スキーにはまっています。


by 幸田 晋

「原発に頼らない社会を!原発はなくても何の支障もない」

「原発に頼らない社会を!原発はなくても何の支障もない」
     木原壯林 (若狭の原発を考える会)

たんぽぽ舎です。【TMM:No3275】
2018年1月27日(土)午後 08:24
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.「原発に頼らない社会を!原発はなくても何の支障もない」
 |  1月26日(金)に京都の金曜行動で配布されたビラの見出し
 └──── 木原壯林 (若狭の原発を考える会)

 昨年暮れの広島高裁の決定を裏付けるかのように、草津白根山が噴火し、自然
の脅威と人間の無力さを再認識させています。
 改めて、火山大国、地震大国に原発があってはならないとの思いを強くしまし
た。??
 また、この火山噴火と原発とを関係付ける新聞記事やTV放送が全くといって
良いほどないのは、どうしたことかと気になります。

 ※1/26「京都の金曜行動で配布されたビラ」の内容については
  今後、メールマガジンで紹介致します。


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┗■2.新規制基準は「世界最高水準」でも
 |  「世界で最も厳しい基準」でも絶対にない
|  既存原発の稼働を認める為の「緩きに過ぎ合理性を欠く」
 | 新規制基準に騙されるな
 | 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その156
 └──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 世耕経産相は1月1日の年頭所感で「原子力規制委員会によって世界最高水準
の新規制基準に適合すると認められたものについて、地元の理解を得ながら再稼
動を進めてまいります」と述べた。
 電気事業連合会がパンフレットで「私どもは新規制基準への対応にとどまらず、
世界最高水準の安全性を目指し、自主的かつ継続的に安全性向上に取り組んでま
いります」と書いている。
 これらに騙されたからか、野党国会議員まで新規制基準は「世界最高水準」と
言う。
 しかし、これらは真っ赤な嘘である。
 このシリーズで縷々述べたように、また多くの専門家が語っているように「新
規制基準」は「世界最高水準」では絶対にない。
 既存原発を稼働させるための「新規制基準」は、東電福島第一原発事故検証も
せずに策定され、津波対策の為に「電源車とポンプとドリル」を買えばいいと揶
揄されるほど甘いもので、米国で対応済みの15個の規制項目が無視されているな
ど、まさに国内54基の既存原発を稼働させるための甘い甘い基準であり、「世界
最高水準」では全くない。

 例えば、耐震対策はあまりに緩く、基準地震動が小さすぎることを多くの地震
学者が早くから指摘してきた。
 さらに、2016年に熊本大地震が続く中で、何と基準を作成した島崎前委員長代
理でさえこの大地震を受けて基準地震動の見直しを進言し、岡村高知大教授・長
沢大阪府立大学名誉教授・政府の地震調査研究所などが揃って基準地震動の過小
評価を指摘しているにもかかわらず、基準地震動の推定方法を何ら見直しもせず
審査を続行している。
 さらに、複数基立地・同時稼働を容認し、ストレステストやコアキャッチャー
や受動的安全装置や放射能汚染水対策等を義務付けていない。
 また、立地指針を無視し、避難計画(IAEA深層防護第5層)が絵に描いた
餅で終わっていても稼働を容認している。

