スキーにはまっています。


by 幸田 晋

原子力産業の不良債権処理  (その1)(5回連載)  詐欺ともいえる策略を経産省が中心に進めている

原子力産業の不良債権処理  (その1)(5回連載)
  福島第一原発事故により東電の損害賠償と損害損失及び事故処理・
   処分費用が最大の不良債権
  この巨額な負債を消費者に如何に負担させるか
    詐欺ともいえる策略を経産省が中心に進めている

         堀江鉄雄 (東電株主代表訴訟原告代表)

たんぽぽ舎です。【TMM:No3328】
2018年3月30日(金)午後 08:30
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.原子力産業の不良債権処理  (その1)(5回連載)
 |  福島第一原発事故により東電の損害賠償と損害損失及び事故処理・
|  処分費用が最大の不良債権
 | この巨額な負債を消費者に如何に負担させるか
 | 詐欺ともいえる策略を経産省が中心に進めている
 └──── 堀江鉄雄 (東電株主代表訴訟原告代表)

大見出しの紹介
1.<東京電力救済は誰のためか>
2.<肥大化する東京電力の負債>
3.<「将来分」「現在分」「過去分」と多面性のある「一般負担金」>
4.<原発廃炉・解体費用の負債と負担:「廃炉会計」>
5.<発送売電分離の分社化は「法的分離」ではなく「所有権分離」にすべき>

 原子力産業の不良債権と言えば、再処理を含む核燃料サイクル事業、原発を含
む原子力事業施設の解体・処理、そして原子力事業の過程及び最後に残る核のゴ
ミ処理・処分でした。
 これに福島第一原発事故により東電の損害賠償と損害損失及び事故処理・処分
費用が最大の不良債権として発生したのです。東電は破たん企業となったのです。
2020年に向けてこの巨額な負債を電力消費者に如何に負担させるのか、複雑にし
て矛盾だらけの詐欺ともいえる策略を経産省を中心に進めています。
 それは「託送料金」での東電損害賠償の回収と廃炉費用の回収であり、「送配
電事業利益」による東電事故炉処理費用の積立です。
 複雑にして矛盾しており未確認事項があり、事実誤認、解釈違いなど多々ある
かと思いますが、大枠において間違いはないと思い問題提起します。
 皆様のご指摘により事実確認と問題の共有化をしたいと思っております。

1.<東京電力救済は誰のためか>

イ.東電を法的に破たん処理すれば、原子力事業の1/3は不良債権化し日本原
燃、日本原電などは連鎖倒産となり日本の原子力産業は破たん状態になります。

ロ.東電を法的に破たん処理すれば、所管官庁の経産省の責任が表面化します。
「第一義的責任」は東電という「盾」が無くなりますから、経産省が矢面に立つ
ということになります。損害賠償、事故処理過程で何かあっても東電の責任にで
きます。
事故以前、事故後も経産省の姿勢は一貫しています。

ハ.さらに重要なのは、日本の原子力産業関連に何十兆円もの投資、融資等して
いる金融機関は巨額の「債権放棄」をすることになります。資本主義経済のルー
ルからすれば、原子力産業は崩壊するはずでした。事故直後、金融機関と金融庁
は「東電倒産の日本経済への影響」を訴え奔走して、これを回避させています。

ニ.原子力産業の崩壊、特に東電の倒産処理後の債権債務の処理をすれば、その
後の損害賠償及び事故処理は国が引受けることになります。これは財務省も反対
です。財務省にとっては税金での負担と電気料金で電力消費者が負担するのは全
く違います。財務省にとって税金は、自分のお金なのです。税金では支払いたく
ないのです。国民にとっても税金で負担するのと電気料金で負担するのでは、責
任(債務)の意味が違ってきます。同じだと勘違いさせられています。損害賠償
の負担は仕方ないと思わされています。

ホ.東電を延命させれば、「電気料金」で東電の負債を回収できる。東電のある
いは国の債務を電力消費者に負わせることができると言うことです。これから何
百年も発生し続ける原子力産業の不良債権を電力消費者に負担させるシステムが
必要です。

