スキーにはまっています。


by 幸田 晋

日本には化学物質から子どもを守る役所がない!

日本には
化学物質から子どもを守る役所がない!
  
「どうする化学物質の管理:環境ホルモンがもたらす
危険性から考える」
  
3/14新ちょぼゼミ第23回
(講師:中下裕子弁護士)に
        
冨塚元夫 (たんぽぽ舎ボランティア)


たんぽぽ舎です。【TMM:No3605】
2019年3月19日(火)午後 06:33
地震と原発事故情報
より一部

┏┓ 
┗■1.サクラ調査第16回(最終回)のご案内
 |  「原発から排出される放射性気体廃棄物の
 |  生態系への影響を調べる」
 └──── 山田昌郎(たんぽぽ舎「サクラ調査ネットワーク」)

 今年もサクラの開花の季節となりました。
 たんぽぽ舎では,原発から排出される放射性気体廃棄物の生態系への
影響を調べるため,2004年から毎年サクラ調査を実施し,今回で16回目と
なりました。
 2011年の原発事故までと,2012年から今回までの調査回数が各8回と
なりますので,一つの区切りとして,今回を最終回といたします。

 サクラ調査の内容は,サクラ(ソメイヨシノ)1本当たり約1000個の
花の花弁とガクの数と形状や雄しべの花弁化などを記録するものです。

 毎年の調査結果は「報告集」として,たんぽぽ舎のホームページで
公開しています。
 今回、最終回の調査にご協力いただける方は,過去の報告集をご参照
いただき調査の上,結果をたんぽぽ舎までメール等でお寄せください。
 以上,ご案内申し上げます。

たんぽぽ舎のホームページ https://www.tanpoposya.com/


┏┓ 
┗■2.日本には化学物質から子どもを守る役所がない!
 |  「どうする化学物質の管理:環境ホルモンがもたらす
 | 危険性から考える」
 |  3/14新ちょぼゼミ第23回(講師:中下裕子弁護士)に
 |  参加してわかったこと  (その1)(2回の連載)
 └──── 冨塚元夫 (たんぽぽ舎ボランティア)

はじめに
 「環境ホルモン」という言葉はいま、多くの人々の関心外になりました
が、実は問題が深刻化しています。
 EUでは、きびしい規制が始まっているにもかかわらず、日本では規制
が大幅に立ち後れているからです。
 その理由と現状の説明のため、報告文が長くなってしまいました。
 2回に分けて、掲載します。

報告文の目次紹介

1.化学物質管理に係る日本の現行法制度の現状と課題
2.野生生物の異変
3.世界で進む科学的研究
4.人間の生殖にも影響が現れ始めた
  以上を(その1)に掲載

  以下は(その2)に掲載
5.内分泌系だけでなく神経系や免疫系にも影響
6.環境ホルモンはなぜ日本では空騒ぎになったのか
7.安全な量は決められないので、EUでは使用禁止に
8.胎児期の環境が成人後の病気の要因に
9.人の血液や尿から検出された環境ホルモン
10. 身の回りの環境ホルモン


1.化学物質管理に係る日本の現行法制度の現状と課題

 省庁縦割りで、企画中枢部門がない。縦割り行政の「すき間」の例とし
て白アリ駆除剤がある。
 農薬取締法(農水省)は農薬について規制するが、家庭用の殺虫剤等は
適用対象外。薬事法(厚労省)は人の健康保護の観点から医薬品等につい
て規制するが、人の健康に影響を与えない白アリ駆除剤などは対象外。
 家庭用品規正法(厚労省)では白アリ駆除剤については指定されて
いない。建築基準法(国交省)クロルピリホスのみ使用禁止。他の薬剤は
使用可。
 クロルピリホス以外の有機リン系やネオニコチノイド剤の薬剤が使われ
るようになり、これらによるシックハウス被害が発生。

