スキーにはまっています。


by 幸田 晋

「1740億円が一気に倍近い3000億円に膨れ上がった」

「1740億円が
一気に倍近い3000億円に膨れ上がった」
  
「再稼働時期は2023年1月を想定」
1年10ヶ月も先送り
    
「東海第二原発の再稼働の鍵を握るのは東京電力」
      
東京電力は巨額の賠償責任を負う会社
         
山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3592】
2019年3月5日(火)午後 09:27
地震と原発事故情報
より一部

┏┓ 
┗■1.「1740億円が一気に倍近い3000億円に膨れ上がった」
 |  「再稼働時期は2023年1月を想定」1年10ヶ月も先送り
 |  「東海第二原発の再稼働の鍵を握るのは東京電力」
 |  東京電力は巨額の賠償責任を負う会社
 |  その東電が原発の再稼働に巨額の資金提供をするなど
 |  許されるはずがない
 |  東海第二原発は日本でも最悪の軟弱地盤に建つ原発
 |  3/2朝日新聞「東電、東海第二原発に支援1900億円」について
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)

◎ 3月2日のメールマガジン【TMM:No3590】で紹介された朝日新聞の
記事には図がある。それによると、合計約3000億円の「安全対策費用」
は、「安全対策工事費」とされ、再稼働の前後で資金支援の構造が変化
する。
 いずれも資金の出所は大半が銀行、再稼働前は約960億円を東京電力が
融資を受けて支援する。一方、東北電力は自己資金240億円を出資する
ようだ。
 再稼働後には、銀行からの1800億円の融資を受けるとしているが、その
債務保証を東京電力が960億円、東北電力が240億円、関西、中部、北陸が
合わせて600億円で行うとされている。
 東海第二原発とは関係のないはずの関西などが並ぶのはおかしい。
受電率を元にしても東海第二原発では話がおかしい。敦賀原発2号機も
含んだ割合か。

◎ そもそも1740億円が一気に倍近い3000億円に膨れ上がった。
 はっきりはしないが、一つは後に緊急時対策所も入る「特定重大事故対
処施設」の建設の建設費用が、これまで審査もしていないので計上されて
こなかったことと、辺野古新基地建設問題で明らかになった軟弱地盤対策へ
の莫大な費用発生と同様、東海第二原発の地盤の悪さから、防潮堤の工事に
巨額の費用が追加でかかってくることが理由ではないかと思われる。

◎ 東海第二原発は、日本でも最悪の軟弱地盤に建つ原発であることは
有名だ。
 例えば「Vs=700m/s」(水平動の地震波が秒速700mで走る程度の固さ
の地盤のこと。軟弱になれば遅くなり、もっと堅くなれば早くなること
から地盤強度の目安とされる)の基準地震動Ssを設定する解放基盤表面の
位置が、地表から370m下で全原発で最も低い。
 他に低いのは柏崎刈羽原発の290m、福島第一原発の209m、福島第二
原発の180m。他に三桁に達するものはない。最弱の地盤に立っているのが
東海第二原発だ。

◎ 再稼働の前後で資金調達の方式を変えているのは、金融機関との関係
と思われる。
 銀行は再稼働前つまり利益が出るかどうか分からないうちに原電に融資
を行なわない。債務保証さえも受け入れなかった。そのため東電が融資を
受けて原電に回す「迂回融資」の手段をとった。
 融資額が信用供与の限度を遙かに超え、金融機関は融資できないのに、
東京電力が代わって融資を受けているのだから「迂回融資」だろう。
 3000億円の内1900億円を負担する東京電力は、融資と債務保証を共に
約束しているとされるが、再稼働できなければこれだけ負債を抱えること
になる。被災者はもちろん、株主などに対する説明責任も果たさずに決定
することは許されることではない。

 もっとも、現在東京電力自身が、実質国有化され債務を国の交付国債で
肩代わりしていることから、国が認めれば無茶な融資も出来ると考えたの
かも知れない。
 しかしながら、それならばなおさら、国民つまり国会での質疑を経なけ
ればならない。

◎ 2月21日に村松日本原電社長が「再稼働表明」をおこなったことから
考えると、この直前に支援計画がまとめられたと思われるが、おそらく
背後では経産省が調整をおこなっていたと思う。
 この朝日新聞のスクープも、地元の6市村に対し牽制する意味で経産省
がリークしたのだろうか。
 東海村の山田村長は2月28日の日本原電社長との会合の後に「再稼働
表明は唐突感がある。不意打ちを食らった感じがする。原電が一方的に
進んでいるイメージが強い」と述べたと報じられた。
 このことからも地元との合意など後回しにしても何としても再稼働を
推進する姿勢を見せなければならない事情があった。

