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by 幸田 晋

電気を選んで未来を創ろう

電気を選んで未来を創ろう

オルタナ 4/27(木) 1:51配信より一部

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170427-00010000-alterna-soci

2016年4月の「電力小売の完全自由化」施行から1年が過ぎた。2000年に大規模(特別高圧)需要家、2005年に中規模(高圧)需要家と段階を踏み、小売自由化の総仕上げとして、一般家庭や小規模事業所、商店など小規模(低圧)需要家に対する「電力小売の自由化」が実施されたのだ。(照井 敬子)

これにより、生活者は既存の一般電力事業者(関東圏であれば東京電力)以外からも電気を購入することが可能となった。電気事業者間の競争を促し、適正価格やサービスの向上を生活者に提供することを、目的の1つに掲げている。※

また、先んじて発電事業が自由化されていたこと、温室効果ガス増加による気候変動対策が、世界的な重要課題であることから、再生可能エネルギー(太陽光・風力・小水力・バイオマス発電など)の推進や、節電、温室効果ガス削減などを目的としたイノベーションが、より重要視されている。

電力小売り自由化の成果として、
意外にも認知が低いのが、
全国規模での
需給調整を可能とした点である

2011年の震災以降、多様な電源の広域的活用が不可欠である状況になり、広域運営推進機関(送配電網を担う電力会社全てが加入)を司令塔として、電気余剰の地域と電気不足の地域間の需給調整が、全国規模で可能となった。この改革のひとつの大きな成果である。

では、
どの程度の割合の家庭が、
既存電力会社から新電力に切り替えているのだろうか?


2016年12月末時点でのデータによると、
一般家庭の新電力切り替え率は各電力会社平均で4.12%となっている。

地域別にみると、
東京電力からの切り替えが5.25%と最も高く、
関西電力の4.08%、
北海道電力の3.56%と続く。
中国電力0.34%、
北陸電力0.64%、
四国電力0.83%と、
1%に満たない地域も多い。


大都市圏、とりわけ東京近郊の切り替え率が他地域と比較して高いことは、情報へのアクセス頻度が高いことに加え、福島原発事故の影響も少なからずあるだろう。しかし、東京近郊が最も切り替え率が高いとはいえ、「安い」が大好きな日本人の95%が、電気料金がこれまでより安くなるであろう新電力に切り替えていないことに、正直とても驚いている。


価格競争の先にある「付加価値」

登録された新電力会社の数は、394件(2017年4月25日時点/資源エネルギー庁HPより)に及び、それぞれの特徴は「低価格重視」「セット割引などの特典重視」「再エネ率重視」に大別される。

切り替え先を選ぶ際に、誰しもが気にするのが「いくら安くなるか?」であろう。しかし、電力小売りはもともと燃料調達費のウエイトが高く、利幅の少ない業界なので、値下げにも限界がある。もちろん、これまで競合不在だった既存電力会社より、技術開発や経営努力で管理コスト削減を行う新電力のほうが、低料金を提示できる可能性が高い。しかし、今後、既存電力会社と新電力の競争から、新電力間の競争へシフトするとき、低価格追求型の選択基準に限界と矛盾を感じる。

新電力にも、大手企業の子会社やガス業界の合弁会社など実質的な大企業がいくつか存在する。彼らは資金力を持ち、先んじて自由化された大規模需要家、中規模需要家に対する小売りの自由化により、すでに多くの顧客と大量の電力販売実績を積み上げている。ただでさえ利幅の少ない業界で、東電に代わる新たな巨人相手に、中小規模の新電力が価格のみで戦うことは極めて難しい。

我々生活者の側も、低価格のみを価値として求めるのではなく、既存電力会社の独占状態のデメリットから解放されたのちには、それぞれの新電力会社が事業を通じて「どんな社会をつくろうとしているのか」を見極め、それを付加価値として捉えることが重要なのではないか。価格競争はただの通過点であり、その先の付加価値を通じて、新電力会社の真価を問える社会でありたい。

イノベーションを妨げるものは「安定供給」への誤解

切り替えが進まない理由は何か?

生活の中で、想像していたよりもプロモーションに触れる機会が少ないのは間違いないが、知っているにも関わらず変えない理由こそが、進まない原因の本質のように思う。電力は、生活や企業活動に欠かすことのできない重要なインフラであるため、電力会社に求める最大の要件は「安定供給」である。
電力会社を変更すること自体が、
この「安定供給」への顕在的、
潜在的な不安に繋がっているのではないか。

この不安は、実際に新電力を検討している場合につきまとい、大きい会社はリスクが小さいのではないか?小さい会社はリスクが高いのではないか?と、「安定供給」のリスクと「企業経営」のリスクを混同して考えているケースが多い。

はっきり申し上げるが、
新電力になっても「安定供給」は
制度と仕組みで保障されている

トラブルや停電リスクも、これまでとなんら変わりないのだ。万が一、契約した新電力会社が倒産、撤退した場合でも、新しい電力会社と契約するまでの間、関東でいえば東京電力(パワーグリッド)が電気の供給を保障してくれている。

また、災害時においても、前述したように広域運営機関が受給調整を行い、機能しなくなった発電所の補完を行う。契約している電力会社によって電気が流れる、流れないが決められることは、決してないのである。全て補完される仕組みありきの小売り自由化なのだから。

「大きいから安心」という大企業神話は、すでに崩壊している。もちろん大企業がNGなわけではない。ただ、皆さんご存知のように、中小企業にも素晴らしい理念で取り組んでいる企業が沢山あるのだ。だから無尽蔵に大企業神話に乗っからずに、志ある中小の新電力会社が次のステージに進むことに、皆さんの力を貸して頂きたいと思う。イノベーションを妨げるのは、凝り固まった既成概念。ぜひ、価値の本質を見極めて選択して頂きたい。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2017-04-27 06:35 | 核 原子力