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by 幸田 晋

安倍首相「家から通えるイージス・アショア」答弁の無知と詭弁と恐ろしさ

安倍首相

「家から通えるイージス・アショア」答弁の

無知と
詭弁と恐ろしさ


2/18(月) 8:33配信より一部

HARBOR BUSINESS Online

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190218-00186051-hbolz-soci

◆「家から通えるイージス・アショア」

 2月12日の通常国会衆院予算会議で、国民民主党所属の泉健太代議士が要約すると次のような質問を行いました。

“イージスアショアは、秋田と萩に固定式である。真っ先に狙われるのではないか。(略)イージス・アショアは2基で2404億円、運用費は4389億円。来年度イージス艦は8隻に増え高額のアショアじゃなく、イージス艦のミサイルを増やせば良いだけである”

 これに対し、首相である安倍晋三氏は次のような答弁を行いました。

“陸上に配備されている利点については、先程岩屋大臣から答弁をさせていただいたわけでございます。

 いわば、あの、えー、船であればですね、出港して行って、その間はずっと洋上にいるということになってですね。その中でローテーションしていくわけでございますが、陸であればですね、まさに、いわば、陸上においての勤務となるわけでございます。それについては、これは大きな差なんですよ。全然ご存じないかもしれませんがね、あの、いわばずっと外に出ている、えっと、一ヶ月間とか出ているということですね。あのいわば、これは自分の自宅から通えるわけですから、近くに勤務があればですね、それは全然勤務状況としては違うんですよ。そういうことも考えていかなければならないんだろうと、こう思いますよ。

・・・(途中略)

 私は、この答弁を耳にしたとき、軍務・自衛隊勤務経験無し、国産軍需企業で勤続3年の人物の言葉かと吹き出してしまいました。

 まず、安倍晋三氏は、イージス・アショアの本質的脆弱性である固定基地且つ地上露出であることについて回答していません。

 連載第4回、第5回で指摘したように、萩・秋田のイージス・アショアは日本国内の防衛にはほぼ役に立ちません。これは、主要標的都市と弾道ミサイル想定射点を結ぶ軸線から大きく離れており、弾道弾に対して側方迎撃(横からの迎撃)となるためです。従って、シミュレーションで迎撃弾は「届く」でしょうが、「迎撃成功」する可能性は著しく低くなります。これは「カタログスペック」には現れない常識です。にもかかわらず、萩と秋田市への配備に固執するのは、萩市がグァムの、秋田市がハワイの弾道弾防衛に最適の地点であるからです。

・・・(途中略)

 さて、洋上イージスMDより安いという嘘っぱちで始まったイージス・アショア日本配備ですが、すでにMDイージス艦のユニット価格を遙かに上回る代物と化しています。しかも、同じお金を使って、イージス艦は、艦隊防空、対潜攻撃、対艦攻撃、対地攻撃、平時の警備活動、災害時の救援活動、海上救難ほか、様々な事に活用されます。旧式化すれば改装して別種の兵器とすることも出来ます。

 イージス・アショアは、動くことは出来ず、先制核攻撃の標的となり、日本の防空には、せいぜい早期警戒レーダーとしてしか役に立ちませんが、その他のことには何も使えません。ただ、税金を消費し、電気を消費し、ウンコとゴミを排出するだけです。

・・・(途中略)

 特にロシアはイージス・アショアを名指しでINF条約違反と批判してきました。INF条約が合衆国の都合で失効した今となっては、イージス・アショア配備国は対露INF配備国としてロシアによる徹底した対抗措置をとられることになります。具体的には対日戦略核の本格配備が再びあり得るということです。

 軍拡競争は周辺国も巻き込みます。ロシアがイージス・アショアをINF条約違反と見なしてきた以上、中国も萩のイージス・アショアをINFと見なすことになり得ます。

 結果として、イージス・アショアは、対日戦略核の撒き餌になるという最悪の結果をもたらしかねません。

 軍備というものは、カタログスペックだけでは語れません。兵器のカタログスペックは刺身の上のタンポポのようなものです。軍備を何の目的で、どのようにどの程度の規模で整備するかと言うことは、外交、経済、財政、と四位一体で語られねばならないことです。

 ホビー軍事アナリストが陥りがちなカタログ談義、軍備のみしか視野にない思考は全く無意味です。日本では政治家や防衛官僚もそういった素人の落とし穴にはまりやすく、実際に旧帝国の軍備はカタログスペックだけ立派なガラクタ揃いでしたし、自衛隊も弾なし、燃料なし、携帯応急医療品なし、被服すら満足になく隊舎糧食まで貧相で隊員なしのカタログ自衛隊(かかし軍隊)に陥りつつあります。

 軍備は官僚や政治業者、ホビー軍事アナリストの玩具ではありません。限られた予算の中で熟慮熟議によって最大効率で整備するものです。イージス・アショア日本配備は、本来あるべき日本の防衛装備の姿から著しく乖離した最悪の代物であると断ずるほかありません。
by kuroki_kazuya | 2019-02-19 06:35 | 対米 従属 | Comments(0)