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by 幸田 晋

種子条例 地方の声は届くのか

種子条例 

地方の声は届くのか


東京新聞 【社説】 2019年2月18日より一部

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021802000131.html

 コメや麦の優良な種子の開発と安定供給を義務付けた、種子法の廃止から十カ月。それに代わる自治体独自の「種子条例」の制定が相次いでいる。「種を守ろう」-。地方の声は政府に届くのか。 

 地方の危機感が増している。農業の持続可能性への危機感だ。

 新潟、富山、兵庫、山形、埼玉各県が、種子法に代わる新たな条例をすでに制定済み。岐阜、長野、福井、宮崎、そして北海道も新年度の施行を目指している。

 “農業王国”北海道は、イネ、麦、大豆にとどまらず、小豆やインゲンマメなど道の主力作物にも対象を拡大し、優良な種子の安定供給を、自らに義務付ける方針だ。長野県は「信州の伝統野菜」や特産のソバを対象にするという。

 種を守るということは、食文化を守るということだから。

 昨年秋、全国一の種もみ生産県富山から新しい銘柄米がデビューした。一般公募で名付けて「富富富(ふふふ)」。富山県農業研究所が十五年がかりで開発した“労作”だ。高温や病気に強く、倒れにくい、いわば温暖化対策品種でもある。

 イネも麦も生き物だ。気候風土がはぐくむものだ。種子の開発は、生育環境に配慮して地域ごとに進めていくのが望ましい。

 ましてや温暖化に伴う異常気象の影響が世界中で顕著になっている。例えば温暖化に強い新品種の開発を競う自治体の取り組みを、国として強力に後押しすべき局面だ。種子法廃止は、逆行というしかない。

・・・(後略)
by kuroki_kazuya | 2019-02-19 06:25 | 学ぶ