スキーにはまっています。


by 幸田 晋

韓国の原潜保有を認めた米国、焦る北朝鮮走らす

韓国の原潜保有を認めた米国、
焦る北朝鮮走らす


JBpress 4/4(水) 6:15配信より一部

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180404-00052742-jbpressz-kr

 今年3月27日から28日にかけて、金正恩北朝鮮労働党委員長が電撃的に中国を訪問、習近平国家主席と会談したことが明らかにされた。

 親中派とみられていた張成沢(チャン・ソンテク)の粛清、中国の面子を潰すかのような北朝鮮の度重なる核・ミサイル実験の実施、それに対する習近平国家主席の訪韓優先、国連安保理での対北朝鮮制裁決議への賛同など、かねて中朝関係は冷却化しているとみられてきた。

 それだけに今回の中朝首脳会談は意外性をもって受け止められた。その背景として、北朝鮮としては、

 (1)南北首脳会談、米朝首脳会談を控え、中国の後ろ盾を得て外交的な立場を強めたいとの思惑

 (2)国連の経済制裁に苦しむ北朝鮮として、制裁の抜け道提供、制裁緩和を中国に要望すること

 (3)米朝首脳会談が決裂すれば米国が軍事選択肢をとる可能性が高まっており、それに備えて中朝の同盟関係を再確認することなどの狙いがあるものとみられる。

 他方の中国としては、

 (1)昨年10月の党大会では鄧小平思想からの脱却を訴えて人事を刷新し、今年3月の全人代では憲法を改正し国家主席の任期制限を撤廃するなど、独裁体制を強めた習近平主席にとり、大きな外交的成果となること

 (2)米中貿易戦争の兆しが強まるなか、北朝鮮を取り込むことで、対米交渉上の立場を強化できること

 (3)米国の北朝鮮に対する軍事選択肢行使のおそれが高まるなか、中朝同盟を誇示することで米国の軍事選択肢を抑止することなどの狙いがあるとみられる。

 しかし、それだけではない。より根底的な動きとして、米トランプ政権が主導した南北朝鮮間のバランス・オブ・パワーの変化による中朝の利害の一致という側面がある。

■ 1 もはや米国は軍事選択肢により北朝鮮の核ミサイルを放棄させることはできない

 昨年9月の北朝鮮による6回目の核実験の直後、米国は韓国の本格的な弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)の建造を容認し、韓国の核保有についても黙認する姿勢に転換したとみられる。その背景にある戦略的判断は、以下のようなものであろう。

 1994年のビル・クリントン政権時代に、北朝鮮の核戦力を軍事的に破壊することを検討したが、結局できなかった。

 その理由は、

 (1)北朝鮮には当時約1万1000か所の地下施設があり空爆のみでは地下の核関連施設を完全制圧はできないとみられたこと

 (2)完全制圧には地上兵力による本格的な北朝鮮制圧が必要だが、その場合米軍は、50万人を増派し4か月間の激戦を戦い続けねばならず、犠牲者は数十万人以上に達すると予想されたこと

 (3)当時の日韓の指導者がともに戦争に反対したことなどが挙げられている。

 現在では北朝鮮の核関連施設の破壊はさらに困難になっている。

 核関連施設の数ははるかに増え、「38ノース」の見積によれば、核搭載可能とみられるミサイルの数は約1000発を超え、それらの基地の数も最大200か所に上り、大半が地下に格納されかつ移動式になっているとみられている。

 それらの位置に関するリアルタイムの正確な情報把握は極めて困難で、先制空爆による地下施設の破壊も容易ではない。

 もし空爆を行えば、先制攻撃から生き残った核ミサイルや化学・生物弾頭の弾道ミサイルが数十発の規模で、日本や韓国に向け集中発射される恐れがある。そうなれば、全数をミサイル防衛システムで破壊するのは困難となり、一部が着弾する可能性が高い。

 核・化学・生物兵器の弾頭では、被害は弾頭の威力、爆発高度、人口密度、建物の構造、地形や気象などにより異なるが、1発でも数十万人から百万人以上の死傷者が出ると予想される。


