スキーにはまっています。


by 幸田 晋

「東電の中ではかなり以前から津波対策が必要だとわかっていた…」

「東電の中ではかなり以前から津波対策が
  必要だとわかっていた…」
    
東電刑事裁判学習会
「東電有罪の可能性と展望」報告
        
小林和博(東電の刑事責任を追及する会)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3540】
2018年12月21日(金)午後 07:39
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.<報告>
 |  「~原発のあるムラから~東海村元村長 村上達也さんに聞く」
 |  この国はなぜ20年延長(東海第二原発)にこだわっているのか
 |  問題だらけの東海第二原発
 |  同じ過ちをしないために次の世代のためにも原発を止めるべき
 └──── 加藤マリ子(「さようなら原発」あびこ)

   日 時:12月13日(木)14時~16時30分
   会 場:あびこ市民プラザホール
   主 催:「自主講座『市民自治』」、
    「選挙で変えよう」あびこ市民の会
   協 力:「さようなら原発」あびこ
   報告者:加藤マリ子(「さようなら原発」あびこ)

 村上達也さんは、問題だらけの東海第二原発がなぜ20年延長されるのか、
1999年の「JCOの臨界事故」で何を見、何を考えたか、そして、「科学技
術」と日本ではひとくくりで言うが、「科学」と「技術」は違うということ
を話されました。
 質疑では、原子力規制委員会が真の規制に転じるのは、世論が高まった時
だとお答え下さいました。
 茨城県では原発について何も語らない知事が当選し、県議選でも原発に触
れない保守、連合系が当選したとのこと。
 各種世論調査では60%以上が再稼働反対ですが、世論をもっと高めるのは
どうしたら良いか、私たちの知恵の出しどころです。
 我孫子では、1月の市長選に<東海第二原発の延長稼働に反対を表明す
る>市長候補を擁立し、訴えていきます。
以下、村上さんのお話の概要です。

1.<この国はなぜ20年延長(東海第二原発)にこだわっているのか>

 30年だった原発の10年延長の時、大変な作業がされた。そして今回の20年
延長について「これは例外中の例外」と言っていた。
 しかし、東海第二は簡単に延長になった。原子力規制委員会は原子力界に
降伏した。
1.原子力発祥の地、メッカの火は消せない
2.日立製作所のお膝元(政界、財界、労働組合)の原発を守る。3号機、
4号機建設計画は今でも消えていない。
3.日本原電は資金力なし。破たん処理の表面化の先延ばし。
 しかし、30キロ圏内に96万人、5キロ圏内には8万人が住んでいる。福島
第一原発事故の時は、20キロ圏内に8万人だったが、いまだに解決できない
状態である。問題解決していないことを進めようとするのは気違い沙汰だ。

 2012年12月16日の衆議院選で自民党が復活し、安倍政権が誕生した日
から、夜が明けない。政府は薩摩川内原発(鹿児島県)を稼働するとき、
「政府の責任で」と言っていたが、責任を考えたら東海第二原発は動かせな
いはずだ。浜岡原発も動かせるものではない。

2.<問題だらけの東海第二原発>

 東海第二原発は問題だらけ。地盤、耐震性、電気系統、避難計画など。
 軟弱地盤(岩盤ではなく堆積層の上。海抜8メートル。福島第一より
低い)。
 規制委員会と最後までもめていたのは基礎の杭をどこまで打つか。原電は
40メートル、規制委員会は岩盤までの60メートルを求めた。防潮堤の基礎
工事、など。

 避難計画は難民づくり計画だ。これから進めても40%以下。できたと
言っても実際にはできていない。要援護者にバス1000台が必要。
 しかし、バスが無い、運転者が来てくれるか疑問。建前のみ。実際に起き
た時には何もできない。
 東海村は震度6弱以上の地震発生率81%の地域。東海第二の基準地振動は
作られた時、270ガルだった。2017年には1009ガルになったが、積水ハウスの
4分の1の耐震性だ。

 ちなみに山崩れのあった北海道厚真町(1504ガル)、熊本(1580ガル)、宮城
県内陸地震・栗駒(4022ガル)、中越(2004ガル)。
 いかに東海第二原発は耐震性が無いかわかる。

