スキーにはまっています。


by 幸田 晋

東海第二原発の再稼働審査を問う!

東海第二原発の再稼働審査を問う!
  
首都圏に最も近い
老朽・被災原発「東海第二原発」を動かすな

原子力規制委員会 院内ヒアリング集会(2)

       
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3360】
2018年5月11日(金)午後 06:51
地震と原発事故情報
より一部

┏┓ 
┗■1.大飯原発4号機うごかすな!
 |  5.9おおい町現地行動に市民の怒り
 └──── 稲村 守 (さいなら原発・びわこネットワーク)

◎ 5月9日正午ちょうどに、関電・大飯原発がある福井県おおい町大島半島の
先端にある塩浜海水浴場シーサイド・ファミリーパークは、赤や黄色、緑、水色
の怒りに燃える旗やのぼり、横断幕で埋め尽くされた。
 主催者を代表して、若狭の原発を考える会代表の木原壯林さんは、「原発は、
事故の多さ、事故被害の深刻さ、使用済み燃料の保管や処理の困難さなど、あら
ゆる視点から、人類の手におえる装置ではありません。断固として、再稼働阻止、
原発全廃の行動に起ちましょう」と高らかに闘争開始宣言を行った。

◎ そして沢山の警察官に囲まれながらも、元気に大飯原発ゲート前まで約1キ
ロのデモ行進にスタートした。
 地元のみなさんも関心を持って見守り、たくさんのマスコミ取材陣のビデオや
カメラでの熱心な撮影も繰り広げられる。
 この行動に、若狭の原発を考える会、オール福井反原発連絡会などの呼びかけ
によって昨夏結成された“大飯原発うごかすな!実行委員会”が主催して、地元
・福井と近畿を中心に、伊方原発や川内原発地元、東京からも100人の市民が集ま
った。

◎ 大飯原発4号機再稼働は当日朝のマスコミで午後5時と報ぜられ、ゲート前
に到着してからの約4時間半にわたって、訴えや反原発の歌声や怒りのシュプレ
ヒコールが繰り広げられた。
 主催者のオール福井の中嶌哲演代表は「関電はもう顧客に見限られている。ま
た野党共闘で原発ゼロ法案が提案されているが、国会外からも注目していきたい」
とあいさつ。

◎ そして各地各団体からの決意表明や訴えが続いた。滋賀から仲間と「関電は
びわこを汚すな!」との横断幕を掲げデモ行進した岡田啓子さんは、脱原発市民
ウォークin滋賀を福島原発震災直後から毎月続けてびわ湖一周デモなどで広げて
きた事などを報告。
 福島から京都に避難された女性、鹿児島の川内原発で闘っているクマさん、6
年ぶりに参加した大阪の30代のワタルさん、反原発議員市民連盟関西ブロックの
高木りゅうた大阪・高槻市議は「高浜・大飯原発周辺自治体を回り、担当者と膝
突合せ話し合う中で理解も得られつつある。全国で300人の議員の賛同を得ている
がさらに増やしたい」と。
 伊方原発反対闘争の現地で闘う仲間は「たかが15メートルの風で倒れる高浜原
発のクレーンとはなんだ。世界の風は反原発だ。」と。
 木原・中嶌さんらを代表団としての関電への申し入れ行動も行われた。

◎ 再稼働阻止全国ネットワークの石鍋誠さんは「東海第二原発や敦賀原発など、
日本電源の原発を廃炉に持ち込めるチャンスだ。11月に向け大闘争が始まる」と。
 京丹後の米軍Xバンドレーダー基地撤去現地闘争に通う仲間や釜ヶ崎で労働者
の命と権利の闘いを続ける仲間、きょうとユニオンの仲間も発言した。

◎ 司会を瀧川順朗さんと4時間半担った若狭の原発を考える会の橋田秀美さん
は発言が連続する中、「美しき5月のパリ」のメロディで自ら作詞した「今すぐ
原発止めろ!」の歌を披露するなど、「寒い中、4時間半も飽きさせず、抗議行
動を司会してすごい」とさいなら原発・びわこネットワークから参加した女性た
ちから大好評であった。
 午後5時に向けて最後の半時間、怒りのシュプレヒコールが大島の美しい新緑
の山々にこだました。
 (「さいなら原発・びわこネットワーク」ニュース第26号2018年5/10発行より)


