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負けくらべで生きのびる
情けない安倍政権
ブログ「天木 直人のブログ」 2015年10月31日より転載
安倍政権が行き詰まった時に必ず社会的問題が表面化し、それをメディアが大騒ぎして連日報道する。
そう思いたくなるほどの、不祥事の連続だ。
旭化成の不正発覚がとまらない。
その前には東芝があり東洋ゴムがあった。
そう思ったら、今度は三省堂の教科書検定にまつわる接待疑惑だ。
財界ばかりではない。
官僚たちもそうだ。
警察が死亡事故をごまかしていることがバレた。
読売巨人の野球賭博発覚だって大問題だ。
あれで終わりだなどと誰も思っていないだろう。
どんなに安倍政権が暴政の限りを尽くし、失策を重ねても、批判するほうが自分の弁解に追われ、生き延びる事に汲々としているようでは、安倍政権批判どころではない。
そうなのだ。
みなが負けくらべをしているのだ。
その負けくらべの負け頭が岡田民主党というわけだ。
安倍政権はその負けくらべのために生き延びている。
そしてその負けくらべにメディアが加わった。
発売されたばかりの情報月刊誌エルネオスの11月号に、新聞・出版の軽減税率が業界の死活問題になる、という記事を見つけた。
その要旨はこうだ。
自民党が極秘調査をしたところ、軽減税率を適用しなければ生き残れない出版業界が続出するという結果が出たという。
ただでさえ、押し紙と隠語で語られる発行部数の詐欺まがいが横行し、広告・宣伝費の水増しで救われている新聞業界だ。
軽減税率が適用されなければ、ますます危機的状況になるというわけだ。
ここまで弱みを握られていては、安倍政権批判などできるはずがない。
安倍政権が敵の不祥事を意図的に悪用しているかどうか、もちろんわからない。
しかしあらゆる情報が官邸に集まる事だけは確かだ。
負けくらべでは圧倒的に有利な立場にある。
これを要するに、安倍政権は負けくらべで延命しているということだ。
これでは日本がよくなるはずがない。
敵失でしか生き延びられない安倍政権しか持てない国民は不幸である(了)