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by 幸田 晋

[反戦平和のための軍事問題研究]『今度の戦争の戦争責任』

[反戦平和のための軍事問題研究]
『今度の戦争の戦争責任』


小林 哲夫
7月1日 17:22より転載

『今度の戦争の戦争責任』

仮想の問題ですが、仮にトランプ氏が先制攻撃して、北朝鮮が抑止力の公式に従って、日本に対して報復攻撃を行い、日本人の死者が3百万人を超えたとします。
さてこの戦争責任は誰にあるでしょうか?
これは太平洋戦争の日本人の犠牲数と同じ数字です。
太平洋戦争の戦争責任を追及している人ならば、この戦争を同等に重要性なものと考え、それを防止しようと思うのが当然です。
もともと太平洋戦争の責任を追及してきたのは、同じ過ちを繰り返してはいけない、という気持ちだったはずだからです。

現在のこの戦争の危機がもしも3百万人の犠牲を出す可能性があるとするならば、それを何とかして回避するためにこそ、過去の戦争の責任を明らかにすべきなのです。
そういう意識で、米朝戦争の戦争責任を考えたとすれば、その責任は、国内的には安倍総理にあると言えます。

戦争になったらこういう犠牲が起こり得ると事前に予告する人が有ったにもかかわらず、トランプ氏を100%支持する、と言い続けた安倍政権に戦争責任がある、と考えるのが自然ではないでしょうか?
3百万人の犠牲を出すような戦争をしてしまったことの責任を無視して良いはずがありません。

ところがその当人は、まったくそういう責任を感じている様子がみえません。
もちろんその安倍政権は国民から圧倒的支持を受けて政権の座にあり、現にその支持者たちもトランプ氏の軍事力行使を肯定しているのですから、安倍氏一人の責任にするのはフェアーではありません。

トランプ氏の軍事力オプションを肯定している日本人全員の責任と言えます。

ところがそういう危機意識も、責任感も無い国民が大部分です。
民衆の中に米朝戦争反対の声が存在しないことが、危機意識がないことを証明しています。

戦争責任自覚と反戦運動
本来ならば、未来の戦争責任者を追及して、未然に戦争を防止するための戦争責任論だったのですが、今は単に歴史学の一部になっていて、現実政治に参考にしようとする人は存在しません。

考えて見ると太平洋戦争の時も同じようなことを経験したように思います。

国民は軍国主義に陥ってしまっていて、無謀な日米戦争開戦に熱狂しました。
その責任者を東京裁判で有罪にされましたが、それは政治責任者数人を生贄にして、国民全体を免罪し、その責任を自覚しないままに現在に至っています。

この同じことがまた繰り返されるのか?と思うと、やりきれない気持ちになります。

今問題にしている米朝戦争について、多くの国民は軍事オプションの行使を暗黙裡に容認して、安倍支持になっていますが、これが戦争責任に該当します。
一方この動きに対して沈黙し、戦争反対の言論が存在しないことも消極的戦争責任と言えます。

どうして米朝戦争反対運動が起こらないか?と言えば、戦争を起こすことの責任を自覚する国民が存在しないためだと思います。

国民すべてに戦争責任がある、と自覚することによって、次の戦争に反対する必要があると認識する人が現れるのだ、と思います。

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by kuroki_kazuya | 2018-07-02 06:25 | 軍事