ヘ.そこで2020年電力自由化に向けて原子力事業の負債を、「電気料金」での回
収から「託送料金あるいは送配電利益」での回収を可能にしたのです。負債が
22兆円であろうが70兆円になろうが、電力会社は「原子力発電事業の負債」を
「送配電事業」を通じて回収するということです。(その2)に続く


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┗■2.福島のモニタリングポスト
 |  (固定型リアルタイム線量測定システム)を撤去するな
 | 原子力緊急事態、放射性物質拡散可能性、福島県民の
 |  不安を無視して被曝を強要するな
 | 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その164
 └──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

○ 原子力規制委員会は、年間100mSvで安全とか年間20mSvで帰還なる非科学的提
言により3.11東電福島第一原発事故被害者に被曝を強要している。
 3月20日の定例会議でまたひとつ被曝強要施策を決定した。固定型3000台から
なるリアルタイム線量測定システムのうち2400台を2年間で順次撤去すること決
めたのだ。
 実はこの方針は丁度2年前にも原子力規制委員会で議論していた。湯水のよう
に原発の為に金を使っていながら、なぜ機械的モニタリングを節約しようとして
いるのか?
 福島の人たちから原発事故と放射能被害を忘れさせる為としか思えない。

○ 20日の定例会議でも「幼稚園、学校等については、児童・生徒や保護者の安
心材料として必要なため、除染による除去土壌の搬出が終了するまで設置を継続
してほしい」、「事故処理状況によっては放射性物資の影響についての不安も懸
念されることから、一律に撤去前提で進めることは反対である」などの意見が、
県や市町村から出ている。
 にもかかわらず、5人の原子力規制委員はどうでもいい質疑をした後に、
2400台の撤去を是認した。

○ 東電福島第一原発敷地には状態不明のデブリと汚染設備機器類と大量の放射
能汚染水タンクがあり、福島県内には大量の放射性廃棄物を詰めたフレコンバッ
グがあり、高放射性物質を抱えた山野も土壌も抱えている。
 そして、今でも原子力緊急事態宣言は解除されていないし、東電福島第一原発
廃炉に今後数十年もかかる。県内のどこに居ても放射性物質が拡散して落ちてく
る可能性が否定できない。

○ 更田委員長も当日の記者会見で、ホームページや広報紙を見てくださいでな
く、空間線量率がこうなっているというのが見られるというのは「安心できるた
めの材料になってきたのだと思います。」と答えているではないか。
 それでも、2400台の固定リアルタイム線量測定システムを撤去する方針を決定
したことは許されない。
 なお、これについては、地元でも反対の声が上がっている。
   「モニタリングポストを撤去するな、市民団体が要請」
    (風のたより-佐藤かずよし) https://skazuyoshi.exblog.jp/


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┗■3.東海第二原発(茨城県)の再稼働を阻止しよう (下)
 |  期限(今年11月)が迫る老朽原発は止めなければならない
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

4.原子力防災には責任を持たない規制庁

 原発から30キロあまりの範囲に広がるUPZ(予防的防護措置を準備する区域)
には公式には96万人、時間帯によっては100万人を遙かに超える人々が暮らし、働
いている。原発事故が起きて原子力防災で避難行動を行うことが可能と思う人は
いないだろう。
 これについて原子力規制庁は原子力防災一般について「原子力防災会議で原子
力規制委員会委員長が参加して意見を述べている」と回答しているが、東海第二
原発では「これまでの原子力防災会議において、東海第二発電所に係る地域防災
計画についての報告はされていません。このため、委員長が同会議において東海
第二発電所に係る地域防災計画について発言したことはありません。」などと回
答している。解説を加えるまでもない。
 原子力規制庁は原子力防災について全く関与していないし責任を持つ立場に立
っていない。
 これまで水戸市と日立市で原子力防災計画が策定されている。人口約27万人で
県庁所在地でもある水戸市は、全域がUPZに入るため、古河市、結城市、下妻
市、常総市、つくば市、坂東市、八千代町、五霞町、境町の「県内9自治体」及
び「栃木県」「群馬県」「埼玉県」「千葉県」に広がる。
 日立市も全域がUPZに入る。全人口約18万3千人を福島県内17市町村に避難
させる計画を作った。
 いずれにしても実効性はほとんど感じられない。この計画が実行された場合、
沢山の人々が命を落とすだろうことは福島第一原発事故の経験でも明らかだ。
 犠牲を出さないためには原発を止めるほかはない。

