スキーにはまっています。


by 幸田 晋

月でしか起きない不思議な地震「ムーンクエイク」

月でしか起きない不思議な地震「ムーンクエイク」
  震源のほとんどが地球側のワケ

       島村英紀 (地球物理学者)

たんぽぽ舎です。【TMM:No3290】
2018年2月14日(水)午後 10:05
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.原子力施設が密集する東海村「東海村の危険な状況」
 |  再稼働へ向かう東海第二原発・再処理工場
|  『核のゴミ、東海第二原発周辺の放射能廃棄物の事故』
 | 2/17(土)「山崎ゼミ」にご参加を!
 └──── 坂東喜久惠 (たんぽぽ舎)

 東電福島第一原発事故から間もなく7年になろうとするのに、全く収束の見通
しが立たない、それなのに原発再稼働を強行する政府。
 今回は東京から100キロちょっとの「茨城県東海村の危険な状況」を中心に学習
します。
 再処理工場あり、東海第二原発あり、研究施設もいっぱい。
 再処理工場は原発とたったの2.8kmしか離れていない。
 近くの大洗には高速炉「常陽」も、とにかく原子力関係施設がいっぱい。
 あわせて最新情報をお届けする!

○「先月・今月・来月の原発問題」
 『核のゴミ、東海第二原発周辺の放射能廃棄物の事故』

  講 師:山崎久隆 (たんぽぽ舎副代表)
  日 時:2月17日(土)14:00より17:00(開場は13:30)
  会 場:スペースたんぽぽ(ダイナミックビル4F)
  参加費:800円


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┗■2.地震調査研究推進本部の地震調査委員会の長期評価について
 |  「長期評価」の成り立ちは1995年の阪神大震災に対する
 | 反省から始まっている…
 | 関連記事を時系列に辿る
 └──── 今井孝司(地震がよくわかる会)

○初めに

 原発の耐震性、津波の問題について問われるとき、推進側の評価と、文部科学
省の地震調査研究推進本部の地震調査委員会が行う活断層、海溝型の地震の長期
評価と、食い違うことがあります。

 地震調査委の評価に関して、地震の専門家の中には、そのまま金科玉条に受け
取らないようにという人から、どんな小さな確率でも、注意しないといけないと
いう人、根本的な問題があると指摘する人など、様々な意見があるのも事実です。

 私は地震の専門家ではありませんから、どの考えが正しいとか、なかなか判断
できないのですが、この「長期評価」の成り立ちは、1995年の阪神大震災に対す
る反省から始まっているということです。
 そこで、1995年から現在(2018年2月)まで、地震調査研究推進本部関連の記
事を時系列に辿ることから、考察の準備作業を始めたいと考えています。

 関連記事(総記事件数:179件)を、当会HP( http://jishinga.com )特集
コーナーにタイトル名「地震調査研究推進本部」でアップしましたので、よろし
かったらご覧ください。

○特に注目した項目(以下の括弧付き数字はHP内のカウンタ)

(1)1995/01/17 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)(M7.3)発生
(2)1999/06/16 地震防災対策特別措置法により総理府(※)に
地震調査研究推進本部が発足
  ※2001年に総理府から文部科学省に移管された。
(5)2002/07/31 地震調査研究推進本部が三陸沖から房総沖にかけての
長期評価を発表
(13)2004/05/31 原子力安全委 原発の耐震基準見直しへ
(17)2004/10/23 新潟で震度6強 震源浅く 重力超す1500ガル 小千谷観測
(27)2005/03/21 福岡沖玄海地震 未知の活断層動く 警固断層との関連指摘も
(31)2005/08/17 宮城南部地震 本命「宮城沖」か見解二分 想定より小さい規模
(37)2006/03/24 志賀原発 運転差し止め 金沢地裁命令 「地震の想定、過小」
(42)2006/08/20 地震に甘い電力会社 国想定の30分の1も 15断層を過小評価
(44)2007/07/16 新潟県中越沖地震(M6.8)発生
(45)2007/07/17 ひずみ集中帯で多発 「中越は活動期」証明
海底断層調査は不十分
(62)2008/06/14 岩手・宮城内陸地震(M7.2)発生
(70)2011/03/11 東日本大震災(M9.0)発生
(72)2011/04/06 「東北に巨大地震」予測していた 地震調査本部
福島県に説明直前
(73)2011/04/28 日本の地震学、改革の時 ロバート・ゲラー
(74)2011/05/07 浜岡原発 全面停止へ 首相、中部電に要請
(76)2011/05/10 浜岡だけが特別なのか 福島は0.0~0.8%
「他の原発心配ない」は暴論
(83)2011/08/24 10メートル超の津波想定 2008年試算
震災4日前に保安院へ報告
(91)2011/11/10 未熟な地震学
(99)2012/02/26 巨大津波警戒の報告書 電力側「ご配慮を」
貞観地震に神経とがらせ
(108)2013/04/16 淡路島地震「未知の断層」「伊方」近く超巨大断層
(114)2015/01/14 阪神大震災20年 地震学 東大教授 古村孝志
防災に生かす研究重要
(120)2015/08/09 「原子力ムラ」を生きた東電・吉田昌郎の功罪
(125)2016/04/14 熊本地震(2016年)(前震)(M6.5)発生
(129)2016/04/16 熊本地震(2016年)(本震)(M7.3)発生
(141)2016/04/28 国の地震予測地図はアテにならない
(160)2016/08/30 原発揺れ想定の計算 規制委に異議
       地震調査委側「過小評価」指摘
(163)2016/10/21 鳥取県中部地震(M6.6)発生
(167)2016/11/22 福島県沖地震(M7.4)発生
(171)2017/03/17 原発事故で国の責任認定 前橋地裁「津波は予見できた」59行