┏┓ 
┗■2.東海第二原発の再稼働審査を問う!
 |  首都圏に最も近い老朽・被災原発「東海第二原発」を動かすな
 | 原子力規制委員会 院内ヒアリング集会(2)
 └──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

◎ 去る5月2日に標記院内ヒアリング集会を実施したので報告します。
 まず、配付資料などの説明の後、山崎久隆さん、川澄敏雄さん、大石光伸さん、
相沢一正さんから当日の質問に関する説明をしていただきました。
 特に川澄さんからはプロジェクターを使って電気ケーブル問題、超過津波問題
の図示していただきました。
 2時半には衆議院大河原まさ子議員にご挨拶いただいた後、規制庁の9人と経
産省の2人を迎えてヒアリングを開始。「ニ 周辺自治体住民の同意について」の
み経産省と規制庁、他は規制庁にヒアリングをし、現在進行中の審査の状態を確
認するとともに私たちからは多くの問題を指摘し、このまま審査合格、運転延長
合格とはしないように強く訴えてヒアリングを終わった。個々の質問についての
回答と質疑は後述します。
 なお、すでにこの動画が次にアップされているので詳細はこちらをご覧願いま
す。
20180502UPLAN
東海第二原発の再稼働審査を問う!原子力規制委員会院内ヒアリング集会(2)
【前半】事前学習会 https://www.youtube.com/watch?v=EPSpmLHJTPE
【後半】資源エネルギー庁・原子力規制庁ヒアリング
https://www.youtube.com/watch?v=T8DAJnBehxg

◎院内ヒアリング集会次第
  日時:2018年5月2日(水)13時30分より16時30分
  場所:衆議院第一議員会館 多目的ホール
  出席依頼:原子力規制庁
  紹介:衆議院 大河原まさこ議員
質問項目:
イ 審査の進捗状況と今後の見通しについて
ロ 設置変更許可審査について
1.電気ケーブルについて、2.鋼製防護壁の構造問題、3.耐震評価について
4.超過津波問題、5.長期停止原発の再稼働について、
6.使用済燃料プールのトラブル、7.経理的基礎、
8.核のゴミに囲まれた原発
ハ 運転延長認可について
ニ 周辺自治体住民の同意について

主 催:「再稼働阻止全国ネットワーク」
質問者:山崎久隆さん(たんぽぽ舎)、川澄敏雄さん、大石光伸さん、
    相沢一正さん、集会参加者
進 行:木村雅英
配付資料:質問文(8頁)、前回(2月22日)質疑記録(5頁)、
     前回追加質問と規制庁回答(2頁)
集会参加者:62名

(ヒアリングの概要)
 はじめにこちらから、前回に引き続きのヒアリングであること、日本原電で違
法残業が指摘される中で関電の高浜運転延長申請絡みで自死が出たこと、ここで
の質疑回答と実際の審査結果とに齟齬がないようにとお願いして、ヒアリングを
開始した。以下は時系列。

ニ 周辺自治体住民の同意について
 経産省は、地元同意は事業者任せとして逃げたが、「エネルギー基本計画」で
も地元の理解と述べているのだから経産省としても確認し、1市村でも反対なら
ば稼働しないように訴えた。また、UPZ30km圏だけでは不十分、東海第二の
UPZ圏には14市町村あり6市村では不十分、事業者任せにしないように訴えた。