 さらにそれに連携した

 (1)生物・化学兵器攻撃とサイバー、特殊部隊攻撃などの非対称戦

 (2)休戦ライン沿いに展開した長射程の火砲、多連装ロケットによるソウル砲撃と

 (3)それに続く本格的な通常戦

 (4)中露による軍事介入の恐れ

 などの要因を考慮すれば、軍事選択肢を採れば、その結果は、ジェームズ・マティス国防長官が指摘するように、「かつてない規模の災厄」をもたらすことになると予想される。

 北朝鮮は、通常の近代兵器によらない「非対称戦」に力を入れている。核兵器以外の大量破壊兵器である生物、化学兵器についても、生物兵器として炭そ菌、天然痘、ペストなどを保有し、生物兵器弾頭の耐熱試験を行っているとの見方もある。

 また化学兵器については、2500~5000トンのサリン、VXガス、マスタードガスなど各種の化学兵器を保有しているとされている。

 化学・生物兵器については、「火砲や弾道ミサイルで投射できる可能性も否定できない」(『平成29年版防衛白書』)。

 神経剤サリンのバイナリー兵器(使用直前に無害な複数の剤を合成し使用する化学兵器)を使ったとみられる金正男暗殺事件でもその能力が示された。

 サイバー戦についても、小学生の時から適性を持った要員を選抜し、エリート教育を施して約6000人規模のサイバー戦部隊を擁していると伝えられている。北朝鮮は、ここ数年来、ロシアなどの支援を得て能力を急速に向上させている。

 サイバー戦の実行に当たっては、中国、マレーシアなどの国外に出て、国外のコンピューターを主に使っているとみられている。

 世界最先端のサイバー防衛技術を持つとされるイスラエルの電力公社を狙い、北朝鮮がサイバー攻撃を行っていることが報じられている。

 発電や送電などのインフラに誤作動を起こさせるマルウェアを作り出す能力が高いとされている。攻撃能力を上げるための演習ともみられている(『産経新聞』平成30年1月30日)。

 また、昨年12月19日トランプ政権高官は、昨年5月の世界各地150か国の病院や銀行などに甚大な被害を与えたサイバー攻撃に北朝鮮が直接に関与していたことを確認したことを明らかにしている。

 パソコン内のファイルを勝手に暗号化し暗号を解除する見返りにお金を要求するウィルス「ワナ・クライ」が使われた。攻撃は北朝鮮政府の直接の命令を受けて行われたとされている(『産経新聞』平成29年12月20日)。

 特殊作戦部隊も、核・化学・生物戦能力の向上などが重視され、兵員数も6万人~最大20万人とされるなど、増強が図られている。オリンピック閉会式に訪韓した金英哲は、特殊作戦部隊を束ねて2009年に創設された偵察総局の初代総局長である。

 電磁パルス攻撃についても、ロシアから技術を導入したとの見方があり、北朝鮮自らその能力を保有していることを誇示している。

 北朝鮮は、ノドンなどの弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭も保有しており、高高度核爆発の際に一般的に発生する強烈な電磁パルスにより、数千キロの広範囲にわたり電子部品やコンピューターを麻痺あるいは破壊する能力も持っているとみられる。

 これらの生物・化学兵器攻撃、サイバー戦、特殊部隊攻撃、電磁パルスなどの非対称戦の脅威は、韓国のみならず、都市化と情報化が進み人口稠密な点で韓国と共通する米日にとっても、深刻な脅威となるであろう。

 結論的に言えば、米国としては、実行可能で、かつ本格的な武力戦にエスカレートせず北朝鮮に核ミサイル攻撃を決心させるに至らないとみられるぎりぎりのソフトキル、あるいは海上封鎖のような準軍事選択肢を追求せざるを得ないであろう。

 しかしそれでは、北朝鮮の核・ミサイル能力を「完全かつ恒久的に」奪うことは困難であろう。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2018-04-05 06:35 | 対米 従属 | Comments(0)