スキーにはまっています。


by 幸田 晋

地震大国・火山大国である日本での原発はあまりに無謀な事業

世界経済の行方 非国民

hahidekey hideki <hahidekey@
(宮崎県在住者)(元県庁職員)(63歳)
2020年01月24日 午後 3:23より転載


原発が今から先、ガス発電・再生発電に切り替わっていくのは、海外の発電供給の変遷を見れば明らかなのに、未だに日本では「脱原発」「原発維持」と騒いでいます。

だから滑稽なんです。

責任はメデイアにあります。

「原発反対」や「原発賛成」などの堂々巡りは報道するけど、

「こんなに安全で安価な発電燃料もあるんですよ!」

とは報道しない。

アメリカでも92基の原発のうち31基は廃炉が決定しており、新規原発建設許可は3件出ていますが、恐らく事業計画のまま野ざらしで終わる筈です。

シェ−ルガスの登場により、アメリカでは最高12ドル/100万BTU(ガス価格は熱量換算です)の天然ガス価格は3ドル前後まで急落しました。

原油価格が150ドル/バレルまで高騰した時が最高値の12ドルで、その年の平均が大体7ドルでしたから、高い時期の半額近くまでガス価格は落ちています。

そしてこれはあくまでスポット価格であって、日本の電力会社などは長期契約で大量購入しますから、大体、スポット価格の半分くらいまで下がるのですが、日本には液化ガス=液体にして運搬するため、そのプラント工場などの投資や海上輸送コストが上乗せされるので、大体3倍くらいになります。

極端な例ですが、ペットの水を考えてもらえば良いですね。中身の水代なんかタダみたいなものです。しかしペットボトル代や充填代や運搬料や利益など乗せると量販店でも70〜80円の価格になります。

それと同じです。

しかし、同盟国のアメリカから安価で長期安定的にガスが買えるのは有難い。

アメリカのシェ−ルガス液化プラントは日本企業も多額出資していますから、払いっぱなしじゃない。きちんと日本にも資金が還流される。

そしてですね、ここが肝なんですが、原発だけを飯のタネにしてるように報道されてる日立・三菱重工・東芝などの日本重電メ−カ−が作ってるガス発電タ−ビン機は世界中で売れまくってるんですね。

何故ならば、日本企業が採用してるGTCC=Gas Turbin Conbined Cycle発電機の熱効率はムチャクチャ高く、他国メ−カ−の追随を許さない非情な優れものなんです。特許も殆ど日本企業が持っています。

今から先天然ガス価格は長期低位安定するのは分かり切ってるんですから、正直、原発事業を捨てても日本企業はガス発電所と発電機商売でやっていけるんです。

だから、会社におんぶに抱っこの下請け企業や国からの交付金を口を開けて待ってる自治体を持つ電力会社は「原発維持」と叫んでるけど、主役の原発企業は淡々としたものですよね。

原発はブラックボックスなので、幾らでも金を電力会社に請求できるし、一旦作れば半永久的に維持管理の金が入ってきます。

それに比べて、ガス発電所はブラックボックスでも何でもないから、顧客に高い!とゴネられれば若干はソロバン弾かなきゃいけない。とは言え、重電産業はライバルは少ないし、3社で談合すれば少々高額でも通用します。

それに原子力技術者の処遇なら、長期にわたる廃炉作業で十分に雇用は継続できます。

平成25年時点、5年前時点で日本全国発電量の40%はこのGTCC発電で賄われており、原発36基分にもなっています。

発電コストも施設稼働率60%の時に、石炭発電と同じになり、それでいて発生CO2は半分なんですね。

経産省は安定給電のために、石炭・ガス・原発・再生発電を25%ずつに2030年にするとか言ってますけど、バカな連中ですね。

原発は比率を下げて、その分ガス発電にすべきです。

安定給電のために25%ずつなんていうのは、単なる思い付きで言ってるだけで原発産業を維持したいだけなんでしょう。

そこに国益とか国防とかいう哲学は皆無です。

ガス供給が何故超長期安定するかと言えばですね、シェ−ルガスだけでなく今現在採取可能と積算されてるシェ−ルガスと同じ量の可燃ガスがあるんですね。

炭層ガスと呼ばれる石炭層にあるメタンガス、砂岩層にあるメタンガスの二種類です。

シェ−ルと合わせてこの3種類のガスだけで「今の世界ガス消費量」で700年以上の蓄積になります。

輸出できるほどガスも原油も国内で調達できるアメリカと異なる中国は、国内に運転中原発だけで44基あり、2011年以降世界で建設された原発51基のうち31基が中国製という今では世界最大の原発大国になっています。

やはり人口13億人という電力需要、広い国土で熱で失う電力の膨大さを考えれば他に選択肢はないのでしょう。通常は発電所で発電された電気の90%は熱になって消えていきます。狭い国土の日本でさえ90%ですから、送電距離が長い中国は更に電気が失われてるでしょう。

しかし、中国原発で一旦事故があって放射能が大量に漏れ出すと、偏西風に乗って日本に飛んできますからちょっと迷惑ではありますよね。

とにかく、地震大国・火山大国である日本での原発はあまりに無謀な事業になります。

今現在の廃炉決定原子力施設の費用は22兆円と試算されています。

「原発は安全で、低コストです!」

と言ってた経産省OBや政府関係者はあらかた死んで、もうこの世にはいません。

世界原発事業を牽引したウエステイングハウスと並ぶ二大巨頭のGEはシェ−ルガスの登場で

「原発事業は安価で安全なガス発電に対抗できる正当性を失った」

とFinancial Times誌上で公式に原発事業からの撤退を発表しました。

柏原原発が2700億円、同発電能力GTCC発電所建設費は1000億円ですよ。そして後の維持管理費が絶対的に安い。

福島原発事故を見て、その後のハチャメチャな状況と垂れ流されてる僕達が払った金を見て、なおも原発必要論を唱えるバカは愛国心の無い非国民ですよ。

但し、インドなどの新興国が原発作る分には仕方ないでしょう。13億人のインドの電力需要を賄うために石炭発電所とかバカスカ作られたらCOP20もへったくれもなくなりますからね。

しかしながら、シェ−ルオイルとガスは良い事ばかりを日本にはもたらしません。

世界一の資源大国となって、ガスと原油の輸出で金を稼げるアメリカのドルは再び強い通貨になる可能性が大きい。

資源国アメリカの通貨が強くなるという事は、無資源国の日本円が相対的に弱くなるという未来をもたらします。

輸出で稼げる力が電器産業のチンガラで大きく失われ、その他の産業分野でも徐々に失われつつあります。

例えば、高機能・高品質で中国で売れまくっていたコマツや日立建機の重機がこの3年間の間に、中国でのシェアを半分以下に落としています。

10年前はお話にならないくらいのパチモン重機だらけだった中国メ−カ−はコマツや日立建機のOBなどを次々にヘッドハントし研究し、その結果、どうしても中国企業能力で対応できない部品はニホンメ−カ−から購入し、劇的に品質を上げました。

その結果、中国市場でコマツと日立建機だけでシェア55%くらいだったのが、今では28%前後まで落ち込み、中国トップメ−カ−三一工業シェアは50%近くまで跳ね上がっています。

こういう感じで盤石だった日本メ−カ−も苦戦を強いられています。その分稼げなくなってるわけです。

そこにきてドルが強くなれば、ある時点で急激な円安進行とともに強烈な物価上昇の津波が来るんじゃないかなと心配しています。


by kuroki_kazuya | 2020-01-25 08:00 | 核 原子力