する際、日本の基地を使わせない」という2点を表明することが必要だと考える。そうすれば、北朝鮮が日本を攻撃する理由はなくなる。

 アメリカが「ふざけるな。だったら日米安保は破棄だ」と抗議してきたとしても、ひるむ必要はない。「冷静に話し合おう」と言えば良い。考えてみれば、集団的自衛権はつい3年前までは、「憲法違反」だったのだ。アメリカもそれを前提に日米安全保障体制を築いてきたはずではないか。

 北朝鮮が事実上の核保有国となったことは否定しようがない。制裁強化で北朝鮮が核とミサイルを手放す可能性もほとんどない。それでも、対話を否定し、国際社会に向かって「圧力」と「(軍事オプションを含む)すべての選択肢」を声高に叫ぶ安倍政権は、今姿を現しつつある重大なパラダイム転換に気づいていないようだ。それはどういうことか説明しよう。

 本来、全ての主権国家は平等であり国際法上同等の権利を持つべきだと言えば、ほとんどの人が、「それは当たり前のことだ」と思うかもしれない。いわば、普通の人の「常識」である。

 しかし、第2次世界大戦後の世界の「常識」はこれとは全く異なる。

 ――核兵器は米英仏中ロの5大国しか持ってはいけない(核拡散防止条約、NPT)。国際安全保障の仕切り役はこの5大国で、その仕組みは、国連安全保障理事会における「常任」理事国という特別な立場と、拒否権という特権により保証される。その他の国は、5大国より一段下等な国として、NPTに加盟して核兵器保有の権利を放棄する代わりに原発など核の平和利用だけは認めてもらえる――というものだ。

 この「常識」によれば、NPTから脱退し、国連安保理決議に反して核兵器とミサイルの開発を進める北朝鮮はとんでもない無法者、「ならず者国家」だということになる。

 しかし、インド、パキスタンやイスラエルは、NPTに参加せずに核兵器保有国となった。世界から非難はされたが、今や、事実上核保有を認められ、国際社会で普通の国として、何の制約も受けずに活動している。

 こうした状況は、北朝鮮から見れば、全く理不尽である。北朝鮮は、米国こそ「ならず者国家」だと見ている。イラクのフセイン体制を「大量破壊兵器の保有」を理由に崩壊させたが、その根拠はねつ造であった。これは明らかな国際法違反である。しかし、米国は何ら制裁を受けていない。インド、パキスタン、イスラエルも同様だ。

 しかも、米国は、北朝鮮を敵視し、今も攻撃の口実を探している。北朝鮮は、決して戦争を望んでいないが、自らの体制を守るために、米国の攻撃への抑止力を持たなければならない。これは、どの国にも認められている自衛権の範囲内である。

 金正恩政権には、自国経済が危機的状況にあり、それを構造改革と積極的な投資により再生しないと国内から体制が崩壊するという危機感がある。一方、通常兵器で米国に対抗しようとすれば、いくらお金があっても足りない。そこで、通常兵器による防衛は諦め、核兵器とICBM(大陸間弾道弾)による抑止力だけで対米防衛を図るという戦略を選択した。

北朝鮮のこの論理は、
戦後の世界の常識から見れば「非常識」だが、
5大国の特権を否定し、
すべての国が
国際法上全く平等の権利を持つという
「普通の人の常識」をベースとすれば
決しておかしなことではない


・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2017-09-26 06:43 | 対米 従属 | Comments(0)