スキーにはまっています。


by 幸田 晋

安倍政権の原発輸出政策は破綻した

安倍政権の原発輸出政策は破綻した
- (その2)(3回の連載)
  
日立の英国原発凍結の理由は
建設費の高騰

巨額の損失を招く原発
-今後は日本の原発再稼働阻止がカギ
 
山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3566】
2019年2月1日(金)午後 08:50
地震と原発事故情報
より一部

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┗■1.茨城へビラまきに行こう-東海第二原発再稼働のための工事反対
 |  茨城の5市1村の人々に連帯し応援する活動
 | 東海第二原発(110万kw)は東京圏の人々の問題だ
 └──── 柳田 真(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)

◎1月30日(火)の「再稼働阻止全国ネットワーク」拡大事務局会議は良い
打ち合わせ会議であった。東京圏(18名)と全国各地から-とくに老朽原発
の地-の参加があった。
   (北海道、青森、福島、茨城、静岡、岐阜、関西、愛媛)
 関西のすぐれた活動=アメーバ行動(ハンドマイクと旗とビラを持っての
情宣行動)の数年の蓄積と効果を学んで、東京圏の私たちも茨城へ東海第二原
発再稼働反対のビラまきに行こう-日本原電による東海第二原発再稼働の
ための工事反対!を軸に-茨城の人々-とくに5市1村の人々の活動に
連帯し、応援しよう。
 日本原電の東海第二原発(東海村にあり、沸騰水型110万kw)の20年運転
延長=再稼働反対!

◎この提案について、参加者の多くから賛同し、補強する意見が続いた。
福島から、千葉から、東京圏から、反原発自治体議員・市民連盟から、賛同
の発言が出された。
 司会から「まとめ」として「全国相談会に提起したい」とされ、了承
された。

◎2018年11月27日の「東海第二原発20年運転延長反対」で東京圏の運動は
大きく盛り上がった(2018年10/20日本教育会館での800名弱の決起集会、
2018年10/26や11/27の日本原電本店包囲「人間の鎖」やデモ、署名6万筆
以上)。
 その後、2018年12月から2019年1月は体制の再整備中だ。
 それでも1月9日の日本原電本店抗議行動(新年第1回)は95人の参加で
意気が上がった。(同日の東電本店合同抗議は90人の参加)
 東海第二原発に反対するエネルギーは高い。20年運転延長=再稼働の
ための工事反対!のおおまかなスローガンの下、茨城現地と連帯し、
2019年を正念場と位置付け、全力で闘おう。
 老朽で被災原発である東海第二原発がもし再稼働したら(2021年3月工事
終了予定-日本原電の計画)、事故は必至だ。
 地震・火山の噴火も迫る。東京圏を死の灰=放射能だらけのまちにしな
いために、私たちと子ども・孫の未来のためにも闘おう。


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┗■2.2/6(水)福島原発被害東京訴訟第2陣(東京地裁103号)へ傍聴応援を
 |  当事者が現実の被害を訴える声こそが、困難を打ち破る
 | 1/19げんげんれん日比谷決起集会の報告
 └──── 鴨下祐也(福島原発被害東京訴訟原告団団長、
原発被害者訴訟原告団全国連絡会
[げんげんれん]共同代表)

 1月19日、日比谷コンベンションホールにて、原発被害者訴訟原告団全国
連絡会(通称:げんげんれん)の総会・決起集会が行われました。
 全国で約30の原発事故賠償の集団訴訟が起きている中で、21訴訟団が
繋がっている原告団全国連絡会。関わる原告は13,000人にも及びます。
 2016年2月13日の結成以来、3年目となった今年の決起集会には、14の
訴訟団から50人の原告代表らが参加し、それを支援する100名を越す弁護士・
支援者の皆さまと共に、未だ救済されない被害の数々を熱く訴えました。
 更に夕方からは街に繰り出し、有楽町マリオン前で街頭アピール。
原告の女性達が次々とマイクを握り、訴える切実な声に、多くの方が
足を止め、チラシを受け取ってくださいました。

 原発事故被害者の戦いは、公害・薬害訴訟に酷似した側面を持ちながら、
更に背後に強大な国際原発ロビーや核保有国が存在する点で、一層困難な
裁判であると言われています。
 しかし、当事者が現実の被害を訴える声こそが、その困難を打ち破る
ものだと信じ、私たち原告は今日も闘い続けています。その勇気を与えて
くださっているのが、皆さまの温かい応援です。

 今年は、2月20日に、かながわ訴訟(横浜地裁)、3月14日に千葉
訴訟(2陣)(千葉地裁)、3月26日には愛媛訴訟(松山地裁)の判決が
下されます。
 又、既に闘いの場が高裁へ移っている群馬(東京高裁)、生業(仙台
高裁)、千葉(1陣)(東京高裁)、京都(大阪高裁)の動きにも注目
です。
 なお、2月6日(水)10時30分からは、福島原発被害東京訴訟第2陣の
期日が103号法廷で開かれます。
いつも傍聴者がギリギリで、傍聴券配布になれない東京訴訟ですが、
どうかもうひとまわり大きな応援を、よろしくお願いいたします。