◎ 「再稼働時期は2023年1月を想定」と、これまでよりも1年10ヶ月も
先送りしている。運転期間が短くなり、回収できる利益も減る。それほど
防潮堤や「特定重大事故対処施設」などの安全対策工事や地元合意の形成
も時間がかかるということなのだろう。
 今から4年近くの間、再稼働を明確にしないままに融資を受け、電力
会社の債務保証を得ることは出来なかった。
 さらに、電気料金の前払いも東電以外の電力会社の株主同意を得られる
見通しは立たなかったと思われる。

◎ 東海第二原発の再稼働の鍵を握るのは東京電力

 東京電力は東海第二原発について次のように説明している。
 「東海第二発電所が電源の調達先として有望であることから、資金支援
の意向を表明した」「安全維持に関わる契約としては、プラントの安全
維持や再稼動、廃止措置いずれにも必要な最小限の費用等を当期の費用
計上額に応じてお支払するものであり、たとえば設備に係るコストは当期
の減価償却費に応じて」支払っているという。
 このことから、年間400億円程度の支払いは東海第二原発の減価償却費と
プラントの安全維持、廃止措置のために使う資金ということになる。これ
を前倒して支払うと、その後の設備維持費等に支障を来すこととなる。

◎ 東京電力は、「東海第二発電所の新規制基準適合性に係る工事の所要
資金のうち、貴社の自己資金を超える分について、東京電力エナジーパー
トナーの受電比率相当分を上限に、今後貴社から十分な説明および情報の
提示がなされることを前提として工事計画認可取得後に資金支援を行う
意向があることを表明」した。
 東海第二原発の受電率は80%、20%が東北電力だ。
 東電の小早川社長は2017年6月から日本原電の社外取締役でもある。
 東海第二原発は経産省と東京電力によると「自社電源と同等」との
立場である。この関係を終了させるためには、東京電力と日本原電の
契約を終了させればよい。

◎ 東京電力は巨額の賠償責任を負う会社だ。柏崎刈羽原発を含め、原発
に巨額の資金を投じ続け、一方で被災者への賠償責任を果たそうとしてい
ないことが国会でも問題とされ、政府もADRの和解を拒否する東京電力
について「個別の事情をよく聞いて誠実に対応し、和解に至るよう努力す
べきだ。そのように指導していく」と世耕弘成経産相が答弁せざるを得
ない状況である。
 そんな会社が原発の再稼働に巨額の資金提供をするなど許されるはずが
ないのである。

※3/2メールマガジン【TMM:No3590】で柳田真さん既報


┏┓ 
┗■2.「真実をねつ造したのは歴史修正主義者たちだった
 |  私は理不尽なバッシングに負けなかった」
 | 2/28植村隆さんの学習会に参加して
 └──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)

◎ 植村隆さんは1991年、「朝日新聞」大阪本社版に韓国人元「慰安婦」
に関する記事を書きました。この記事をめぐり、右派メディアを舞台に元
東京基督教大学教授の西岡力氏や国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ
氏から「捏造」という誹謗中傷を繰り返しうけ、2014年から激しい
バッシングを受けました。そして、彼の人生が大きく変わりました。
 就職が決まっていた女子大への攻撃が相次ぎ、結局、転職を断念せざる
を得なくなりました。娘を「殺す」という脅迫状まで届きました。

◎ 絶望的な状況の中、この植村バッシングを最初に詳しく伝えてくれた
のは、「週刊金曜日」でした。その後の法廷でも、西岡氏や櫻井氏が
植村氏を捏造としていた根拠をでっちあげていたことを詳しく報じて
います。
 札幌地裁の審理では、櫻井氏が彼女の月刊「WiLL」などの記事に間違い
があったことを認めました。
 しかし、札幌地裁は「真実と異なる記事を書いても、それについて相当
の理由があれば、その過失は否定される」などとして、原告植村氏の請求
を棄却しました。

