スキーにはまっています。


by 幸田 晋

西日本豪雨が引き起こした水蒸気爆発

西日本豪雨が引き起こした
水蒸気爆発
 
すさまじい威力…御嶽山噴火と同じ
   
警戒せよ!
生死を分ける地震の基礎知識 その258

        
島村英紀(地球物理学者)

たんぽぽ舎です。【TMM:No3433】
2018年8月4日(土)
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.猛暑、猛暑、猛暑…多くの家庭で冷房つけっぱなし
 |  それでも電気は十分足りている 原発なしで電気OK
|  「節電要請」もなし
 | 原発いらない、東海第二原発20年運転延長やめよ
 └──── 柳田 真(たんぽぽ舎、とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)

◎猛暑が続いている。埼玉県熊谷市で41.1度Cだ。多くの家庭で冷房つけっぱな
しだ。
 政府も「エアコンつけて熱中症対策を最優先に」と言っている。(エアコンは電
気をたくさん使う)
 それでも電気は足りている。政府も「十分な電気供給力が確保されている」と
説明している。

◎理由は何か。人口減や、省エネルギー・節電も進み、電力需要自体が減った。
 太陽光発電も伸びて2011年度の5倍=原発5基分の能力(2016年度)になった。
 原発なしで電気は大丈夫なのだ。
 なぜか、TVや新聞、安倍政権も「このこと」=「原発なしで電気は大丈夫」
は絶対言わない。かん口令でもひいているのかな。
 東京電力の電力供給エリア-1都8県計9つ〔東京都、神奈川県、埼玉県、千
葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県(富士川以東)〕は、7年半前の
3・11東電福島第一原発事故以来、「原発電気ゼロ」だが、十分やれている。

◎原発いらない!東海第二原発20年運転延長・再稼働(60年運転)やめよと声を大
に叫びたい。原発やめよの諸行動にも参加しよう。
 「原発大事故、つぎも日本」という警句(福島県宝鏡寺)をくり返さないために。
 孫、子に美しい日本の国土を残す。
 再び、放射能で汚された土地を残さないために。


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┗■2.東海第二原発(茨城県東海村)の本質的問題 (その5)
 |  再循環ポンプという大きな弱点
 | 圧力容器の下部に巨大配管のリスク
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)

6.再循環ポンプという大きな弱点
  圧力容器の下部に巨大配管のリスク

◎ 従来型のBWRは圧力容器の下に再循環系出口配管が2箇所取り付けられて
いる。これは再循環系に炉心の冷却材を送るためだが、燃料領域の下に内径55セ
ンチの配管の存在は、冷却材喪失事故に対して脆弱である。
 旧安全審査において、最も重大な事故の一つは再循環系出口配管のギロチン破
断であった。現在でも過酷事故の一つであることは間違いない。

◎ 再循環ポンプの事故は福島第二原発3号機で1989年1月に発生した。BWR
タイプ5の再循環ポンプはそれまでのポンプの規模を拡大して作られていたため、
ポンプの回転により水切り部から発生する水圧の変化を伴う振動周波数が低周波
側に動いていた。
 これとポンプの内部に取り付けられていた水中軸受のリングが運転領域の90%
を超えたあたりで共振し、溶接部分に応力が集中して亀裂が発生、溶接が「完全
溶け込み」ではなく「隅肉溶接」と呼ばれる脆弱な方式であったため、亀裂が進
展して破断した。
 運転中にリングが脱落し回転翼と噛み込みを起こし、大量の金属片が原子炉に
流れ込み一部は燃料に突き刺さった。

 東電の推定で約30キロのステンレス片が燃料の間や制御棒駆動機構に入り込ん
だため764体の燃料と185体の制御棒は全部交換、炉内も長期間をかけて洗浄し、
ポンプの軸受部の構造を改良型に付け替え運転を再開した。
 これらは設計ミス、施工ミス、運転管理ミス、そのうえ事故発生直後の情報公
開を怠るミスも加えて、あらゆるミスを繰り返した。

 再循環ポンプは炉内から冷却材を引き抜くところから入れるところまで、全て
に大きなリスクを持っていることを忘れていたかの行為に、多くの人々が強い憤
りを持った。
 圧力容器から出ている大口径配管の危険性は容易に想像が付くが、ポンプその
ものと出口配管であるリングヘッダー配管については、大口径破断を考慮すれば
それに包絡していると考えられている。