5.津波に沈む原発

 福島第一原発事故の教訓として、想定される津波の高さがかさ上げされ、それ
に対策することが規制基準で定められた。その時に想定する津波を「基準津波」
というが、東海第二原発の場合は高さ17.1mとされた。
 しかし今後も大きな津波の発生が否定できないため、「基準津波」を超え敷地
に遡上する津波に対する防護の考え方について明らかにしている。
 それによると、津波は最大30m級の高さに達した場合、敷地内は20mの防潮堤
まで水没する。しかし防潮堤に取り付けたゲートを開くことで排水し、シビアア
クシデント対策のためのアクセスルートを確保することが可能な海抜8mにまで
下げるのに4時間40分を想定している。
 電源喪失なども想定するが非常用の発電車を接続することなどで約2時間後に
は代替冷却システムが稼働し、炉心の冷却が確保できるとする。
 その結果、炉心損傷は回避される。
 瓦礫の流入も想定するものの、例えば5000トンの使用済燃料輸送船などは自力
で避難できるとし、自走航行できない台船が入ってくる程度であるとする。
 総じて30mの津波に呑み込まれても炉心冷却は十分可能としているが、これは
あまりにも楽観に過ぎよう。
 この規模の津波では瓦礫より土石が流れ込む。ゲートは外部から破壊され、稼
働しなくなる可能性がある。また、防潮堤そのものも波の力で破損するだろう。
 さらに津波は一回や二回で終わらない。何度も襲われればゲートを開けて排水
するタイミングもないかも知れない。
 原発が水没しても過酷事故に至らないなどと解析している原発では新たな安全
神話を振りまいているとしか思えない。

6.東海再処理工場は無視(東海再処理工場の事故を想定していない)

 東海第二原発の5km圏内(PAZ・放射性物質が放出される前の段階から予
防的に避難等を開始する予防的防護措置を準備する区域)には10を超える原子力
施設が集中する。原子炉の冷却不能などの原子力非常事態が宣言されると自動的
に避難行動を開始する。これら施設の従業員も避難しなければならなくなる。
 東海再処理工場も同様である。
 大規模地震と津波に襲われれば、双方が冷却不能の原子力緊急事態になる可能
性がある。そしてこの間の距離は僅か3kmだ。
 東海再処理工場は既に廃止が決まっているが、敷地内にはまだ約400立方メート
ルの高レベル放射性廃液と使用済燃料が265体残っている。他にも低、中レベル放
射性廃棄物は大量にある。これらが環境中に出ないように管理を続ける必要があ
る。のだ
 しかし大規模地震や津波に襲われれば大災害になりかねず、その時に東海第二
原発が動いていれば複合災害は免れない。
 高レベル放射性廃液は常時冷却が必要だが、これが止まるとおよそ2.5日で沸騰
して放射性物質の拡散が始まるとされる。その後は高温になった廃液の爆発など
も想定されるが、そんなことになれば福島第一原発以上の汚染を太平洋にもたら
すだろう。もちろん東日本は再び核の汚染に襲われる。
 東海第二原発を動かせないもう一つの理由は、東海再処理工場など原子力施設
が林立する茨城県の現状そのものにある。
 規制庁は、この現実を認識しながら、東海再処理工場は事業者による対策が進
められるから大事故は起こらないとしている。東海第二原発の再稼働を容認する
ためには再処理工場の事故を想定してはならないからに他ならない。


7.東海第二原発は何としても止める

 今年の11月27日が過ぎても審査書が決定されなければ、東海第二原発の運転は
不可能となる。東海第二原発再稼働阻止のゴールは日時が定められている。
 茨城県の人々へ、自治体への働きかけで、東海第二原発、東京圏の原発を止め
る責任は、福島第一原発事故を防げなかった私たちにもある。 (了)
 (初出:月刊「たんぽぽ」ニュース2018年3月号)

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by kuroki_kazuya | 2018-03-31 06:15 | 核 原子力 | Comments(0)