校長の不正 東京都足立区学力テストで
2007年 07月 08日
答案指さし、間違い指摘 足立区の学力テストで不正 '07/7/7
中国新聞より
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昨年四月に実施された東京都足立区の学力テストの際、
区西部にある公立小で、試験中に教員が児童の答案を指さして
誤答に気付かせる不正を行っていたことが七日、分かった。
共同通信の取材に対し、六人の教員が「校長の指示があった。
校長自身も教室に来て、自ら率先して『指さし』をした」などと証言した。
校長は「日常の指導の一環でノートや小テストを指さすことはあるが、
学力テストではやっていない」と否定。
区教育委員会は「テストは適正に行われたと考えている」とする一方、
事実関係を把握するため、調査を始めた。
足立区はテストの順位を公表しているほか、学校予算の傾斜配分や
学校選択制を取り入れており、教育関係者からは
「競争原理の導入が不正の背景にあるのではないか」との指摘も出ている。
同小は区内七十二小学校中、二〇〇五年は四十四位だったが、
不正のあった〇六年は一気に一位になっている。
テストは昨年四月二十五日、小学校では区内の二年生から六年生を対象に
国語と算数で実施された。同小の複数の教員は試験中に机の間を歩き、
答案に間違いがあると、問題を指さして児童に気付かせた。
教員らによると、校長も教室の中に入り、自ら指をさした。
教室内で教員に「指さし」を促すような態度を取ることもあったとしている。
教員の一人は「指をさして意味の分かる児童とそうでない児童がおり、
不正ぎりぎりだと思った。校長の指示があったかどうかと言えばイエスだ」と証言。
教員らは「校長は学校の平均点を上げるのが目的だったのだろうが、
あんなやり方で一位になっても子どもは喜ばない」と話している。
また、校長は、本来すべてをそのまま回収しなければならないのに、
〇五年のテストの問題をほとんどメモし、翌年の児童に練習問題として
繰り返しやらせていた。
翌〇六年のテストは、九割以上が〇五年と同一問題だった。
校長は「(〇五年の問題が)良かったので参考にした。
翌年も同じ問題が出るとは思わなかった」とする一方、
「過去問をやらなければ一位にはならなかったと思う」とも話している。
区教委は「メモを取ったのは不適切な行為」としている。