◎ 植村バッシングは朝日新聞バッシングと重なって増幅されたと思い
ます。2014年は朝日新聞が2つの吉田調書問題でバッシングされました。
福島第一原発事故に関わるフクイチ撤退問題では、海渡弁護士と河合
弁護士が、朝日新聞「吉田調書報道」は誤報ではない、という本を書き
ました。
 慰安婦に関わる吉田調書については、のちに朝日新聞の釈明記事が出
ました。他社の反応はこの機会を利用して、反日のレッテルを張り、
ネット右翼やヘイトスピーチ団体が大騒ぎして、朝日新聞を窮地に追い
込めました。

◎ 植村さんが書いた1991年朝日新聞大阪本社版記事は、キム・ハクスン
さんが慰安婦だったとはじめて告白したという事実を述べた記事でした。
その記事が23年も経てからバッシングされたのです。まったくありえない
話しですが、でたらめを言っても検証も確認もせず、ただ朝日新聞的な
ものをバッシングして喜ぶという、ゆがんだ大衆心理が日本を覆っている
と思います。
 植村さんの娘さんを殺す、自殺に追い込めというヘイトスピーチを
ツイッターで繰り返したネット右翼は、裁判で170万円払えという判決
が出て、「何の根拠もないが、調子に乗って書いた」ことを認めた
そうです。

◎ 毎日このようなデタラメなツイッターがあふれています。他人を死ぬ
ほど苦しめることで満足するというストレス解消の手段のようです。
 学校のいじめも同じ性格を持っていると思います。他人をいじめないと
やりきれない不幸な人々がそれほど多いのだと思います。
 札幌地裁の判決は、「櫻井よし子が信じても仕方がない理由があった」
というとんでもない判決でした。
 これは、櫻井氏が安倍首相とテレビで新春会談を繰り返している
「同志」だからと思われます。この人たちが政界、経済界、マスコミを
支配しているからデタラメがまかり通っているのだと思います。
 それに対し、「植村裁判を支える市民の会」やジャーナリスト仲間、
弁護士の方々等多くの人々が植村さんを応援しています。
 この支援の輪を広げヘイトの声を小さくすることが重要だと思います。


┏┓ 
┗■3.3/2(土)1300人が抗議の拳 オール沖縄会議の県民大行動
 |  キャンプシュワブゲート前 辺野古新基地建設反対訴える
 |  3/2辺野古レポート
 └──── 千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア、在沖縄)

3月2日(土) 天候:晴れ、風がなく非常に暑い(日中約25度C)、
午前中は海が穏やか。

<N4護岸工事>
朝から午前10時30分まで監視活動したが、全く動きはなかった。
 しかし、カヌーメンバーは5名、抗議船のマイクを持ち辺野古新
基地を建設する不合理や県民投票の話、環境に与える影響などなど思いを
語った。
 急にお願いしたのにメンバーはそれなりの言葉で真剣に話をしていた。
今後もこのようなことをやりたいと思う。
 私もメンバーにお願いした立場なのでマイクを持ち作業員、海上保安
官などに話しかけ、辺野古/大浦湾の豊かな海を訴えた。

<K9護岸>
 午前9時30分:N4護岸に全く動きがないので私ともう1人で抗議船に
乗りK9護岸を見に行った。
 他のカヌーメンバーは久しぶりで辺野古の海に出た人が多いので平島や
平島の周りを散策してもらった。朝の報告ではランプウェイ台船に赤土が
半分ぐらい残っているという報告だったが、現場へ行ってみるとまだ半分
ぐらい残っている。
 平島に戻り待機してるメンバーと相談し午後の行動を決めた。今までの
経験からするとあと少なくても3時間はかかる。台船の入れ替えは早くて
14時30分頃である。「早弁をし、阻止行動に向かう」という意見もあった
が、大勢は「今日は午前中で切り上げゲート前の“土曜行動”に出たい」
と言うものであり、そのように決定した。

<キャンプシュワブゲート前土曜集会>
県民投票後、最初の土曜集会であったのでかなりの盛り上がりが
あった。カヌーチームも陸に上がり、すぐウェットスーツ+ライフジャ
ケットのまま集会に駆けつけた。すごく目立っていた。
 国会議員も3名出席、国会での首相に対しての質問等、興味ある話が
聞けた。参加人数は1300名とのことである。

※3/2「キャンプシュワブゲート前土曜集会」の動画はこちらを
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/443733
※1300人が抗議の拳 シュワブゲート前で県民大行動
 新基地建設反対訴える 3月2日「琉球新報」
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-883156.html


*****
by kuroki_kazuya | 2019-03-06 06:15 | 核 原子力