3.<1999年のJCO臨界事故で何を見、何を考えたか~「国策」の世界>

 原子力界と政府のお粗末さ(日本では起きないという自惚れ)。アクセル
だけの後進国的原子力政策。政治的非科学的精神と底の浅い「科学技術立
国」。JCOだけに責任を負わせてあわてて蓋をし、一件落着にした。

 私は独自の判断で住民避難を敢行し、「原子力推進の旗は振らない」と言
明した。その結果、2001,2005,2009年の村長選挙では「政・官・業」
挙げて「村上落とせ!」と猛攻撃された。真の科学的精神は欠如している。
暴走は続く。旧皇軍の如し。

4.<科学と技術は違う>

 日本の科学者は迎合している。エリートは自分の保身のために体制に
寄っていく。官僚、役人の保身。エリートが国を滅ぼす。ヨーロッパでは、
科学は哲学、数学、倫理などと一緒の分野になる。アルキメデスの時代か
ら科学は危ないものであることをわかっている。

 日本は技術には長けているかもしれないが、科学的精神は欠けている。
想定もせずやってきた。「過酷事故は考えられない」というところから
スタートしている。安全規制体制が薄い。法律まではできていない。

5.<日本は発災地なのになぜ転換できないのか>

 昭和5年に日本軍は25万人だったが、終戦時には772万人となっていた。
徴兵制はないが、いざ戦争になったら皆駆り出されたのだ。終戦時、中国に
いた日本兵は179万人。日本は、朝鮮、中国、アジア侵略をけろっと忘れ、
原爆、空爆、シベリア抑留を盾に被害者面、平和愛好国民面をしている。
 ドイツ国民は戦争責任をヒットラーに押し付けることもできた。
 しかし、そうしないで国民全体が罪を負い、その清算に努力してきた。
 だからドイツはヨーロッパに存在し続けられる。
 しかし、日本はアジアに存在し続けられるだろうか?歴史認識、科学的
精神に向き合っていない。
 同じ過ちをしないために、次の世代のためにも、原発を止めるべきだ。


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┗■2.「東電の中ではかなり以前から津波対策が
 |  必要だとわかっていた…」
 |  東電刑事裁判学習会「東電有罪の可能性と展望」報告
 └──── 小林和博(東電の刑事責任を追及する会)

 12月3日「スペースたんぽぽ」において、東電刑事裁判学習会を開催しま
した。
 まず、福島原発刑事訴訟支援団の海度雄一弁護士から、これまでの公判を
120枚のスライド(パワポ)にまとめ、わかりやすく解説していただきま
した。
 「こんなすごいことが起こっていたのか。知らないことがいっぱい
あった」、「東電の中でかなり以前から津波対策が必要だということが
はっきりした点、また、それをやらなかった理由も引き出した証言、調書、
証拠によりはっきりした」、「東電のデタラメさぶりが非常に良く
わかった。これで有罪にならないと納得できない」といった感想が寄せら
れました。

 では、公判で明らかになった事実を、どうやって東電(元幹部3名)有罪
につなげていくのか?
 学習会では、時間不足で議論できませんでしたが、感想アンケートで
「今日学んだことを周囲の人に伝える。署名を広げる」、「再生エネルギー
に切り替える」「日本の民主主義、司法の独立をかけて闘っていく必要があ
るはず。市民の関心、世論が高まれば有罪にできる」といった意見があり
ました。

 検察が不起訴にした犯罪を検察審査会による強制起訴で公判を開かせ、
多くの証言により真実を暴き出してきた東電刑事裁判はこれからが正念場
です。
 支援の輪を広げ、東電や裁判所に圧力をかけ、世論を盛り上げ、「東電
有罪」を実現しましょう。

※次回の公判(論告求刑)は
 12月26日(水)と27日(木)10時より 東京地裁104号法廷


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┗■3.柏崎刈羽原発でケーブル火災   (その2)
 |  非常用電源ケーブル焼損を深刻に捉えない東電は大問題
 |  同様の接続ケーブル火災の可能性
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)

