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by 幸田 晋

原発事故に苦しむ子どもたち「大人って嫌だな」深まり続ける心の闇

原発事故に苦しむ
子どもたち

「大人って嫌だな」深まり続ける心の闇


週刊女性PRIME 4/18(水) 18:00配信より一部

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180418-00012156-jprime-soci

「子どもの顔をじっくり見ることもできなかった」

 小学校を卒業したばかりの娘を連れて、福島県南相馬市から県外へ避難した母親は、福島第一原発事故が起きたあの日をそう振り返る。原発が次々と爆発する中、3日分の着替えを持って飛び出した。

 しかし、当分帰れないと知り、あわてて避難先の近くにある中学校へ入学手続きをした。見知らぬ土地で、無我夢中で学用品をそろえた。

 入学式の日、体育館に入場する娘の怯えた顔を見て、初めて気がつく。

「ああ、この子はこんなに不安だったのか」

 涙があふれた。その瞬間まで、娘のことを考える余裕がなかったのだ。

 あれから7年。原発事故を経験した子どもたちは、どんな状況のなかで、何を考え過ごしてきたのだろうか。

癒えぬ子どもたちの心の傷

 浪江町から避難した岡野唯さん(以下、体験談はすべて仮名)は現在、21歳。原発事故のあと、「大人は汚い」と思うようになった。

 '12年3月、避難前にいた中学校(仮校舎・二本松市)の卒業式に参加できることになり、遠く離れた友達と会いたい一心で避難先の埼玉県から駆けつけた。

 ところが、県外避難した生徒に用意されたのは「保護者席」。旧友とのきずなをつなぐ場を期待して参列したと話し、席を同じにしてほしいと伝えると、対応した教育長が言った。

「私は“きずな”なんて言いましたか?」

 そのひと言が忘れられないという。避難先の学校では、履修内容がずれて、学びそびれた授業もある。修学旅行にも行けなかった。福島県は中3、避難先では中2で計画されていたからだ。

 その狭間で起きた原発避難。卒業文集を作成するとき、教師は「岡野は修学旅行にいなかったね」と、みんなの前で笑った。

 原発事故をめぐっては、避難した子どもたちのいじめ被害も取りざたされた。

 福島から新潟県へ避難した飯島七海さん(14)は、「逃げるごっこ」と称したいじめにあい、不登校になった。作文に「いじめられている」と書いて訴えると、先生は「B」と評価を返しただけ。

 『原発避難いじめ』のニュースが盛んだったころ、飯島さんはテレビ報道をタブレットで撮影し、母親に見せて叫ぶように言った。

「ねえ、私も同じことをされている。どうして誰も私のことを言ってくれないの?」

 いじめの存在を無視され、大人たちに心を閉ざしていく飯島さん。かつて活発で明るかった少女は、「戻れるんなら戻りたい」と、つぶやいた。


原発事故のことは口にできない

 斎藤翔太くん(13)も避難後、いじめられるのでは、と不安な日々を過ごしたひとり。そのため、昨年入学した中学校では、福島から来たことを周囲に話していない。

「いつか地元に帰って、ひとりで山の中で暮らしたいなぁ」

 自然豊かな庭で、穴を掘る遊びが大好きだった。

「悪いのは、事故を起こした人だけじゃないと思う。(みんなが)考えてこなかったのだし……」

 胸の内を話しづらいのは、関西在住の土屋玲奈さん(19)も一緒。震災当時、福島県中通りの中学生だった。避難して、仕事を続ける父親と離れて暮らすことになり毎日、泣いて過ごした。

「原発事故のことは、SNSでは発信できるけれど、普段は聞かれなければ言わない」

 放射線の影響を心配していても、口に出しにくい。

「これは私のように避難している人も、できなかった人も、しないと選んだ人も、福島に帰った人も同じだと思う」

 土屋さんは原発事故をきっかけに、ほかの社会問題にも関心を持つようになった。

 おかしいと思うことに異議を唱えたら、叩かれる。こんな世の中で大丈夫なのかな? まっすぐにそう問いかける。

「避難って言うと、周りは、地震と津波のせいだと思うんです。原発事故にはピンとこないみたい」

 とは、同・中通りから京都に避難した紺野美月さん(18)。両親は事故後、すれ違いから離婚した。 

 紺野さんは、「理解してくれない」という言葉を取材中に4度使った。放射能汚染の危険性についてだ。

「きちんと対応してくれれば、みんなが守られるはずだった」

 そう言って、福島で暮らす友人にも思いを馳せる。

いまや8割が事故に無関心

一方、福島県内の子どもたちはどうか。

 佐藤詩織さん(22)は、3・11が中学校の卒業式だった。

「事故のあと、東京の人は他人事なんだろうな、大人って嫌だなって考えていました」

 放射能汚染を「怖い」と思う反面、「そう思わないようにしなきゃ」「高校生活を楽しみたい」と、友達と事故の話をすることはなかった。しかし高校時代、ひとりの先生が甲状腺がんの手術をしたことで、「もし事故の影響だったら」と考え、胸を痛めた。

 子どもたちの間で、原発事故への風化が進んでいるという指摘もある。

「県内では、いまや8割が原発事故に無関心ではないか」

 と高校教諭の鈴木幸三さん(50)。鈴木さんには許せなかったことがある。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2018-04-19 06:48 | 核 原子力 | Comments(0)