スキーにはまっています。


by 幸田 晋

志賀原発事故隠し 南日本新聞社説

[臨界事故隠し] ミスの積み重ねで
信頼は地に落ちた

( 3/17 付 )南日本新聞社説より
 原発の原子炉は暴走しないように何重もの安全対策を講じられている。
だが、思いもしない人為ミスが積み重なるとブレーキは働かなくなり、制御不能に陥る。
そんな深刻で重大な「臨界事故」が起きたというのに、北陸電力は8年間も隠してきた。

 昨年から今年にかけ、各地の原発の検査データ改ざんやトラブル隠しなどの不正が
次々と明るみに出た。経済産業省原子力安全・保安院が3月末を期限に総点検を指示
したからだが、期限間際になって、とんでもない事故隠しが判明した。
あまりの悪質さに憤りを禁じ得ない

 事故は石川県の志賀原発1号機で、1999年6月の定期検査中に起きた。
核反応を抑える89本の制御棒のうち、3本が抜け落ちたため、核分裂が連続して起きる
臨界状態になり、15分間も続いた。幸い作業員の被ばくや周辺への放射能汚染は
なかったというが、
一歩間違えれば大惨事になったのは間違いない

 今回の事故は、制御棒の出し入れを調整する弁の操作ミスが引き金になっている。
システム点検の際の作業手順書には全く反対の操作をするように記述されていた
というからお粗末だ。加えて人為ミスで緊急停止装置も機能しなかった。

 チェルノブイリ事故も運転規則違反など小さなミスの連鎖と安全性への過信から
始まったことを忘れてならない。北陸電力は「定期検査中の臨界は全く想定外」
としているが、なぜ過ちが見過ごされ、安全装置が働かずに臨界を迎えたか、
原因を徹底的に究明すべきだった。

 そして、その結果と対策を公開することで、すべての原子力施設の安全確保、
再発防止に役立てることが欠かせない。

 事故が公になっていたら、
3カ月後に茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で起き、
2人が死亡した臨界事故は防げたかもしれない。だが、志賀原発の幹部らは組織ぐるみ
で隠ぺいに走り、国への報告を怠った。

 そこには安全を後回しにしてでも、運転継続・電力供給を最優先する企業風土が
潜んでいる。こうした隠ぺい体質から抜け出すにはこの際、不正を洗いざらい
さらけ出し、検証することが重要だ。

 現在、原子力発電は日本の総発電電力量の3割を超えるエネルギーを供給している。
多くの課題や問題を抱えているのも事実だが、原発の存在を抜きにしては、
今の生活を続けていくことはできないのが実情だ。それだけに、電力会社は稼働中の
原発の安全で透明な運転に努め、信頼回復への決意に変える必要がある。
by kuroki_kazuya | 2007-03-24 19:40 | 環境 | Comments(0)