2.同様の接続ケーブル火災の可能性

 同じようなケーブル接続構造を持つのは、6900V以上の高圧ケーブルでは
発電所構内で合計95箇所あるという。
 高圧ケーブルは輸送時にケーブルドラムに巻き付け現地で敷設する。この
ときのケーブルドラムの巻き線長が1本のケーブル長になる。これを超える
ケーブルを敷設する場合には接続部を設ける必要が出てくる。
 原発内部にある接合部は、今回のような使用済核燃料冷却用電源として使
われているケーブル、バックアップ用各種ケーブルなどで71箇所あり、順次
点検を行っているという。
 しかし過去に同様の火災が発生したのかとの柏崎市の問いについて、東電
は回答していない。

3.洞道内の他のケーブルへの影響は

 同じ洞道内に敷設している送電用ケーブルは全て難燃性であるという。
 なお、送電用以外のケーブルは「所内通信用ケーブル」「屋外火災感知
設備用ケーブル」「洞道内の照明設備、排水設備、換気設備、火災感知設備
等のケーブル」である。
 これらのケーブルが難燃性であっても送電用ケーブルは発火した。その
影響で他のケーブルが燃えることはないのだろうか。

 東電は「難燃性ケーブルの場合は、一度着火しても自己消火する特性を
有しており、また周辺の火災からの延焼もしにくい特性を有しています。」
とするが、「過電流により保護回路が動作し、遮断器を開放し事故電流が
遮断されることで、ケーブル事故箇所の加熱を停止することができます。」
とも説明している。

 しかし「今回の火災においても、過電流により保護回路が動作、遮断器を
開放し、ケーブル事故箇所の加熱を停止した結果、自己消火しています。」
とはいうが、燃えたケーブルは2本で、自己消火まで長時間かかっている。
「事故電流を検出し遮断することにより、延焼し火災が広がっていくという
ことはないと考えています。」は評価としては甘過ぎる。

 なお、柏崎市の質問「難燃性だからという説明は、大量の煙を発生させ、
消防の出動を引き起こした今回の事象を鑑みるとき、安全をも安心をも担保
するものではないと考えるが、いかがか。」については「現状では、ケー
ブルに難燃性のものを使用することで、火災の広がりを抑えるという対応を
しております。
 しかし、ケーブルが「難燃性であるから、必ずしも火災が発生しない」と
いうわけではありませんので、火災の発生を未然に防ぐため、今回の火災に
対する原因究明と対策を実施していきます。」との答えに留まり、事故電流
検出で自己消火できるとの現状認識との乖離が見られる。

4.通報体制

 毎度のことだが今回も通報遅れが発生している。
 第一報において行政機関と報道機関への一斉FAX通報に問題が生じ、
一部に送られていなかった。「当番者が、火災発生時の対応フローの記載事
項を見落としたことによって、新潟県、柏崎市、刈羽村及び発電所運転検査
官他へのFAXが未送信となりました」という。
 これは7月にFAX機の宛先データ設定の更新作業を行った際に、誤って
設定したことが原因というが、宛先設定後のテスト送信も行っていないうえ
今回のFAXが適切に送信されたことを確認してさえいなかったという。
 やはり東電の体質、姿勢が問われなければならない。

5.非常用電源のケーブル焼損を深刻に捉えない

 今回は大規模火災にはならなかったから、難燃性ケーブルが防火対策にお
いて有効性が確認されたと言えるだろうか。
 洞道内のケーブルの配置を見ると、同じケーブル支持金具に5、6、7号
機向けの6900ボルトの回線が並んで敷設されている。そのうちの7号機用三
相線の内の2本が燃えた。5、6号機用ケーブルも巻き込んでいたら、単一
故障で2基以上の原発が危険にさらされる想定外の事態になる。

 また、東電の「事故電流を検出し遮断することにより、延焼し火災が広
がっていくということはないと考えています。」との柏崎市への回答には、
目を疑う。
 このケーブルは非常用だから、遮断して火を消したことで非常用電源を
喪失したことになる。それを「対策だ」と言われても困る。
 すなわち、非常用電源の喪失事故として東電が事故を深刻に捉えていない
ことを示している。
 これでは、柏崎刈羽原発が福島第一原発事故の教訓を生かして電源系統の
強靱化を図ったなどとは主張できないことを指摘する。 (了)

 (2018.12.16発行「脱原発東電株主運動ニュース」
  No279より了承を得て転載)


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by kuroki_kazuya | 2018-12-22 06:15 | 核 原子力 | Comments(0)