いよいよ打つ手がなくなった安倍外交
2019年 03月 05日
是非、「天木 直人の公式ブログ」へ
お出で頂きたい。と、思います。<<KK>>
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いよいよ打つ手がなくなった
安倍外交
「天木 直人の公式ブログ」
2019年3月4日より転載
きょう発売の週刊ポスト最新号(3月15日号)に、「この国の中枢で何が起きているのかー政治部記者覆面座談会」という特集記事がある。
この手の覆面座談会は無責任なものと思われがちだが、必ずしもそうではない。
読み手の判断力が正しければ、その真贋を見極めることができる。
今回はフリージャーナリスト武富徹氏の編集だ。
「権力者たちの本当の姿も、国民生活の将来さえ、新聞報道からは本当のことは何一つ伝わってこない。長期政権とは、かくもメディアを麻痺させるものか。ならば一度何もかも引っぺがして、国民の前に忖度のない政治のありのままをさらしてみようではないか」
そういう前書きで始まる今回の覆面座談会はかなり真実に迫っている。
少なくとも安倍外交に関しては私はそう判断する。
その安倍外交について、こう書かれている。
安倍首相の北方領土交渉への熱意は、1月の日ロ首脳交渉以後、目に見えてしぼんでいると。
そのかわり、日朝首脳会談が急浮上していると。
笑ってしまうのは、その理由だ。
今井秘書官ら官邸側近が心配しているのは、日ロの6月基本合意がむつかしくなってきたことで、安倍総理が精神的に折れてしまわないかということだというのだ。
だから、「ロシアがダメでも北朝鮮があります」とおぜん立てして安倍首相のモチベーションを何とか維持させたいというのだ。
なんと情けない安倍首相であることか。
まるで赤ん坊だ。
見ているがいい。これからの新聞の紙面は、日ロ関係より日朝関係の記事が増えてくる、そう座談会の覆面記者たちは語っている。
しかもである。
それは国民の目をロシアから北朝鮮に向けさせるという面もあるが、情報を流す官邸側にすれば、「国民が期待しています」と安倍首相の士気を鼓舞したいという目的が大きいというのだ。
これが「外交の安倍」の一面の真実であると武富徹の週刊ポストの記事は書いているのだ。
私もそう思う。
安倍外交は、官邸官僚たちに振りつけられた赤ちゃん外交なのだ。
トランプ、プーチン、習近平、金正恩、文在寅が凌ぎ合う首脳外交に入れてもらえないはずである(了)
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米朝首脳会談後の対応をめぐる
日韓両国のかくも大きな違い
「天木 直人の公式ブログ」
2019年3月4日より転載
きょうは新聞休刊日だから週末の動きを報じる新聞はスポーツ紙しかない。
しかし、スポーツ紙でもその気になれば重要な記事を見つける事が出来る。
きょう3月4日の日刊スポーツが書いていた。
きのう3日、北朝鮮の朝鮮中央通信は金正恩朝鮮労働党委員長がベトナム訪問の結果に「満足の意」を示したと伝えたと。
もちろん、これは米朝首脳会談の後に行われたベトナム公式訪問の成功と、その成功の為に尽力してくれたベトナム政府に対する謝礼のメッセージだ。
しかし、米朝会談が本当に決裂していたなら、こんな外交辞令を発表する余裕はないはずだ。
はたしてトランプ・金正恩会談の本当のところはどうだったのか。
これについて、韓国大統領府の金宜謙報道官が3日の記者会見でこう語ったという。
「実際にどのような対話がなされ、どこで話がもつれたのか、状況を再構成しなければならない。囲碁で言えば『感想戦』をしなければいけない段階だ」と。
韓国は日本よりはるかに情報を持っているはずだ。
その韓国が、今度の米朝首脳会談の不合意について、その理由が分からないといって、これから十分な検証が必要だと言っているのだ。
それほど想定外だったということだ。
そして日刊スポーツのその記事は、その後で、韓国内では早期に文在寅大統領が仲介役に乗り出す事への期待が高まっていると報じている。
ひるがえって日本はどうか。
最後まで蚊帳の外に置かれ、まともな情報もないくせに、今朝の報道でも、まるで当事者のように記者や専門家が勝手な事を断言的に言っている。
北朝鮮は読み間違えた、今後北朝鮮は厳しい状況に置かれる、次の米朝首脳会談は遠のいた、などなど。
下手な合意をされなくて日本はよかったと喜んでいる。
安倍首相に至っては、トランプがダメなら次は私が金正恩委員長とする番だと張り切っている。
ここまでくれば笑い話だ。
そんな暇があれば、まもなくトランプから要求される貿易問題の無理難題に対する対抗策の一つでも考えておけ、という話である(了)
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