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┗■3.安倍政権の原発輸出政策は破綻した- (その2)(3回の連載)
 |  日立の英国原発凍結の理由は建設費の高騰
 | 巨額の損失を招く原発-今後は日本の原発再稼働阻止がカギ
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)

1.中西経団連会長の原発撤退発言 … 1/30掲載ずみ。
2.日立の英国原発凍結の理由は建設費の高騰 … (その2)
3.安倍政権の原発輸出政策は破綻した  … (その3)
4.九州電力、玄海原発2号機が廃炉


2.日立の英国原発凍結の理由は建設費の高騰

◎ 英国で建設が予定されているのはABWR2基、合計290万キロワット
で柏崎刈羽原発6、7号機や浜岡原発5号機、島根原発3号機と同型とさ
れる。
 しかし建設費用はとんでもなく高い。柏崎刈羽原発6号機が約4180億円、
最新の島根原発3号機が約4240億円に対し、ウィルファ原発は二基で3兆
円、3倍以上だ。
 実際は、これさえ過小で、欧州委員会は4.2兆円と見積もっていると
いう。本当に日本のABWRなのか、疑問が湧く。安全対策の設計が異
なるのかもしれない。
 報道では、建設出資金を日本政府・日本企業、日立、英政府・英国企業
のそれぞれが3000億円ずつ出資し、残りの2兆円あまりを英政府や英国の
政府系機関が融資するという枠組みだったという。

◎ 日本とは異なり、英国では新しく原発を建設する際、メーカーは電力
会社に一括で建設費用を請求するわけではない。
 電力会社は発電した電気料金で建設費を支払うが、その間はメーカーの
「立て替え」になる。言うならば、日立が発注した原発を日立が建設し、
費用は電気料金で回収する。
 英国では発電所ごとの買取価格が設定され、原発は発電を開始してから
35年間、買取価格が保証される。再生可能エネルギーが15年だから、優遇
されている。
 その上で、設定された買取価格が電力市場価格を下回る場合、発電
事業者が差額を調整機関に支払い、逆に市場価格を買取価格が上回る
場合、その差額は調整機関が発電事業者に対して補填を行うが、財源は
「供給者義務」を通じて小売から回収される。最終的には電力料金に
上乗せされて回収されるので、消費者負担となる。

◎ 赤字にならないためには、一定の額以上で電気が売れなければなら
ない。それを日立は「メガワットあたり92.5ポンド」と見積もっていた。
 そのため日立は、交渉時の価格92.5ポンド/メガワットアワー(13688
円・日本風に直せば13.7円/キロワットアワーに相当)で買い取るよう
英国政府に求めていた。これは現在の市場価格約50ポンドの2倍ちかく
にもなる。
 競争相手の再生可能エネルギーは、英国の場合、洋上風力発電だが、
2013~2015年度に140ポンドだったものが2017年では60ポンドまで下がっ
ている。
 既に原発を追い越している。再生可能エネルギーは今後も下がる一方
なのに、原発は逆に上振れすると考えられるから、競争力はない。

◎ 日立は損失を出した場合の被害を小さくしようと、子会社への出資
比率を下げたがっている。年明け早々に中西経団連会長とメイ首相が
会談したのは英国政府に出資比率を高めることを求めるためだった。
 しかし既に3000億円の出資を予定している政府も、EU離脱問題を抱え
大混乱に陥っている時に、出資拡大どころではない。政権の窮地に、
そんな交渉を持ってこられても、まとまるはずがなかった。

◎ 2018年5月8日にメイ首相は英国政府が日立に対し、金融機関からの
借入金に対し債務保証を行うことを伝えたと報じられている。これで国策
原発のリスクが英国民に転嫁された。そのうえ、日本政府100%出資の国際
協力銀行(JBIC)および日本貿易保険(NEXI)による融資と
保証も検討されていた。これはリスクを日本国民の負担へと転嫁するもの
であった。
 メーカーとしてはリスクの全てを日英政府にかぶせたつもりだったが、
そのような意図は見え透いていた。

◎ 世界でも早い時期から原発を推進してきた英国は、核燃料サイクル・
再処理事業も進めていた。
 しかし現在では再処理工場も閉鎖し、原発は老朽化に伴い停止し続けて
いる。
 今では15基の原発で、880万キロワットの設備容量しかない。ちなみに
日本は柏崎刈羽原発7基だけで821万キロワット。再稼働した9基で913万
キロワットだ。
 15基中、炭酸ガス冷却炉が14基、加圧水型軽水炉が1基、118.8万キロ
ワットである。このままいけば2035年には最新の原発が止まり、
脱原発国になる。  (その3)に続く

 月刊「たんぽぽニュース」(たんぽぽ舎発行)2019年1月号No277より転載


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by kuroki_kazuya | 2019-02-02 06:15 | 核 原子力