2.野生生物の異変

 環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)問題がクローズアップされた
きっかけは、野生生物に起きたさまざまな生殖異変でした。
 北米五大湖では鳥たちにメス化、卵のふ化率低下、メス同士のつがい
などが現れました、日本の海岸では、イボニシ(巻貝)のメスに輸精管・
ペニスが形成されるインポセックス(メスのオス化)が見られました。

 また米国フロリダのピューマのオスに停留精巣が増加していることが
わかっています。鳥や貝に見られた生殖異変は、野生の哺乳類にまで広
がっていたのです。
 しかもその影響は生殖機能だけにとどまらず、化学物質汚染が進んで
いる北海では、免疫力低下によるアザラシやイルカなど哺乳類の大量死が
起きました。

 原因として疑われたのは、生物のホルモンをかく乱する環境ホルモン
でした。
 私たちの日常生活は無数の化学物質によって囲まれており、その中の
多くが環境ホルモンです。
 1996年に米国コルボーン博士らが著した『奪われし未来』によって、
環境ホルモンは人類の生存をも脅かす大きな問題として世界に提起され
ました。
 野生生物も人類もホルモンが作用する仕組みはかなり共通しています。
野生生物で起きたことは、いつか人間にも起こる恐れがあるのです。

3.世界で進む科学的研究

 1990年代末に世論を騒がせた環境ホルモン。あれから20年、日本では
関心が薄れていますが、欧米ではますます研究が進展し、科学的証拠が
蓄積されています。
 目下、EU(欧州連合)では環境ホルモン規制が始まろうとして
います。
 2002年、WHO(世界保健機構)/IPCS(国際化学物質安全プロ
グラム)が環境ホルモン問題に関する総合的評価報告書を出し、10年後
にはWHO/UNEP(国連環境計画)がその後の科学的進展を精査した
報告書をまとめました。

 科学的に因果関係を完全に証明することは難しいのですが、野生生物に
起きた生殖異変と環境ホルモンとの関連はもはや疑いようがありません。
 化学物質には、たとえばDDT(有機塩素系殺虫剤)やPCB(ポリ
塩化ビフェニル)のように環境中で長い間分解されずに残留し続ける物質
もあります。
その様な物質が、植物連鎖を通じて生態系ピラミッド上位の生物に
高濃度に濃縮されます。生態系の頂点に位置する人間にもっとも大きな
影響を及ぼすのです。

4.人間の生殖にも影響が現れ始めた

 今日、世界のカップルを悩ませている「不妊症」と「不育症」。
 日本でもいまや7組に1組のカップルが不妊に悩んでいるといわれ、
私たち人間は子どもを作るために生殖補助医療の助けが必要になって
きました。
 日本産婦人科学会は、2012年に国内で約35万件の体外受精が行なわれ、
3万7,953人が生まれたと発表しています。

 最近注目されているのが、妊娠はしても流産や死産、早期新生児死亡を
繰り返す不育症です。
 さまざまな生殖異変で野生生物が個体数を減らしていることを考える
と、人間にも環境ホルモンの影響が現れている可能性があります。
 その要因の一例がプラスチックの原料として使われているビスフェ
ノールA(BPA)です。
 この15年の研究の蓄積により、BPAはマウスの卵細胞の成育を妨げ
たり、染色体を損傷させることが明らかになりました。
 人間にも「メス化」の兆しが現れています。その指標といわれる男児の
先天奇形には、尿道下裂や停留精巣があります。 (その2)に続く

講師:中下裕子弁護士
   NPO法人「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」代表、
   「グリーン連合」共同代表


┏┓ 
┗■3.柏崎刈羽原発差し止め訴訟『地震の揺れ想定不十分』
 | 原告側が指摘「長岡平野西縁断層帯」による地震に着目…他
 | メルマガ読者からの「新潟日報」情報2つ(抜粋)
 └──── 金子 通 (たんぽぽ舎会員)