※原子力推進側に騙されている人たちの為に本シリーズで書いた文を
 以下に紹介する。参照・http://www.jca.apc.org/~kimum/
その111(2016年9月7日)「新規制基準」は絶対に「世界最高水準」ではない!
    民進党代表選候補者よ、規制委員会に騙されるな!
その107(2016年8月1日)「新規制基準」は世界最低水準?!
    もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」と1.7点(その5)
その106(2016年7月29日)「新規制基準」は世界最低水準?!
    もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」と1.7点(その4)
その105(2016年7月26日)「新規制基準」は世界最低水準?!
    もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」と1.7点(その3)
その104(2016年7月23日)大飯原発地震動試算騒動が示す田中委員長の傲慢
    島崎-規制委・規制庁面会が明らかにする基準地震動計算の過小評価
その103(2016年7月19日)「新規制基準」は世界最低水準?!
    もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」と1.7点(その2)
その102(2016年7月16日)「新規制基準」は世界最低水準?!
    もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」と
    5点満点で1.7点(その1)
その65(2015年9月28日)電源車とポンプとドリルを買えばいいだけの「新規制基
準」?I
    現存の原発を再稼働させる為の世界最低水準
その58(2015年8月8日)「新規制基準」は既存原発を動かす為に世界最低水準!
    15項目にわたって福島原発事故前の世界水準に追いついていない「新規
制基準」
その56(2015年8月5日)福井地裁「決定」も「異議申立」も無視して
    再稼働を推進する原子力規制委員会
    世界最低水準の「新規制基準」で世界最低の審査を続ける
    原子力規制委員会
その11(2014年7月)バックフィット可能な時代遅れの「新規制基準」を撤回せよ
    規制委は設計段階に遡って原発の大改修や造り直しを
    求める規制を避けて「新規制基準」を作った
その10(2014年7月9日)設計段階に遡らない「新規制基準」の大問題
    既存の原発を稼働させるための甘すぎる基準だ


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┗■3.誰も審査しないプルサーマル原発の安全性 (下)
 |  原子力規制委も投げ出しているプルサーマル計画
|  原発の安全性審査に「プルサーマル原発の安全性」はない
 | プルサーマル計画は核のゴミ問題を深刻化させる
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

目次準」
4.プルサーマルの安全審査をやり直せ
5.電力会社ごとのプルトニウム収支問題
6.プルサーマル計画は核のゴミ問題を深刻化させる


4.プルサーマルの安全審査をやり直せ

 MOX燃料体とウラン燃料体では融点が20度ほどMOXが低くなる。一方、運
転時の燃料体中心温度はMOXのほうが高くなる。その差は合わせても200度にも
ならないとされる。運転時の温度は1600度だが融点は2600度ほどだ。1000度もギ
ャップがあるから200度程度は誤差範囲と思っているのだろう。
 しかし、炉心溶融に至る場合、どこかで溶融温度と燃料温度はクロスする。M
OX燃料は溶融が早く起きるのである。
 プルトニウムの含有率が高く熱中性子の吸収特性が高いMOXは、制御棒の効
きが悪くなる。この現象についても炉の停止余裕は十分にあると説明されるが、
過酷事故時、特に巨大地震に襲われたら大きな縦揺れや横揺れで制御棒の挿入遅
れが発生する。
 MOXのほうが1割程度制御棒の効きが悪いことは分かっているから、挿入失
敗や遅れに対してかなり不利である。炉内の中性子量がウランに比べて少なくな
るので、炉心安定性が悪くなる。条件によっては地震の揺れなどが起因して原子
炉停止以前に暴走する可能性もある。
 全電源喪失はもちろん、基準地震動や基準津波、火山ガイドの大幅な変更に対
しては、」全て不利に働くのだから、再度安全性の評価をやり直す必要がある。

 ところがパブコメなどへの規制庁の回答は次の通りだ。
 『MOX燃料の使用は、既に許可されたものであり、今回の新規制基準適合性
審査では、MOX燃料の使用を前提として、重大事故等への対策が、新規制基準
へ適合しているか審査したものです。審査では、重大事故等の進展に影響する燃
料の核的特性、物性、照射挙動等に係る諸特性を考慮し、ウラン燃料とMOX燃
料を炉心へ装荷する運用などを踏まえた条件のもとで、重大事故等時における炉
心損傷防止対策、格納容器破損防止対策、使用済燃料貯蔵槽における燃料損傷防
止対策等が有効であることなどを確認しています。』
 確認といっても単なる机上の空論に過ぎない。