イ 審査の進捗状況と今後の見通しについて
 設置変更許可が認可されていないにも拘らず、工事計画の審査と運転延長の審
査を開始していることを認めた。
ロ 設置変更許可審査について
1.電気ケーブルについて
 電気ケーブルの総延長が長い中で非対応が多く、新座市での東電地下OFケー
ブルと同様の火災の心配、日立製作所の内部資料にある摩耗損傷3000箇所、
シース(さや部分)の硬化(劣化)を指摘したが、規制庁は審査中との回答、事
業者任せにしないよう強く要請した。
2.鋼製防護壁の構造問題
 取水口の構造物が大ダメージを受ける可能性を追求したが、これから審査との
回答。
3.耐震評価について
 工事計画のヒアリングを開始したがまだ多くの資料が出ていないとの回答。驚
いたのは、基本地震動が建設時から4倍近くに上がりクリフエッジ(破壊される
力の掛かる点)までの余裕が食い潰されてきているのに、圧力容器スタビライザー
の降伏点など、着目すべきチェックポイントを担当が確認していなかったこと。
規制庁が事業者からの報告を追認する姿勢で審査していることが明らかになった。
 また、工事計画の事業者資料の多くが「黒枠・白抜き」でアップされているこ
とについて、ひとたび事故が起これば多数の「国民」に被害をもたらすのである
から、企業秘密と称して公開しないのはおかしい、これでは審査の適否を誰も判
断できないではないか、と強く抗議した。
4.超過津波問題
 24mの津波が防潮堤を超えて進入した場合に、標高8mの位置に使用済み核燃
料貯蔵建屋がある問題について、重大事故対処施設で無いから浸水してもいいか
のような回答。浸水対策を義務付ける基準があることを指摘した。
 2kmあまり南に位置する東海再処理工場の高レベル放射性廃液貯蔵施設の津
波による危険性について、個別施設の審査で対応しているとの回答。周辺の状況
を調査しないといけない、福島第一原発事故を思い起こすよう、に強く要望。ま
た、炉規法43条の3の8規則63項に照らしておかしいとの指摘に対しては、後日
議員を通して文書回答していただくこととした。
 また、参加者から基準津波も基準地震動も実績から考えれば過小であるとの指
摘も出た。
5.長期停止原発の再稼働について
 川内でも高浜でも玄海でも長期停止原発の再稼働ではすぐにトラブルが発生し
ている。玄海3号の蒸気漏れトラブルでは原子炉を稼働させたままでチェックし
たことを責めたが、規制庁は炉心を含んでいない2次系のトラブルとの説明。頻
繁に起こりうるから事業者任せにせず厳密ににチェックするように要望。
6.使用済燃料プールのトラブル
 日本原電敦賀発電所1号の昨年2017年11月20日「チャンネル着脱機の不具合」
トラブルの指摘について、規制庁が「指導文書」を出したとの回答。同様のこと
が東海第二で起こっていないか審査をするように要望した。
7.経理的基礎
 前回でも厳しく追及しまた前の週にも別の院内政府交渉で追求している。東電
と東北電力からの支援を「概ね了承した」のかについては、まだ審査会合の手前
の段階との回答。
 東電がADRの仲裁を蹴って税金を使っている中で日本原電を支援することは
誰にも認められないと強く訴えた。
8.核のゴミに囲まれた原発
 東海第二が核のゴミに取り囲まれている原発であることを確認し、前述の4.
と同様に追加質問することを確認。
ハ 運転延長認可について
 運転延長審査は、1機器の状況、2劣化評価、3保守管理方針への反映、の3
段階。審査はこれから。他老朽原発でのトラブルは「運用ガイド」で対応してい
る。
 一方、2年前に運転延長を認められた高浜1,2号機は平成32年(2020年)に稼
働予定、東海第二は2021年以降の稼働予定との回答。
 終わりに、今日の私たちの指摘を受けて早く審査不合格を出すように、そして
総ての資料を隠さずに明らかにするように強く要望した。
 最後に、ずっと同席して頂いた大河原まさ子議員からの閉めの挨拶をいただい
た。
 「今日の規制庁の回答では、市民にはまったく納得できない。そして、決定の
あり方、そしてそれがどういう記録で残されるかということも、今公文書の隠蔽
・改竄・データのすり替えが様々で起こっています。そんな中で、このことをや
るということの意味を、規制庁の皆さんに込められている責任を是非果たしてい
ただきたい。今日質疑の中ではっきりさせられなかったことは、また私や議員を
使ってしっかりと回答を引き出して行きたいと思っています。時間があまりない
と思います。しっかりと答え、市民の皆さんの専門性を受けとめ、原発ゼロ社会
に向けて活動したいと思います。」

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by kuroki_kazuya | 2018-05-12 06:15 | 核 原子力