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┗■3.月でしか起きない不思議な地震「ムーンクエイク」
 |  震源のほとんどが地球側のワケ
 | 月の地震は地球と太陽の引力で月がゆがむことで引き起こされていた
 | 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その234
 └──── 島村英紀 (地球物理学者)

◎ さる1月31日は「ブルームーンの皆既月食」だった。しかも今回の満月は、
年間を通して2番目に大きい満月だったために、ふだんよりも大きな満月の皆既
月食を楽しめたはずだ。
 ブルームーンとは1か月の間に2回満月が起こるとき、その2回目の月を呼ぶ
言葉で、学術用語ではなくて俗称だ。実際に月が青く見えるわけではない。
 前回、皆既月食が見られたのは約3年前の2015年4月だった。前回の時は皆既
月食の継続時間は12分間という短いものだったが、今回の皆既月食は晴れた地域
では部分食が始ってから皆既食、そしてまた部分食の終わりまでのすべてを見る
ことができた。継続時間は3時間以上あり、皆既月食だけでも1時間半弱もあっ
た。めに

◎ じつは今年の7月にも皆既月食があるが、東北地方より西でしか見えず、そ
のうえ皆既食のまま月が沈んでしまうから、見える条件はずっと悪い。今回以降
で、今回のようないい条件で見られるのは2022年11月。4年先になる。
 一方、今回の月蝕はブルームーンだった。ブルームーンの皆既月食は1982年以
来で35年ぶり、次にブルームーンの皆既月食が見られるのは2028~29年の年をま
たいで起きる皆既月食になる。11年先になる。

◎ 月食は太陽と地球と月がこの順に一直線に並ぶときに起きる。天体の中を太
陽が通っていく道を「黄道(こうどう)」というが、これが月の通り道「白道」
と一致したところを太陽と月が通るときに月食や日食が起きる。
 皆既日食は月の影に地球の一部が入るときに起きる現象だから、月の4倍も大
きな地球の影に月が入る月食のほうが、見られる機会はずっと多い。

◎ ところで月にも地震が起きている。それがわかったのは1960年代のアポロ計
画で月面に地震計を置いて以来のことだ。「地震」ではなく、英語では「月震
(ムーンクエイク)」と言われている。
 地球と違って月には空気がないために、頻繁に隕石の衝突が起きていて、それ
が地震計に記録された。だが、それ以上に不思議な、月にしかない地震が起きて
いたのだ。
 地球ではたいした地震ではない。最大のマグニチュードは約4だ。
 それは震源のほとんどは地球に向いている側だけだったことだ。また太陽の向
きと地震の起きかたも関係していた。
 つまり月の地震は地球と太陽の引力で月がゆがむことで引き起こされていたの
である。

◎ もうひとつ特徴的だったのは、地震が起きる深さだった。ほとんどの地震は、
深さが900~1100キロという深いところで起きている。月の半径の半分を超えるく
らいのところだ。
 巨大な溶けた鉄の球という熱源を抱えている地球と違って、月はいちばん中ま
で固体だ。だが、この深さのところにひずみが溜まるメカニズムがあるのだろう。
 ちなみに地球の地震は、地球の半径の1/10くらいまで、それも特別なところだ
けにしか起きない。こんな深いところに地震は起きないのである。

(島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/
 「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より2018年2月2日の記事)

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┗■6.新聞より1つ
 └──── 

 ◆亡国の破憲破道 田中正造は行動の人だが言論を尊ぶ思想家
                    鎌田 慧(ルポライター)

 野に叫ぶリア王のように、髪振り乱して荒野を行くがごとき、田中正造の姿を
最近よく思い起こす。たぶん、久しぶりに福島の浜通被曝地を歩き、いまだ人影
のない荒涼たる海岸線を眺めた、残像あってのようだ。
 鉱毒地谷中村へむかう途次に倒れた正造は、臨終の床で苦しそうな呼吸の間に、
こう語った。「おれの病気問題は片づきましたが、どうもこの日本の打ち壊しと
いうものはヒドイもので、国が四つあっても五つあってもたりることではない」
(島田宗三『田中正造翁余録』下巻)。自分の病気は決着がついた。が、国の破壊
は留(とど)まること知らず、との概嘆である。
 山県有朋強権内閣のもと、鉱山王・古河市兵衛、その会社の副社長だった原敬、
古河鉱山鉱長に天下った鉱山保安局長、この政財官、闇のトライアングルは、明
治、大正、昭和、平成、150年にわたる宿痾(しゅくあ)ともいえる。
 鉱毒被害を政府に訴えようとした行進「押し出し」は、警察と憲兵による大弾
圧を受けた。衆議院議員だった正造は、「亡国に至るを知らざれば之れすなわち
亡国の儀に付質問書」を提出して、議会で政府を厳しく追及した。
 ほかにも「政府自ら多年憲法を破毀(はき)し先には毒を以てし今は官吏を以て
し以て人民を殺傷せし儀に付質問書」など、毎日、徹底的に政府を糾弾した。
 正造は行動の人だが、言論を尊ぶ思想家でもあった。
 (2月13日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)

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by kuroki_kazuya | 2018-02-15 06:15 | 核 原子力