 ◆柏崎刈羽原発差し止め訴訟『地震の揺れ想定不十分』原告側が指摘
  「長岡平野西縁断層帯」による地震に着目

 東京電力柏崎刈羽原発の周辺住民らが東電を相手取り、全7基の運転
差し止めを求めた訴訟の第26回口頭弁論が18日、新潟地裁であった。
 原告側は将来、原発を襲う可能性がある地震の揺れについて東電の想定
が不十分と指摘した。
 東電が6,7号機に関して設定した基準地震動(耐震設計の目安となる
揺れ)は、原子力規制委の審査で認められている。
 しかし、原告側は柏崎刈羽原発周辺でずれ動いて地震を起こす可能性が
ある活断層のうち、新潟市沖から小千谷市まで南北に80キロ余りの「長岡
平野西縁断層帯」に着目。
 この活断層による地震の揺れが、原発地下の地殻構造の特性で増幅する
ことを東電は考慮していないとして「揺れの想定が過少だ」と主張した。
 (3月19日「新潟日報」より抜粋。紙面のみでネット上に掲載なし)

 ◆県議選立候補予定者アンケート‐原発再稼働『認めず』4割

 県内で統一地方選がスタートする29日の県議選・新潟市議選(4月7日
投開票)の告示まで10日となった。
 新潟日報社は県議選の立候補予定者77人を対象に、東京電力柏崎刈羽
原発の再稼働問題や花角知事の県政運営への評価に関するアンケートを
実施した。
 再稼働を「認めない」が全体の4割に当たる32人で、「認める」は
3人。「判断できず」が最多の40人だった。花角県政については6割が
「評価する」と答えた。(中略)
 東電福島第一原発事故後の原発再稼働は立地自治体の首長、議会それ
ぞれの同意を得て進められている。
 柏崎刈羽原発を巡っても、今回新たに選ばれた県議たちが任期中に、
再稼働の是非について判断を示す可能性があり、各候補予定者の見解が
焦点となる。
  (3月19日「新潟日報」より抜粋。紙面のみでネット上に掲載なし)


┏┓ 
┗■4.琉球セメントゲート前と安和(あわ)の海上で阻止行動
 |  寒いのにカヌー隊にホースで海水を浴びせる海保に怒り
 |  3/18辺野古レポート
 └──── 千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア、在沖縄)

 3月18日(月) 天候:曇り/雨、風強く(8から12m/秒)、波高い(1
 から2m)、風冷たく寒い1日だった。

 朝9時、安和(あわ)に到着した時は、すでにガット台船(輸送船)は
桟橋に着けていた。ベルト・コンベアからの赤土は絶え間なく積み込
まれている。喫水線からおよそ半分位は積まれていた。
一方、琉球セメントゲート前には10人ほどの人が集まりダンプカーの
阻止行動をしている。毎、水曜日に見慣れた光景である。
 船の出港まで数時間あるのでカヌーメンバーは集会に参加した。
人か増え20名ほどになる。いつものようにダンプカーは信号右折なの
で、1分30秒から1分40秒に1台のみゲートから入る。

カヌーチームは11時に海に出て、出港に備える。しかし雨風が強く
桟橋の下に避難する。12時になっても、出港の準備は整わないので一旦
安和の海岸に戻る。
 13時、再び海へ出る。13時40分ごろ出航の合図が出る。私たちカヌー
チームはかなり粘り、結果として1時間40分遅らせたという情報もある。
 波が高く風も強い、そして気温も低くかなりタフな1日だったが、
それなりの成果はあったのではないだろうか。
 海上保安庁は、この寒いのにカヌーメンバーに対して、ホースで海水を
浴びせ続ける(怒)。
 ゲート前とカヌーとの合わせ技で、今日は台船の積み込み1.3台に
抑えたと思う。

関連報道
「ジュゴン、サンゴ、海が泣いているぞ」市民ら抗議
辺野古ゲート前
(3月19日14:03「沖縄タイムス」より見出し)
詳しくはこちらを
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/398249


*****
by kuroki_kazuya | 2019-03-20 06:15 | 核 原子力