5.電力会社ごとのプルトニウム収支問題

 国は、プルサーマル計画の見通しも余剰プルトニウム対策もない中で、全電力
で再処理前提の核燃料サイクル計画を進める妥当性を説明していない。
 プルトニウムの所有者である電力会社ごとの収支バランスも未知のまま。プル
トニウム利用計画が事実上ない北陸電力などは、保有するプルトニウムをどこか
に売却するしかない。
 また、東電を例に取れば、プルサーマル計画を予定し認可を受けている原発は
柏崎刈羽原発3号機のみだが、中越沖地震により破壊されて既に10年以上たつ。
再稼働の見通しどころか廃炉の第一候補と思われるほどだ。
 柏崎刈羽原発6、7号機でプルサーマル計画を進めるにはプルサーマル原発の
認可を得ていないので審査が必ず必要だ。これに数年はかかる。東電の保有する
プルトニウムは電力会社では最大(約9トンで31%相当)だが、これが使うあて
のない最大量になる。

 各電力会社の保有するプルトニウムの一部は大間原発の稼働に際し、これまで
原発を動かしたこともない電源開発に売却される。この点は大変重要な問題であ
る。プルトニウムを売却することは安全上も、核不拡散上も問題が大きい。反対
の世論形成が必要である。
 東電が発生させた核のゴミは、あくまでも東電の責任で処理すべきであり、有
価物であるとの名目を付けて他に売却し責任を転嫁することは許されない。

6.プルサーマル計画は核のゴミ問題を深刻化させる

 MOX燃料体の再処理の見通しが立たないので、核のゴミ問題をより深刻化し
てしまう懸念がある。
 MOX使用済燃料は、第二再処理工場などで再処理する(出来る)との説明を
国は行っている。しかし根拠も具体性も全くない。
 MOX使用済燃料については、世界中で商業規模の再処理をしたことがない。
その計画もない。
 現状では各原発の使用済燃料プールに貯蔵することになっている。これが燃料
プールの容量を大きく圧迫する。
 既に既存の使用済燃料で一杯に近い原発が各地にあるのに、そのうえ運び出す
見通しの立たないMOX使用済燃料を入れておくのは困難だ。
 このため既存の使用済燃料は乾式貯蔵や中間貯蔵施設(関電や東電)に移し、
プールをMOXのため空ける、などとする本末転倒な計画が進められる恐れが高
いのである。

 年明け早々、関電が使用済燃料を青森県むつ市の中間貯蔵施設に搬入すること
を検討中との共同通信記事が各地の新聞に掲載され、むつ市はもちろん青森県で
大騒ぎになっている。
 東電と日本原電が共同出資して設立した中間貯蔵施設「リサイクル燃料貯蔵」
について関西電力からの使用済燃料を受け入れるとの報道に対し、「当社は、東
京電力HD株式会社と日本原子力発電株式会社の共同出資により設立され、両社
の使用済燃料を再処理するまでの間最大50年間貯蔵する会社であり、両社以外の
使用済燃料を受け入れることはありません。」との報道発表をしているが、関電
が検討をしていることは間違いないだろう。

 本来は、プール貯蔵の危険性を回避するために乾式貯蔵を原発敷地内で行うこ
とに意味があるのであり、更に危険なMOX使用済燃料をプールに置いたまま他
の燃料を乾式貯蔵に移すなどもってのほかである。
 数十年にわたりプールに貯蔵していれば、MOX使用済燃料も乾式貯蔵に移す
ことは可能だが、その間のリスクは遙かに大きくなる。
 プルサーマル計画は一度限りのMOX燃料の使用では高コストなうえ資源節約
効果も期待できない。数次にわたる利用が大前提であるが、一回の再処理さえM
OXは技術的に困難である。(了)
  (初出:月刊たんぽぽニュースNo265・2018年1月)


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by kuroki_kazuya | 2018-01-28 06:15 | 核 原子力 | Comments(0)