◎ しかし実際はそうではない。
 冷却材喪失事故には大口径破断、中口径破断、小口径破断とに分けられる。
 出口配管の破断は大口径破断であるが、電源を失ったポンプそのものは小口径
破断に相当し、リングヘッダー配管の一部(一本)破損は中口径破断に相当する。
 福島第一原発事故では全電源喪失時にポンプが止まり、軸受部に流れていたパー
ジ水も止まった。
 軸受にながされるパージ水とはポンプ内部に係る圧力(約70気圧)により炉内
の冷却材が軸受部を伝って外部に漏れ出ることを防ぐために、ポンプで加圧した
純水を軸受部に押し込む水を言う。
 電源喪失によってパージ水を送るポンプも止まるが、再循環系配管部は閉鎖で
きないので炉内圧力はそのままかかり続ける。圧力差で冷却材がポンプの軸受を
伝って漏えいするので、事実上の小口径破断事故と同様の事態となる。同じこと
は給水系配管に取り付けられている給水ポンプでも生ずる。

◎ このような場所からの漏えいを想定して水位低下時にはECCSを作動させ
ることとなるが、電源喪失ではこれも出来ない。
 原子炉圧力を下げるための逃がし弁からの漏えいだけでなく、こういったとこ
ろからの冷却材喪失は想定されていない。(「その6」に続く)


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┗■4.西日本豪雨が引き起こした水蒸気爆発
 |  すさまじい威力…御嶽山噴火と同じ
 |  警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その258
 └──── 島村英紀(地球物理学者)

◎ 西日本が豪雨災害に襲われた。目を覆う災害だが、この豪雨は地球温暖化に
ともなって「気象が凶暴化」してきたひとつの現れだ。4年前の広島市安佐南区
を中心とした豪雨災害といい、これから気象災害がもっと増える可能性がある。
 気象の凶暴化ではそのほか、強い台風が上陸してきたり、竜巻がより強くなっ
たりする。
 ところで西日本豪雨で、水蒸気爆発が起きた。火山ではよくある水蒸気爆発だ
が、平地の工場で起きたことは珍しい。
 岡山・総社市にある金属加工会社で7月6日に水蒸気爆発が起きた。すさまじ
い爆発で工場はメチャメチャになり、民家など3棟が全焼したほか、広範囲の民
家の窓ガラスが割れたり壁が壊れた。
 従業員が避難したあとだったので工場での人的災害はなかったのが不幸中の幸
いだったが、近隣に住む住民約40人が重軽傷を負った。

◎ この工場ではアルミを溶かしてリサイクルしていた。そこへ近くの高梁(た
かはし)川の支流が氾濫して水が流れ込んできた。溶けた高温のアルミと接触し
て水蒸気爆発を起こしたのだ。
 溶けたアルミだけではなく、水が高温の物体に触れるだけで水蒸気爆発が起き
る。
 「水蒸気」爆発というと、まるでヤカンから出る湯気のように威力のないもの
に聞こえる。だが、そうではない。

◎ 液体の水は1グラムで1立方センチの体積を占めるが、これが100度Cになる
と気体になって約1700立方センチの体積にも膨張する。もっと高温の物があると
4000立方センチ以上と、さらに体積が増える。数千倍の体積になるのだ。
 このため、工場など閉じた空間では大変な圧力になって、まわりにあるものを
吹き飛ばしてしまう。
 アルミの融点は660度Cほどだ。火山ではもっと高く、マグマの温度は1000度C
を超える。この高温のため、膨張した水蒸気が噴石や溶岩を吹き飛ばしてしまう。
 戦後最大で60人以上の犠牲者を生んだ2014年の御嶽山噴火も水蒸気爆発だった。
 火山の水蒸気爆発は、マグマの中の水蒸気やマグマの近くにある地下水が熱せ
られたことによって圧力が上がり、地表にあった昔の火山灰や噴石などを吹き飛
ばして噴火する。御嶽で被害を生んだのは昔の火山灰などだったのだ。

◎ ちょうど130年前には、御嶽山よりはるかに大きな水蒸気爆発が起きた。
1888年7月15日の福島・会津磐梯山の噴火だ。
 このときは、火山の内部で水蒸気爆発が起きた。このため大規模な山体崩壊を
引き起こして山頂も崩壊した。いま、空から見ると磐梯山の山頂から北側には息
をのむような巨大な山体崩壊の跡が広がっている。噴火後は低くなって標高
1816メートルになった。
 磐梯山の噴火はわずか1日で終息した。しかし被害は甚大だった。この山体崩
壊で約500人もの死者を生んだ。また、川がせき止められ、桧原湖、小野川湖、秋
元湖、五色沼など、大小さまざまな湖沼が作られた。水蒸気爆発は、とても怖い
ものなのである。

(島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/
 「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より7月27日の記事)

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by kuroki_kazuya | 2018-08-05 06:15 | 核 原子力 | Comments(0)